From HEAT the WEB DIRECTOR 川ちゃんと行くぶらり秋のエギング
釣果そっちのけ?ほぼ現場会議?の行方は

釣りシーン・エギング川田さん_text-photo_岳原雅浩

日中は残暑の名残を感じるほど温かい10月某日。当HEATでも楽しい魚のイラストでお世話になっている、「さかなのおにいさん」かわちゃんこと川田一輝さんと一緒に、申し合わせてぶらりエギング釣行に出かけてみた。

実は昨年も一緒にエギングに出かけたのだが、残念ながら無念のボウズ…。寒空に震えながら堤防を後にしたのだった。なので今回リベンジに燃える川田さんとともに、真っ昼間から鼻息荒く出かけることにしたのだ……。
といいながら、実はのんびりと和気藹々の釣行。先に断っておくと、釣果どころかハウツーもない記事なので悪しからず(笑)。どうぞ暇つぶしにお付き合いいただきたい。

SAで昼食がてら作戦会議

当日駅で待ち合わせたわれわれ。久し振りにお会いした川田さんだが、いつも通り爽やかで明るい。ちょうど待ち合わせ時間をお昼過ぎにしていたので、そのまま高速道路に乗って、サービスエリアで昼食がてら今日の作戦会議を開くことに。

青空に恵まれ天気は最高! しかし、あいにくの強風(北風)が少々気になる…。たどり着いたサービスエリアのレストランで、Googleマップを片手に北風をよけれる、いわゆる風裏を探すことに。
地形と最近の釣果を考慮し「あーでもない、こーでもない」と、運ばれてきた食事を頬張りながら意見を交わす2人。久し振りに会えた嬉しさも手伝って、これから釣れるはず(?)のアオリイカを思い浮かべ、期待に胸を躍らせた。

01_川田一輝(かわた かずき タックル準備シーン)

川田一輝(kazuki kawata)
関西を拠点に、フリーアナウンサー、ラジオDJ、タレント、ナレーション、イベントMCとして活動している。Kiss FM KOBEサウンドクルー・オーディション 初代グランプリを獲得。趣味は釣り・釣った魚で料理、キャンプ・アウトドア全般、バンド活動、ラジオ・映画・落語鑑賞、卓球。魚への愛は深く、魚のイラストも得意。
当HEATでは、毎週水曜日掲載「知って得する!川田一輝のお魚あれこれ」にご協力いただいている

最高のロケーションを目の前に、日中は余裕でのんびりと

02_ 釣りシーン(川田)

品定めして今日のフィールドを決定! 昼食を終え、小1時間ほど車を走らせて目的地へと向かった。
まだまだ風は強いものの、現場に到着すると比較的風も波も穏やか。お日様の光に照らされてきらめく南西に広がる海と、どこか牧歌的な島々を目前に、平日の日中にこの景色が見れただけでも来た甲斐があったと、2人で海を眺めながらしばしホッコリ。とりあえずタックルを準備して、余裕の心持ちで海中を覗き込んだり、エギをキャストして水深を確かめたりと、準備運動がてらに釣りを開始した。

最高のロケーション、気の知れた仲間、そしていい季節…。
もちろん目的はエギングでのアオリイカなわけだが、今のところ条件が整っているので釣果については余裕~~。来るべきチャンスタイムの前に、日中はアジングタックルで小魚たちと戯れながら、のんびりと過ごしたのだった。

03_ カサゴ釣果
04_ ジグヘッド
コッソリ忍ばせておいたアジングタックルとジグヘッドで釣った綺麗なカサゴ
05_ ネコ
のどかな漁港で釣り人からのお魚を当てにしているネコが、なおさらほのぼのとした雰囲気を演出していた

そろそろ夕刻、さてやりますか!

06_ 夕日とタックル

当日の潮は新月まわりの「大潮」。日が暮れてからの19時過ぎから潮が動き出す予定だったので、「夕マズメと潮の動きだしの2回、続けてチャンスが訪れるハズ!」と踏んでいた私。だからこそ、日中はのんびりと過ごしてたわけで、夕暮れ時からようやく本腰を入れ始めた。

この時点で釣れる気マンマン! いや釣ったも同然と、川田さんと2人でそんなことを話しながら、ロッドを忙しく動かす私。沈む夕日が空をグラデーションに染めるマジックアワーを堪能しながら、世話しなく「ビシッ、ビシッ、ビシッ!」とシャクリ続けた。
暗くなっても地形の把握は既にバッチリ。恐らく地形的にコッチからアオリイカが回遊してくるハズ! なんて想像を膨らませながら、ロッドティップとラインのアタリに集中したのだが……。なぜか一向にアオリイカからのアタリは来ない…。隣でシャクっている川田さんも同様に、何の反応もないようだ。

07_ マジックアワーの美しい景色
美しいマジックアワーの空に向かってキャスト&シャクリを続ける川田さん。ロケーションは最高だ!

2人で情報交換をしようにも、潮の流れ具合以外に情報がない。エギのカラーを変え、立ち位置を変え、シャクリ方を変え…、あの手この手で期待のWチャンスタイムをシャクリ続けたのだが、期待に反してアオリイカは現れない。次第に余裕は焦りに変わり、時間だけが虚しく過ぎていった…。

08 ルアー交換
09_ 暮れた空に浮かぶ星
さすがに2人はルアーマンらしく、エギをとっかえひっかえアタリのパターンを探ってみた。しかし時間は虚しく過ぎ、とうとう空には星が瞬き始めた

お喋りの時間はたっぷりと…

10_ 夜景

残念ながら予想に反して状況が芳しくなかったため、時間はたっぷり。川田さんと2人で暗闇にたたずみながら、はじめは釣況を確認し合っていたのだが、次第に釣りの話だけでなくさまざまな話題に発展していった。それぞれの生い立ちや仕事の話、私生活の話やラジオ番組の裏話など、話のネタはざっくばらんに。そして、当WEBマガジンHEATの経緯や今後の企画ネタなどにも話はおよび、シャベリ続けること約6時間!! まったく話題が尽きることはなかった。

11_ 堤防に座って釣り続ける(川田)
アオリイカはどこへやら??? 堤防に腰かけてシャクリながらも、いろんな話題で盛り上がった

釣りに来ておきながら話すばかりもなんだが、仕事中に一所懸命に詰めて考えるよりも、実はリラックスした時間の方がアイデアは浮かぶもの。普段川田さんはお風呂で、私はドライブ中に「ふっと!」アイデアが降りてくる…そんなトコロだ。
釣りの現場に来て会話を交わすだけで、お互いにどんどんアイデアが湧いてくる!? 釣れないながらもやや興奮気味に、語り合ったアイデアを今後実現すべく思案。貴重でありがたい即席・現場会議の夜を過ごしたのだった。

最後の最後で!?

12_ 隣の漁港

このままNOアオリイカで終了を迎えそうだったが、なんだかチョット諦めきれない2人。最後の望みをかけて隣の漁港へと小移動してみることに。

13_ 隣の漁港で再びシャクル(川田)

隣の漁港にも釣り人さんは居たが、さほど釣れている感はない。とはいえ心機一転、わずかな期待を込めて再びシャクリ始めたわれわれ。常夜灯もなく、地形や水深もよく分からなかったが、何となく先ほどの漁港と似ているだろうと、思い当たるコースにエギを通してみた。
このとき既に21時前。日中から長時間釣り続けた(喋り続けた?)のと、実は晩御飯も食べていなかったので空腹でややお疲れさん。「まぐれでもイイから釣れてくれないかな~、アオリイカちゃん」なんて思いながらシャクっていたのだった。

すると…、モゾっというか、ニュっというような不明瞭な生命感が。ハッと思いアワセてみたが、なんだか引きが弱い。リールを巻いていても「アレ? 海藻だったかな」と思うほどの感触。それでも、そーっと足下に寄せてみると見えてきたのは待望のイカだ! しかしシルエットがどうもおかしい…?? 上げてみると、なんとアオリイカではなくケンサキイカだった!! 甘い身で食べて美味しいケンサキイカ。これはこれで嬉しかったのだが、本命アオリイカではなかったので苦笑い。ちょっと複雑な気持ちの締めくくりとなったのだった。まぁいいか(笑)。

14_ ケンサキイカ釣果
写真を撮るために、恐縮だが川田さんに持っていただいたケンサキイカ。まさかの、まぐれの釣果となった

 

釣れない釣りはソロだとなかなか厳しく、長時間は心が折れてしまうもの。しかし、仲間がいればそんな釣りも楽しくなる。モチロン釣れるに越したことはないが、たまにはこんな時間の過ごし方があってもいいじゃないか。

帰りはまたまた行きと同じサービスエリアに立ち寄り、ご当地シラス丼を食べながら、川田さんと次の釣行と釣果を約束。何とか終電ギリギリだったが、間に合うように駅に送り届けてここでお別れした。
川田さんの人柄にも助けられ、結局、何だかんだ終始楽しく過ごさせてもらった釣り旅。次はいつ出掛けられるかなぁ。

15_ 美味しく晩御飯
16_ シラス丼
釣り疲れて空腹のお腹には、SAの定食が最高!! お互い疲れながらも、釣りの釣行と釣果を約束したのだった

 

※本文は都合により脚色を交えております。ご了承下さい。