今回は「ハリ先の鋭さ」について解説しましょう。
釣りバリには対象魚や使用目的によってさまざまな種類があります。そして「ハリの命」とでもいうべきハリ先の鋭さは一様ではありません。ハリ先の鋭さについて、一体どのようなポリシーで作られているのか、そんな基本となる考え方をお伝えします。
ハリ先の鋭さは一律ではない!ターゲットや用途で変わるワケ
釣りバリのハリ先は鋭く尖っています。エサやワームをセットしたり、魚をスムーズに掛けるためです。尖っていないとエサやワームをセットすることがなかなか困難ですし、第一に魚を掛けることができません。
しかし、その鋭さは一律ではありません。それぞれのハリが対象としている魚や使用するエサ(ワームも含む)の種類だけでなく、使用環境によってもハリ先の鋭さには違いがあります。

ハリ先の鋭さを表現する「尖頭倍率」とは?
そんなハリ先の鋭さの違いは、「尖頭倍率(せんとうばいりつ)」という数字で表現されます。かんたんに言うと、使用されている線材(ハリの材料)の線径(断面の直径)に対する、ハリ先の長さのことです。
たとえば、線径1mmの線材でハリを作る場合に、ハリ先として先端部を削る長さが5mmのものを“尖頭倍率5倍(×5)”と表現します。単純にこの倍率が大きいほどハリ先は鋭くなります。しかし、この倍率が大きいほどハリ先の強度はダウンします。

市販されている一般的なグレバリで4.5倍、アユ友の釣り用の掛けバリでは10.5倍ぐらいが多いようです。また、岩礁帯をハードにねらうイシダイ釣り用のハリなど、とくに強度と耐久性が必要なハリはどれも軸が太く、一般的な磯のイシダイ釣り用のハリでは3.3倍程度ということです。

また常時、底の石や岩にハリ先が触れることが多いアユの友釣り用の掛けバリは、「2段尖頭」という構造になっています。ハリ先全体のほとんどの部分は尖塔倍率10倍とひじょうに鋭いのですが、そのままだと底石に触れたときの劣化が激しいので、ハリ先のなかでも、ほんのわずかな最先端部分だけは鈍角に設計されています。

魚を掛ける(魚に刺さり込む)ためにはハリ先は鋭い方がよいのですが、あまりにも鋭過ぎると、使用中に強度が早く落ちてしまいます。すぐに折れたり曲がったり、摩耗したりするハリは、耐久性に欠け使いものにならないのです。
カエシの有無でも尖塔倍率は調整される
ハリ先の鋭さは、カエシの有無や大きさとのバランスにも考慮して設計されています。
たとえば、友釣り用のハリのような細い線径の線材でカエシを作ろうとすると、カエシを作る位置の強度が極端にダウンしてしまいします。また、そこそこ太い線径のハリでも、あまりに大きいカエシを作るとその部分の強度は落ちてしまいます。

そんなわけで、カエシの有無、カエシのサイズとの兼ね合いでも、ハリの種類それぞれで尖頭倍率が調整されているのです。市販されている釣りバリの「ハリ先の鋭さ」は、それぞれの釣りで最適なものであることは間違いありません。

といったわけで今回はココまで。次回はハリの「カラー」についてお伝えする予定です。