タコってそもそも釣れる魚… そもそもタコって魚なの?
タコは魚ではなく、イカなど同じく「頭足類」と分類される生き物。国や地域によってはタコを食べてはいけないとする所もあるようですが、ほぼ世界中の海に生息し、日本以外のアジア諸国やヨーロッパの伝統料理にも使われ、人間とはとても長い付き合い。しかしその傍ら、意外にも長く釣りをしてきた釣り人でも、タコを釣ったことのない人は少なくない。そもそもタコをどの様に何で釣るのか。そして何処で釣るのか。スーパーや寿司屋では見る事の出来ないタコの一面を紹介してみよう。
ちょっとグロテスクな見た目とは裏腹に美味、そして文武両道のタコ
タコの身はカロリーが低く高タンパクで、しかも美味しいのだから長い間人々に食されてきた理由もわかる。
しかし何処か宇宙的な雰囲気を持つ形体と長く伸びる複数の足、間の抜けた表情。正直あまり頭の良い生き物には見えないが、視覚のみで、モノの形やエサのいる場所を認識し、学習し、閉じている瓶の蓋を開けて中のエサを取ってしまう程その知能は非常に高いとされています。しかもその体のほとんどは筋肉でできているというアスリートなのだから驚き。
普段は真っ赤にゆで上がった姿を目にする事がほとんどですが、もしも生きたタコが釣れたら、次はその姿をじっくりと見てみたくなってきませんか?
タコを釣ってみよう
日本にも何種類ものタコがいますが、一般的に釣りものとして挙げられるのはマダコとミズダコ。特にマダコは一般的によく食べられている美味しいタコで、日本各地の防波堤から釣ることが出来ます。シーズンは初夏からと言われていますが、初めはまだ小さいタコがメイン。シーズン終わりが近づく今頃が、一番大型のタコを釣るチャンスでもあります。その足と吸盤を使って、底にべったりと張り付くタコのパワーは強力です。普段はなかなか味わえない様な大物釣りを、防波堤から気軽に味わってみましょう。
タコ釣りの道具
竿とリール
仕掛を大きくシャクり上げたり、底から無理矢理タコを引きはがして引っこ抜くなんていう事も多いタコ釣り。先調子の硬い竿ならどんな竿でも構いませんが、取り回しやトラブル回避にも一役買うので、10ftぐらいまでの短めの竿がオススメです。
リールはベイトリールが一般的ですが、PEラインを十分に巻けるものならスピニングリールでもOK。堤防際は根掛かりとの戦いになると予想されるので、最低でもPE3号ぐらいを用意しましょう。
仕掛
タコ釣りの仕掛は非常に単純明快なもので、タコテンヤと呼ばれるものを使います。エサは死んだアジやイワシから、ワームなどの疑似餌など様々なものが使われますが、一説としてタコは白いモノに強い興味を示すことから、白や黄色など水中で目立つカラーがオススメ。知能が高い反面、動くものなら何でも反応してしまう可愛い一面もあり、その状況に合わせて色々なモノを試してみましょう。プラスチックで出来たカニの疑似餌も、大型狙いの釣り人には非常に人気です。
釣り方
防波堤の際(ヘチ)を狙うのも、少し離れた底を釣るもの基本的には一緒。場所の移動を繰り返しながら、仕掛を一度底まで沈めて、竿先を上下に動かしながら仕掛を動かして誘っていきます。季節の進行、気温の低下と共に、タコはヘチからより底へと付き場を変えていきます。この季節のタコ釣りは底をメインで攻めてみるのが良いかもしれません。
タコのアタリは突然グッと押さえつけられたり、何かに引っかかった様な重みを感じる事が多いです。焦らずに1テンポおいて、ロッドを大きくシャクってアワセましょう。タコテンヤの鈎にはカエシがないので、一度タコが掛かったら糸を緩めずに、バラさない様に竿を曲げてリールを巻き続けるのが重要です。タコが上がってきたら回りに人や物がないか気をつけて一気に引っこ抜きましょう。もちろんタモ網を使った方がより確実です。
釣ったタコをどうする?
タコは生で良し、煮て良し焼いて良し、揚げて良しの万能食材です。今までゆでだこしか買った事のない人には、塩揉みしてヌメリを取る等、少し処理には手間が掛かりますが、新鮮なタコの刺身やカルパッチョは絶品。是非持ち帰って料理に挑戦しましょう。ちなみに皮を剥いた大根でタコを殴るとタコが柔らかくなると言われていて、大根に含まれる消化酵素が働いているそうです。アスリート体質のタコは、火が通るとどうしても身が硬くなってしまう傾向があるので、そんな事を子供や友人に教えながらタコを叩けば、「釣りばかり行ってるけど、意外に頭が良いのかも?」と思ってもらえるかもしれませんね。