INDEX
- 1.まずはおさらい、ジギングサビキの特長
- (1)ジギングとサビキ釣りのアワセ技
- (2)ターゲットはさまざま 時期や場所を選ばない
- (3)アクションはジギングそのもの
- 2.ではトライ!現場で実際に釣ってみよう
- (1)夏の走り、梅雨明け間近の淡路島
- (2)まずは状況判断から しっかり探ろう!
- (3)なかなか釣れない…でも諦めずに
- 3.時合いは突然やってくる!?
- (1)干満や潮の動きには敏感に
- (2)エソ祭り!
- (3)小サバが狂喜乱舞!!
- (4)最後にカサゴも
- 4.魚に出会うチャンスが多い!それがジギングサビキ!!
- ○ 使用したタックル
これまでいろいろと「堤防ジギングサビキ」の面白さやお手軽さについて解説してきた当シリーズ。いかにも「釣れそう!」な釣り方と仕掛ですが、実際のところはやってみないと分からない…。
というワケで今回は、これまで座学として学んできた内容を踏まえ、ハヤブサフィールドスタッフの井上隆史さんとともに実釣!! 夏の走りの堤防を楽しみつつ、どのように釣果までたどり着くのか? そんな模様をレポートいたします!
1.まずはおさらい、ジギングサビキの特長
(1)ジギングとサビキ釣りのアワセ技
「ジギングサビキ」とは、その名の通りルアーフィッシングの「ジギング」と、エサ釣りの「サビキ釣り」を足したような仕掛であり、釣り方なのはご存じの通り。
ジギングはメタルジグ(ジグ)を水中で動かし魚にアピールすることで、遠くの魚を引き寄せてきます。もちろんそのままジグに食いつく魚もいますが、少し食いが渋かったり、ジグのサイズが魚の口に入るサイズではない場合もあるでしょう。そんなときのフォローとして、リーダー部分にあるサビキ(擬似餌)が効果を発揮! ジグに食い切らない魚をサビキ仕掛に食わせてしまおうというワケ。
メタルジグの高アピール&集魚力と、サビキ仕掛のナチュラルで食いつきやすい確実性という、それぞれのいいとこ取りをしたのがジギングサビキなのです。
(2)ターゲットはさまざま
時期や場所を選ばない
ジギングサビキで釣れる魚はさまざまです。ツバスやハマチ、サゴシなどの青物からカマスやアジ、サバなどの小型の回遊魚、そして底に潜むマゴチやヒラメ、岩場に潜むカサゴなどいろいろなターゲットが釣れます。そして釣りをする場所に関しても、堤防や磯、砂浜とほぼどこでも…。ということは、「オールシーズン&オールシチュエーション」で楽しめる釣り方というワケです。
ジギングサビキをメインに五目釣りをするもよし。ジギングで好みのターゲットをねらう際の保険として用意しておくもよし。とにかく、比較的汎用な釣り方として安定の釣果が期待できるのは間違いなさそうです。
ただし、シンプルにジギングで釣りをするよりは、リーダー部分にハリが付いている(エダスがある)ため、根掛かりしやすいのは事実。海底の根が荒い場所や、岩礁のキワをねらう場合は注意が必要です。
(3)アクションはジギングそのもの
釣る際のアクションですが、いわゆるルアーフィッシングで多用する「ジャーク」や「フォール」といったアクションを使います。
キャスト後にジグを動かすことでキラキラと魚にアピール。ワンピッチジャーク(1回のジャークに対してリールのハンドルを1回転)を数回行ったあと、ラインを張ったままフォール(テンションフォール)。そしてまたジャークを繰り返すといった、ジギングでは基本のアクションが主となります。
ほかにも「スローピッチジャーク」や「リフト&フォール」「ただ巻き」など、いろいろなアクション・テクニックがありますが、ジギングとは違いリーダー部分に仕掛がありますので、動かし方としてはややふんわりスローな具合。激しく動かしすぎると仕掛が絡む原因となってしまいます。
また、アクション同様に「海底まで沈めるのか? 中層や表層を探るのか?」はケースバイケース。釣り場の地形やベイトの有無、潮や魚の活性など状況を加味して探り方を模索しましょう。
2.ではトライ!
現場で実際に釣ってみよう
さて、やや前置きが長くなってしまいましたが、ジギングサビキの基本を踏まえつつ実釣の様子をお届けしましょう! 実際のところはどうなのか…? やはり何事もやってみないと分かりませんね。
(1)夏の走り、梅雨明け間近の淡路島
梅雨明け間近、夏空のような入道雲がときおり姿を見せる7月中旬。淡路島のとある堤防を訪れました。以前にくらべると、ショアジギングのユーザーが多くなった昨今、週末は堤防を埋め尽くす釣り人で賑わうメジャースポットです。
当日は平日ということもあり釣り人はまばら。日はすでに昇っているものの、朝の早い時間から現場で竿を出すことにしました。
井上さん情報によると、この堤防の足下には敷石があるものの、少し投げれば全般砂地だそう。悩ましい根掛かりをあまり気にすることなく釣りを楽しめそうです。そこで、セットするメタルジグはお尻のトレブルフックが付いたままでよしとし、遠投して広く探るショアジギングタックルと足下を細かく探るライトタックルの2本を用意してみました。
(2)まずは状況判断から
しっかり探ろう!
まずは井上さん、堤防の先端ではなくやや堤防が曲がった角に場所を構えました。先端には先客が居たのもありますが、長く直線的な堤防のなかで少しでも変化のある場所を選んだという具合。水中の地形やカケアガリなどの変化も重要ですが、まずは目に見える分かりやすい変化からとらえていくのも大切ですね。
準備ができたらショアジギングタックルを大きく振りかぶってキャスト! できるだけ広く探り、当日の海の状況を探っていくところからスタートです。今のところ、水面にベイトの群れが追われている姿は見当たりません。足下を覗き込めば、スズメダイらしき群れの姿は見えるのですが…。
そんなときの探り方はいたってスタンダード。キャスト後、ジグをしっかり海底まで沈め着底してから3~5回シャクリ、ラインにテンションをかけたままフォール。着底後、再び同じ動作の繰り返しといった具合に、底から中層までをしっかりと仕掛でアピールし探るといった形です。
(3)なかなか釣れない…でも諦めずに
広く沖を探りつつ、足下の状況、情報にも注意を払います。場所を移しながら探っていると、先ほどは気がつかなかったイワシ(?)のようなキラキラとしたベイトの姿を見つけることもできました。
そんなときは遠投ではなくちょい投げに切り替えて、しっかりと足下の堤防ギリギリまで誘います。また、そもそもベイトの正体は何なのか…? イワシなのかサバなのかアジなのか…、それらを見極める意味でもライトタックルに持ち替えて、より優しくフンワリとアクションさせてねらってみました。もしかして小型回遊魚であれば、サビキに食いついてくる可能性も高いからです。
5gのジグをぶら下げたライトタックルで足下を丁寧に探りました。アクションのテンポを変えたり、キャストする向きや方向(潮上や潮下、沖や足下など)を変えてみたり。しかし、期待するような反応はなく、仕掛を素通りするベイトの小群れ…。なかなか釣果にはつながりません。
井上さんは一度だけツバスらしき姿を確認したとのことで、熱心にねらってみたそうですが、やはり釣果を得ることはできませんでした。次第に日も高くなり、気温も上がってきた午前。やや気が焦ります。