今から知りたい!エギング STEP UP アオリイカ釣り方の基本!
しっかりとした状況把握とエギ選び

前回は釣り場選びとねらうべきポイントについて解説しました。
今回は、初めての場所での地形や水深についてどのように確認したらよいのか? エギのカラーは沢山あるけど、どういったシチュエーションでどのようにローテーションするのか…? など、アオリイカの釣り方の基本を押さえていきたいと思います。

1.遠投したい気持ちを抑えて!
1投目は足下から

01_ 足下②

陸っぱり(ショアから)の釣りの醍醐味の一つに「遠くにキャスト(仕掛やルアーを投げる)する」楽しみがありますが、エギングの場合はまず我慢。まずは見える範囲にイカがいないか確認します。
イカがいる場合は、見つけたイカの近くにキャストして反応を見てみましょう。そして近くにいない場合も、これまた力を込めてフルキャストしたい気持ちを抑え、足下(岸際から5~8m程度)の底から釣り始めます。

02_ 足下を探っている釣りシーン

理由としては、アオリイカは性質上、いずれかのイカが墨(スミ)を吐くとほかのイカが警戒すると言われているから。フルキャストして沖からイカを釣ってしまうと、釣り上げ途中のまだ釣っていないエリアでスミを吐いてしまい、手前にいるイカがすべて警戒してしまう恐れがあるからです。

※スミで警戒するという生態については諸説あります

まずは「足下(際から5~8m程度)」から始めて、反応がなければ「ちょい投げ(15m程度)」して反応をうかがい、そのあとフルキャストするという具合に、徐々に遠くへキャストするステップを踏みましょう。

2.シーズンによって異なる!?
基本的なねらいどころとアクション

03_ シャクリシーン

基本的にアオリイカを釣るには、「エギをキャスト → 底まで沈める(フォール) → シャクル→ 沈める(フォール)」といった動作を繰り返し行います。
しかし、季節によってねらうイカのサイズやアクションが異なるので、ここでは比較的小型の秋イカと、大きく成長した春イカに分けて、その基本のねらい方を見ていきましょう。

(1)秋の新子は幅広く探れ!

秋イカは小型のサイズが多く、一般的に「新子(しんこ)」と呼ばれます。活性が高く好奇心旺盛な性格で、比較的初心者でも釣りやすいといわれています。

04_ 足下①
港のロープに身を寄せる新子たち

小型の秋イカを攻略する基本は、幅広く探ること。
なぜなら、秋イカは外敵(フィッシュイーター)から襲われることが多いため障害物付近に隠れていたり、エサを求めて水面近くを回遊したりと、いろいろな場所にいるからです。

エギのシャクリは細かく速いシャクリを複数回(4~6回程度)行ったり、大きなアクションでエギを跳ね上げさせたりと、イカの好奇心をくすぐる、さまざまなアクションに効果があります。また、小型が多い時期でも底付近には成長の早い、やや大きめのサイズがいることもあるので、底付近も丁寧に探りましょう。

(2)春の大型はしっかり沈めて待つ

大きく成長した春イカは、産卵を控えた「親イカ」と呼ばれます。警戒心が強く気難しい性格なので、釣りにくいとされています。

05_ ライブリー①
春は産卵を控えた良型がねらえる季節

大型の春イカを攻略する基本は、底を中心に釣り続けること。
春イカは産卵のために岸近くの浅瀬に接岸してきます。浅場の藻の生い茂る場所を好み、どちらかというと、中層に浮遊しているというよりは底付近を回遊することが多いためです。

エギのシャクリも秋とは違い、大きくゆっくりとしたシャクリを数回(2~4回程度)行い底まで沈めたのち、ステイ(底で止める)してアタリを待つといったアクションを繰り返します。

 

アオリイカは群れで行動していることが多いので、釣れた場所やタナを記憶しておけば、同じ場所で釣れ続くことが多くあります。
しかし、反応がなくなった場合やスレてしまった場合は、新しい群れの回遊を待つのもよいですし、キャストする方向を変えたり、陸っぱりの面白さでもある、自分の足で稼ぐ釣り「ラン&ガン」を試すのも効果的です。

※釣り場選択やねらうべき場所については、第3回の記事をご覧ください

3.まずは釣り場の状況を把握すること!
さまざまなタイプのエギを持っておくと便利!?

06_ 釣りシーン(日中)

初めての場所で釣りをする場合、おススメは「デイゲーム(日中の明るい時間帯)」
デイゲームであれば目に見える障害物やロープ・ブイなどを目視できるため、釣り場の状況確認が容易です。実際に目で見て状況確認したうえで釣り始めれば、エギのロストを防げたり、日が暮れて水中の状況がまったく分からない!! なんて心配もありません。
ちなみに、デイゲームでは偏光サングラスを装着することで海面のギラツキを抑えることができ、水中の様子が見やすくなります。

07_ 偏光サングラス
偏光サングラスを掛けていれば、海面のギラツキを気にせず水中の様子を把握しやすい!

また、初めての場所はもちろん、今、釣りをしている場所の水深や底の地形が分からないときは、メタルジグ(ハリを外したもの)や鉛単体(5号程度)のみをキャストすると、水深確認や地形把握を楽に行えます。

 

08_ エギファイルやタックルBOXのエギ

潮通しのよいエリアや水深のあるエリアでは、通常のエギよりも重量のあるディープタイプのエギを使用することで、ノーマルエギでは対処できなかったエリアもねらうことが可能です。
また逆に、水深の浅いエリアでは、通常のエギよりも重量の軽いシャロータイプのエギを使用すると、フォール時間を長く取れるため、通常のフォールスピードでは乗せきれなかったイカにアピールすることが可能となります。
上記の2タイプのエギを数本ずつでもタックルボックスに忍ばせておけば、さまざまな場面に対応することができますよ。

ついでに、初めての場所などでどこから釣り始めたらよいか分からない場合は、足下のスミ跡(イカが釣れた証)のある場所からスタートするのも釣果への近道です。

09_ スミ跡
スミ跡はイカが釣れた証! 初めての場所では目安になります。ただし、極力スミ跡を残さないように釣り場を綺麗にして帰りましょう!

4.釣り続けるにはカラーローテーションも大事!

カラーチェンジについてですが、エギには下地(テープ)と呼ばれる、さまざまなカラーがあります。
金、赤、マーブル(虹)、紫、緑、クリア、夜光(グロー)、シルバー、ホログラムなどが一般的な下地色です。エギ表面(背中の色)のカラーも大事ですが、これら下地のカラーを基準にローテーションする方が分かりやすく迷いにくいので、意識してみてください。カラーをローテーションすることで、イカをスレにくくし、コンスタントに釣り続けることができます。
もちろん、背中の色や柄の違いが影響する場合もあります。背中の色や柄のローテーションも複合的に考えれば、より効果的です。

10_ スクイッドジャンキー ライブリーダート カラーバリエーション

 

あくまで参考ですが、私の場合、光量や時間帯で以下のように下地カラーを使い分けています。

夜や暗い時間帯は、赤、夜光、紫、緑でシルエットを重視します。太陽が昇り始める時間帯は、光量の強さに合わせて「赤 → 金 → クリア」と替え、状況に応じてマーブルタイプとローテーションします。太陽が昇りきり強い光が注いでいる時間帯はシルバーやホログラムを選び、太陽光を反射させるフラッシング効果で強アピールさせます。(日中から夕方、夜へと移り変わる時間帯はこの逆のパターンとなります)
また、澄み潮やスレたイカにはクリア系でナチュラルにアピールし、濁り潮なら夜光で遠くまでアピールできるようにしています。

上記の下地ローテーションだけでなく、エギ表面(背中の色)のカラーの使い分けも組み合わせれば、イカからのコンタクトが増えるはず!! さまざまな色を使い分けて、その日の当たりカラーを見つけるのもエギングの楽しみの一つですね!!

ちなみに、外洋に面している釣り場や潮通しのよいエリアでは、フィッシュイーター(青物など)の回遊によってイカが警戒し、反応しないときもあります。そのような場合はエギを外して、代わりにジグワームを付けて魚ねらいに変更するのもアリです(笑)。

11_ エギを付け替えているシーン

今回の重要ワンポイント

  • ●まずは足下から丁寧に釣り始める
  • ●地形や水深など、釣り場の状況を把握。いろんなタイプのエギで対処しよう!
  • ●こまめなカラーローテーションで当たりカラーを見つけよう!

 

12_ ライブリー②

4回目の今回は、エギングの基本的な釣り方について解説してみました。
普段は見逃しがちだった足下を探ることにより、思わぬ釣果アップやサイズに出会えるかもしれません。素早く状況把握を行い、あらゆる状況に対応できるようさまざまなタイプやカラーのエギを準備する。釣果アップへの近道を探すのもエギングの面白さですね。

さて次回は、「アタリの取り方」について。ぜひ引き続き、「今から知りたい!エギング STEP UP」にお付き合いくださいね!

 

レポーターREPORTER

小南 勇気
プロフィール:小南 勇気
3歳のころから父親に海釣りに連れていかれ、気が付けば釣りに夢中に。中学生になると、自らの足で近所の野池や海に行くようになった。好きな釣りはショアのソルトルアー(とくにエギングとライトゲーム)。また、釣り以外にもアウトドア好きで、冬はスノーボード、夏はキャンプと根っからのソトアソビスト。行動力とフットワークの軽さは社内一のはず?(笑)
現在は釣具メーカー・ハヤブサにて開発課メンバーとして勤務し、日夜商品開発に奮闘中。