春告魚 ー 春を告げる魚であるメバル
以前は春告魚と書くと、それは「ニシン」を指していたそう。ちょうど3月〜5月頃に、ニシンの群が北海道に近づいてくるためそう呼ばれていましたが、近年はニシンの漁獲量が減ってきたこともあり、春に旬を迎えるメバルを春告魚と呼ばれる様になったのだとか。この春告魚は地方によっていろいろな魚がそう呼ばれていますが、今回は産卵前で大型が狙えて、しかも美味しいメバルに注目してみたいと思います。
メバリングも良いけど、型狙いならやっぱり船から餌釣り
近年「アジング」と共に、非常に人気が高いのが「メバリング」と呼ばれる、細いラインに小さなルアーやワームを使った釣り。餌を使わずに手軽で手返しも良いのも魅力。しかし今回オススメしたいのが船からの餌釣りです。岸からではなかなか狙えない様な大物も良く混じり、初心者の方でも二桁釣果も珍しくない、この時期に非常に人気の高い釣り。普段はメバリングを楽しむ方にも、ルアー釣りとはまた違った、春ならではの釣りを是非試してみてはいかがでしょうか。
仕掛は餌に合わせて様々なものが用意されていますが、先ずは胴突仕掛やサビキ釣りから始めてみましょう。エビやイソメ、小魚を餌に複数の鈎で釣るのが胴突仕掛。アミカゴに餌を入れて魚を寄せて、魚皮などが巻いてある鈎に喰わせるのがサビキ釣りですが、どちらの方が良いかなどは船宿や釣具屋の情報をもとにして決めれば間違いないでしょう。普段ルアー釣りを楽しまれる方は、イワシの泳がせなどを試しても色々勉強になるかもしれませんね。
竿は先調子の、2.4~3mぐらいのメバル竿や磯竿を使います。スピニングでも両軸受リールでも構いませんが、水深が深い時は両軸リールがオススメです。オモリは通常15号〜30号ぐらいですが、オモリに関しても、一度船宿に相談しましょう。その日の潮の流れや天候でも釣りやすい号数が変わってきます。大概の釣りがそうですが、毎日の様に現場にいる人間に聞くのが一番。
釣り方
合図があったら先ずは仕掛を底まで落とします。しかしメバルの好む岩礁地帯は根掛かりも多いので、底を取ったらすぐにクラッチを切って、軽く竿をシャクって誘いをかけます。
メバルは根魚の一種ですが、意外にも底べったりと言うよりも、頭を斜め上にした態勢で底から少し上で静止していることも多い魚なので、仕掛が弛み過ぎない様に注意しながら、餌をふわふわとメバルに見せてあげる様なイメージです。
胴突仕掛もサビキ釣りも、強いアワセは不要なのですが、たくさん釣るコツのひとつがアタリを読むこと。コン!とあたった後、ググっと引き込まれるのですが、この引き込みが明確であれば、魚は上の方の鈎に掛かっていることが多く、モゾモゾした感じなら下の鈎なことが多いのです。上の鈎なら少し待って、今度は下の鈎の餌も魚に食わせましょう。魚に不信感を与えない様に軽く糸を送ってやるのもコツですが、あまり緩めすぎてしまうと根掛かりやオマツリの原因になるので、ここが腕の見せどころかもしれませんね。
15cmに満たない様な小さな魚はなるべく逃がして、持ち帰った魚は煮付けや唐揚げにして美味しく頂きましょう。大型はお刺身も人気です。新鮮なメバルは簡単には手に入りにくいので、釣り人の特権を大いに行使したいところ。