昆虫採集は釣りと似ている!?
子どもと楽しむ「クワガタ捕り」の魅力とコツ

大人もハマってしまう夏の定番、子どもたちが大好きな「クワガタ採集」。実は釣りとの共通点が多いと感じているのは私だけでしょうか? そんなクワガタ採集について私の実体験をもとに、道具や服装から、100円均一ショップで手に入るおススメのアイテム、クワガタの種類ごとの捕まえ方などをご紹介。
ぜひ夏休みの自由研究や親子の思い出にどうぞ~。

釣りとクワガタ採集は似ているトコロが多くあります

01_ 4631昆虫採集

意外に多いクワガタ採集愛好者

釣り人にはクワガタ採集ファンが意外に多く、SNS を閲覧するととくに「結構いるな…」と感じます。
クワガタは夜間に活動するので、魚でいうアジのように走光性(光に集まる習性)がありとても魅力的です。また首都圏ですと愛好者が多いため、山奥に行けば行くほど採集率が高くなり、行きにくい場所ほど採集できるのも魚釣りの釣れるポイントと似たところ。ちなみに採集時期が決まっていて、クワガタが出てくる時期はマゴチが浅瀬に着岸してくる時期でもあります。

1投目のキャストと似たワクワク感

山に最初に入るドキドキ、ワクワク感も似ているようで、樹液が出ている木を見つけたら、魚のポイントを見つけたときと同様に感じます。
そして、クワガタ採集でもやはり情報収集が大事です。釣りもポイントを知らないと全然釣れないなんてこともあると思いますが、標高の低い所でミヤマクワガタを捕まえようと思ってもほとんど無理でしょう。「今の時期、どこにねらいのクワガタがいるのか?」といった情報を集めておくことが大切です。

採集にはルールがある

釣りと同様に、クワガタやカブトムシの採集の際にもルールがあります。

禁止エリアでは虫捕りをせず、禁止エリアでなくても乱獲はしないようにしましょう。そして、ゴミは当たり前ですが持ち帰りましょう。これは当然ですね。
また、土を掘り起こしたりウロ(木の幹が洞窟状になった穴=クワガタたちの棲み処)をかき出す際は、木を痛めないようにして元の状態に戻しましょう。 ウロを壊すと穴がなくなりクワガタが入ってきませんので木の破壊はしないようにしましょう。

一般的なクワガタのポイントと捕り方
<コクワガタ、ノコギリクワガタ など>

クヌギの木を見分けられるようにしましょう

クワガタが好む木は決まっています。木を見分けるのが採集の早道かもしれません。樹皮が似ている木があるので、葉っぱで見分けるのがよいかと思います。

クヌギの特徴は、葉が細長い楕円形で硬く、表面にはツヤがあり、縁はノコギリ状にギザギザしているのが特徴です。樹液が出ていたら高確率で採集可能だと思います。また、木の幹に見当たらなくても根の周辺を掘り起こせば、眠っているクワガタに出会えるかもしれません。

コクワガタ、ノコギリクワガタの生息地は?

02_ 8330ウロ

この2種類に限っては、市街地の雑木林や自然の多く残っている公園などでも採集可能です。
昼間に樹液の出ている木を確認しておき、夜7時から10時ぐらいの間に再び木を確認しに行けば、比較的たやすく採集可能かと思います。市街地ですのでほかの採集者も多いかもしれません。バナナトラップを仕掛けるなど、自分なりの工夫でクワガタをおびき寄せるのもよいでしょう。

危険生物への注意と服装

初心者の方で多く見られるのが、「サンダル&半袖半ズボン」といった軽装で採集している姿です。時期的に蚊もとても多いのもありますが、もっと危険な生き物もいるので注意が必要です。

クワガタやカブトムシが好む樹液にはさまざまな生き物が集まります。なかでもスズメバチは昼間に活動しますので要注意。また夜は、蛇が活発に活動するので間違えて踏んだりしないよう、足元には充分注意しましょう。
私の場合は「長袖長ズボンと長靴」「手袋」を着用して採集しに行きます。

ミヤマクワがタの捕り方とコツ

03_ 0741ミヤマクワガタ

その名の通り、標高の高い山や湿気の多い場所を好む

04_ 0732ミヤマクワガタ(メス)

ミヤマクワガタは日本全土に生息していてほかのクワガタと違い昼間も行動するので、ポイントさえ分かれば誰でも採集可能です。ですが、初めはやはり詳しい方の情報が一番信頼性が高いのかと思います。

湿度が高い場所に多く生息しており、標高が高いダムや沢、川、湖などの周りの広葉樹が茂る場所がねらい目です。

採集のコツ

私の場合、広葉樹の小さい木を見つけて揺さぶるなどして採集しています。
ミヤマクワガタは大きい個体であれば明らかに実や枝ではない、結構なよい音がするので分かりやすいのです。落ちてきたときの興奮、喜びは最高ですよ。

05_ 0731ミヤマクワガタ(メス)2

ヒラタクワガタの捕り方とコツ

06_ 8184ヒラタクワガタ

とても気性が荒いクワガタですが、関東でも採集可能です

関東に住む私は小さいころにヒラタクワガタに出会ったことがなく、ほかの方のSNSなどを見て関東にも生息していることを知りました。ミヤマクワガタ同様、詳しい方の情報を頼りに採集場所を探してみてください。

ヒラタクワガタのとくに大型のオスはアゴの力がひじょうに強く、挟まれるとなかなか離してくれません。子どもと一緒に採集して喜んでいたところ「挟まれて大泣きするハメになった…」などといったことはよく聞く話です。大人でも挟まれるととても痛いので扱いには十分注意しましょう。
昼間は木のウロに隠れていることが多いので、かき出し棒が必要です。

採集のコツ

私の場合は河川敷をねらいます。大きな川が流れている場所の朽木が多くあるヤナギを見つけ、探して回っています。朽木の中には幼虫も見つけることができますよ。

07_ 4719ヒラタクワガタ2

大抵の道具は100円均一ショップで一通りそろう

最近の100円均一ショップは品揃えが豊富です。昆虫採集に出掛ける前には、一度立ち寄ってみるとよいでしょう。虫捕り網や飼育カゴ、エサ、腐葉土(マット)など、ほぼほぼそろいます。しかし、ハイシーズンである夏休みやお盆には商品も品薄になりがち…。早めに購入、準備しておきましょう。とくに旅行先などの行楽地になると、なおさら商品がないので事前購入がおススメです。

100均アイテムでウロ用のかき出し棒も作れます

かき出し棒は専門のモノもありますが高価です…。
私のおススメは100円均一ショップに売っている「バーベキューの串」。こちらの先端をL字に曲げるだけでウロに入っているクワガタをかき出せます。L字に曲げる角度を自由に変更できるので、ねらうウロにあった形に現場で調整できます。

08_ 8432かき出し棒

コバエシートは必須です

クワガタやカブトムシをGETできたあとの話ですが、昆虫を飼うとコバエがどこからともなく湧きます。とくに女性は嫌がると思いますので、飼育カゴの中にコバエが入って増えないよう、「コバエシート」の用意をおススメします。

子どもは学ぶことがいっぱい!
昆虫採集の魅力

09_ 0751クワガタムシ

クワガタを自分で捕まえれば、子どもにとっては自信につながります。また、飼育したクワガタに卵を産ませれば生命の勉強にもなります。そのほか、採集のためには山に入り歩き回ることで体力がつくことや、山の天候変化などを肌で感じる機会にもなります。たかが昆虫採集…かもしれませんが、五感が刺激され子どもの成長には効果的なのです。

また、採集できれば比較的飼育も容易、観察にはもってこいです。観察することでまた新たな好奇心も湧くことでしょう。ただし、生き物を飼うわけですから、飼育は最後までしっかりと面倒をみてあげましょう。

ちなみに私の周りでは、「子どもよりパパが最終的にはハマってしまった!」などとよく聞きます(笑)。

10_ 4641クワガタ採集

ミヤマクワガタは大型の種類で、立派な王冠(=頭部の突起)を持つひじょうに魅力的なクワガタですし、ヒラタクワガタも特徴のある大きなアゴが魅力的です。生息地に足を運べば決して珍しい種類ではありません。採集できれば興奮と感動を味わえること間違いなしです。
夏はクワガタ採集のハイシーズン! ぜひ山に出掛けてみてはいかがでしょうか。


釣り・アウトドア好きな一般ライターさんを強力募集中!!
詳しくはコチラ!


レポーターREPORTER

岸本 真彦
プロフィール:岸本 真彦
主にルアーフィッシングをメインに、仲間とワイワイフィッシングを楽しむのが大好き。釣り人との交流や情報交換を大切にがモットー。
インスタグラム:
@saizokh (URL: https://www.instagram.com/saizokh/)