ルアー釣り感覚で扱えて、エサなみに釣れる!?
川の小物釣り新メソッド「トレーラー小魚リグ」とは?

エサ釣りの難点といえば、「魚種ごとにいちいち仕掛を組まなければならないこと」「魚種に応じたエサを用意しなければならない点」ですが、もしその手間を省いて、ルアーフィッシングに近い感覚で釣りができるとしたら、とくに釣り初心者にとっては、かなりお手軽かつ楽ですよね?

01_ ジャックアイ“豆”シリーズ

エサを使わない空バリを用いた釣りの可能性については、以前の記事を参考にしてもらうとして、今回紹介する「トレーラー小魚リグ」とは、さらにそれを発展させたもの。
その昔、マスの管理釣り場で一世を風靡した「トレーラー仕掛(現在はほとんどの管理釣り場で使用を禁止されています)」の考えを応用し、ハヤブサの「ジャックアイ “豆”」シリーズのマイクロメタルジグと「ショアライト SABIKIアシスト ダブル」、もしくは各種サビキ仕掛のハリとエダス部分のみを組み合わせたものです。

今回は、それら仕掛やアシストフックを流用した「トレーラー小魚リグ」の作り方と、このリグを使った都市型河川での実釣の模様を紹介します。

参考:これぞ平打ち金バリの魔力!ヒラリン専用アシストフックを流用した仕掛はエサいらずで釣れまくり!

なぜこの仕掛で小物が釣れるのか?

いわゆる毛バリと同じく、日本古来の「擬餌(ギジ)バリ」を使用した仕掛であることが大きな特長です。端的に説明するならば、「ウェイト兼集魚板代わりのマイクロメタルジグで魚の興味を引き、擬餌バリで食わせる仕掛」と表現すればいいでしょうか。もしくは、擬餌バリが付いた「スプリットショットリグ」や「ブッコミ仕掛」というのが、一番イメージしやすいかもしれません。

トレーラー小魚リグを作るために必要な物

用意するものは、「ジャックアイ 豆ヒラリン(ハヤブサ)」などのマイクロメタルジグ(2~5gくらい)と、「ショアライト SABIKIアシスト ダブル(ハヤブサ)」もしくは各種サビキ仕掛のハリとエダス部分。そして、ハリスガン玉の4点。
以上を組み合わせるだけで、ひじょうにシンプルな仕掛(リグ)を作ることができます。

04_ トレーラー小魚リグ

トレーラー小魚リグの作り方

リグの作り方は、30~50cmのハリスの両端にマイクロメタルジグと、ハリとなる「ショアライト SABIKIアシスト ダブル」もしくは、サビキ仕掛のハリとエダス部分を結ぶだけ。ちなみに、このリグのキモは以下の2点です。

  • ハリスには必ずナイロン、もしくはフロロカーボンを使うこと
  • ハリのチモト近くにガン玉オモリを打つこと

①は実際に試してみて分かったことですが、PEラインなどのブレイデッドライン(編み糸)を使うと、(明確な理由は分かりませんが…)ナイロンやフロロカーボンと比べて、明らかに魚からのアタリの数が減ります
そして②は、チモト付近にガン玉を打たないと、ハリがフワフワと水中を漂う形になるため、アタリを取りにくくなるからです。ただし、あえてハリスを極端に短くする場合(10cm以下)は、ガン玉は必要ないかもしれません。

このようにかんたんに作ることができる「トレーラー小魚リグ」。もう1つポイントを挙げるとすれば、マイクロメタルジグは可能な限り、軽いものを使った方がアタリの数は明確に増えるということです。これは、魚がハリをくわえたときに違和感を覚えにくいからだと思われます。

トレーラー小魚リグの使い方
 エサ釣りなみに釣れて満足間違いナシ!

タックルは手持ちのもので十分

使用タックルはエサ釣りが可能なものであれば、そのポイントにマッチした長さののべ竿でも、もしくはリール竿でもどちらでも構いません。私は普段使っているシーバスロッド(8ftMLクラス)に、PEライン1.2号を巻いた2500番台のスピニングリールを組み合わせたタックル。そして、ラインシステム先端のスナップを介して、トレーラー小魚リグをセットしています。

05_ 使用タックル

なお、手返しのよさを考えると、フックの数は2本よりも1本、さらにフックのカエシは潰しておいた方が手返しが圧倒的によくなります。カエシを潰すとバラシが多発することを懸念する方もいるかと思いますが、ラインテンションを抜かない限りは、カエシがなくても掛けた魚は意外とバレません。

エサ釣りなみに釣れる!釣果に満足!!

釣り方は一般的なエサ釣りと同じく、小物の川魚がいそうなポイントにこの仕掛を投げ込んで、ラインの動きで魚のアタリを取る…ただコレだけです。仕掛を積極的に動かして魚を誘う必要はありません。
ただ…、釣り初心者に「ラインの動きを見てアタリを取れ」といっても少々難しいかもしれません。そこでオススメしたいのが、仕掛を投入してから約15秒に1回の空アワセ。これなら誰にでも真似できるかと思います。

結果から先にお伝えすると、このリグで、エサなみにさまざまな小物が釣れました! 私が実際に釣り上げた魚は、オイカワ、タモロコ、ボラ、モツゴの4種類です。

とくにボラには、赤系のハリやサビキバリ(例・リアルアミエビ)が効果てきめんで、サイズを問わず入れ食い状態。対してタモロコやモツゴといった「クチボソ」と称される魚に関しては、フックサイズが小さい「ショアライト SABIKIアシスト ダブル」やサビキバリ(例・豆アジ専科1号)が効果的でした。

さて、「トレーラー小魚リグ」によるお手軽小物釣り、いかがだったでしょうか? 釣れる魚種が少ない都市型河川で試してこの釣果ですから、もっと魚種に恵まれている河川や湖沼、海で使えば、さらなる釣果が期待できるのではないでしょうか。

10_ 締め込み画像
小魚以外にも、思わぬ大物が釣れることも

わざわざ専用の仕掛を組んだり、エサを付ける必要がなく、ルアーフィッシング並みの手返しのよさがこの仕掛最大の利点。ねらう魚のサイズに合わせて、使うメタルジグのサイズ、アシストフック、サビキ仕掛、ハリスの号数を変更すれば、おそらく小魚以外でも同様の釣果が見込めるものと思われます。
ルアー以外にいちいちエサを用意するのは面倒だなーという方や、女性や子どもにもオススメのお手軽リグが「トレーラー小魚リグ」。ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

それではよいフィッシングライフを。


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レポーターREPORTER

ばんぱく
プロフィール:ばんぱく
ラパラルアーとアメリカンルアー、アニソンとZABADAKとPerfumeの曲をこよなく愛する心優しきオッサンアングラー。さらに競馬や雑学、サブカルチャー系の知識全般にやたら造詣が深い。