ワカサギは氷上だけじゃない!
春先の陽気を楽しむ桟橋(筏)ワカサギ釣り

普段釣りに馴染みのない方に聞くと、必ずと言ってよいほど「あぁ、氷に穴を空けてやるやつね」という返事が返ってくるワカサギ釣り。確かにメディアその他で頻繁に目にするワカサギ釣りはほぼ“氷の上”であり、その印象がメジャーだ。西日本に住む私にとっても氷上で釣りができるエリアは憧れのフィールドだ。

ワカサギ

ただし、いざ出かけようとしても、本場の氷上エリアまで足を運ぶにはなかなか遠く、また、氷が張るほど寒いエリアのため覚悟もいる(ちゃんと暖かいドームもあるので心配には及ばないが)。結局、もっぱら最近近畿エリアで流行りつつある、桟橋からのワカサギ釣りを近場で楽しんでいるところだ。

ワカサギ釣り成果

「氷上ワカサギに行きたい…でも遠い」「近場に桟橋がある…でも真冬は寒くてやだ…」 そんな矛盾した思いを抱きつつここ何年を過ごしていたのだが、「いや待てよ、温かくなってからでもまだ営業をしている春先に出かければいいじゃないか!?」と(ようやく)気が付いた次第。
というわけで今回、桜の花が開花する直前の3月下旬から4月初旬のワカサギ釣りをおススメしてみたい!
(エリアによりタイミングは異なりますのでご注意下さい)

1.目安は桜前線

桜蕾

人の体感により、外で「暖かい」「過ごしやすい」という基準や気温はマチマチ。咲きはじめの桜を見る頃の花見は一般的に肌寒いが、アウトドアを楽しむ方なら多少の慣れと防寒知識で耐えやすいだろう。となれば、朝夕は寒くても日中の陽射しが暖かい日を選べば大丈夫。
ということで、桜前線が一つの目安。行楽気分ノリノリで、春の山菜であるツクシや開花直前の桜を愛でながら出かけてみる。恐らく日中の気温は15℃前後から20℃までといったところだろう。

2.春とはいえ薄着は厳禁

釣り

日中は気温が上がるからといえど、朝の冷え込みはまだまだ続いている季節。恐らく1~2℃から10℃未満といった朝の気温。なので、薄着は厳禁。日中に気温が上がることを考慮して脱ぎやすいよう、インナーからアウターまでを重ね着し、冷え込みに備えるのがベター。厳冬期に比べるとましだが、まだまだ水辺は寒いことが予想される。

レインウェア

できればフロントファスナーのものにしておけば、気温に合わせて脱ぎ着(調節)しやすい。また、念のため急な天候の変化に対応すべく、荷物のなかにはコンパクトに収納できるレインウェアを忍ばせておくのがおススメ。雨が降らずとも、予想以上に寒い場合には、ウィンドブレーカー変わりのアウターとしても活用できる。
手先足先の冷えが心配な方は、使い捨てカイロが1つあればよいだろう。エサが小さく、アタリ(魚信)の感度が求められるワカサギ釣りのため、手袋はなくても構わないと思われる。

3.この時期、ワカサギは産卵の季節

ワカサギ

タイミングによって当たりハズレがあるのは否めないのが釣り。この時期ワカサギは産卵の季節であるため、タイミングによっては「魚がいるのに活性が低い(釣れない)」「釣れるけど魚が細い…」など日ムラがある。

仕掛 瞬貫ワカサギ1.5号

状況が悪ければ、底を丁寧に探ったり、集魚剤としての役割を果たす「ブドウ虫」を使用するなど、多少の工夫を試したほうがよい。また、食い気にムラがあるということは、仕掛のハリサイズも幅広く持っておいた方が、何かと状況に対応できてよいだろう。(ハリ0.8~2号程度)

しかし、いろいろやってそれでも釣れなければ、気持ちのよい小春日和をのんびり楽しみ、友人との会話で盛り上がるなど。春の陽気を満喫すべく、割り切って時間を過ごすのがおススメだ。

※産卵のシーズンは、おおよそ1月から3月といわれているが、地域により異なる。気になる方は釣り場に確認してみよう。

4.メリットは『暖かいから釣りがしやすい』につきる

ワカサギ
小さなエサ

冒頭でもお伝えしたように、春先のワカサギ釣りのメリットは、何といっても『暖かい』こと。これにつきる。小さなエサ(サシやアカムシと呼ばれる昆虫の幼虫)を小さなハリに付けなければならないこの釣りは、指がかじかむ寒い時期にはなかなか難しい。気温が高いだけで、数倍エサを付けやすいのだ。また、体温が下がらないから身体を動かしやすく、多少血行よく過ごせる(気がする)。そのため腰痛や膝痛が軽減するのも大きなメリット。

その他、のんびり景色を眺めながら会話も弾むし、日が長いから行き帰りの道中が暗くなくて安全なのも助かるところ。電動リールや魚探の電池が減りにくいといったことも挙げられる。(電池は寒いと早く減ります)

電動リール
魚探
釣り

なんだか春先はいいことずくめのようだが、一方で少なからずデメリットもある。それは「花粉症」と「日焼け」。花粉症は人によるものの、この時期湖から周辺の山を眺めると、「白~く」霞んでいる・・・。モヤや霧の場合もあろうが、スギやヒノキの花粉はいたるところに浮遊している。そして、陽射しもやはり強く、ほのぼのとした雰囲気とは裏腹に、1日釣りをした後はしっかりとお肌が赤くなってしまうのもこの季節だ。
釣りにかかわらず、屋外に出かけやすくなる時期だけに、しっかりとした対策とケアが必要であることはお忘れなく。

そろそろシーズンは終盤。春先の一時ではあるが、気楽に快適に楽しめるこの季節のワカサギ釣り。なにかと狙い目だと思われるので、ぜひおススメだ。

ワカサギ釣り
ワカサギ釣り