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エサのイワシ探しでスーパーマーケット巡り!?
イワシはハリの軸に対してまっすぐが超基本!
テンヤタチウオでは、付けエサにイワシを用いる。乗船料に含まれる形で「イワシ○尾付き」という船宿もあれば、別途エサの販売をしている船宿もあったり、はたまたエサのイワシを持参の船宿もある。こちらも事前に確認を入れておきたい。
もし、イワシを持参する場合には、自分で入手する必要がある。通常であれば、近所の釣具屋さんで冷凍イワシを購入すればよいが、これだけのブームが起きているだけあって売り切れで入手できないこともある。私もその1人だったが、そうなると近所のスーパーマーケット巡りになるわけだ。
では、イワシを何尾準備すればよいのか。これは正直、その日のタチウオの活性次第! ちなみに私は最低でも20尾ほどは持参するようにしている。また、暑さ厳しい夏には、鮮度管理の観点からイワシエサを入れるための小型クーラーボックスを持参する人も多かったが、これからの時期は気温もグンと下がるため、そこまでデリケートに考える必要はない。
もしエサが足りなくなったら…と心配な人は、多めに持参すればよい。それで仮にたくさん残ったとしても、次回の釣行で使えるため無駄にはならない。
テンヤタチウオは食い込ませる釣りにあらず!
“掛けられるアタリ”の判別が難しくて面白い!
大前提として、テンヤタチウオは「掛ける釣り」である。例えるなら、生きイワシを用いたヒラメ釣りのように、しっかりとイワシを食い込ませて、ヒラメの口の中にイワシ(&ハリ)が入ったタイミングでアワセを入れる釣りではない。
仮にテンヤタチウオ釣りがヒラメ釣りのように、イワシをしっかりと食い込ませて釣るスタイルであれば、必然的にタチウオテンヤのハリは下向きではなく上向きのハズ(?)である。では、なぜハリが下向きなのか。それは、食い込ませる釣りではなく「掛ける釣り」であると同時に、タチウオの捕食の習性にも関係がある。
そもそもだが、タチウオは「立魚」とも表記される通り、頭を上にして「立ち泳ぎ」のような格好で泳ぎ、自分より上にいる獲物を探して捕食する習性がある。とくにイワシの腹部分が好物で、そこを目掛けて“下から”食い付いてくることが多いのだ。
また、ヒラメ釣りにおける“食い込ませる”という意味合いは、「ハリをしっかりとヒラメの口の中に入れて掛ける」ことだ。「ヒラメ40」なんて格言もあるが、早アワセ禁物の釣りものの代表格でもある。
一方で、タチウオ釣りにおいて大切なことは、ハリをタチウオの口の中に入れて掛けることではなく「イワシに食い付かせて、掛けられるアタリを出す」ということだ。つまり、それが“掛けられる”アタリであればすぐにアワせればよいし、“掛けられない”アタリであれば、もっと掛けやすいアタリを出すために継続して誘わなければいけない。
掛けられるアタリ、掛けにくいアタリとさまざまだが、まず第一に「アタリを出す」ことが重要。アタリを出せた後に「そのアタリが掛けられるアタリ」なのか否かの判別が必要になる。つまり、ここでアワセどころの見極めの奥深さが露呈することになる。
ちなみに、この釣りではタチウオの頬の部分にハリ掛かりしているのが、アワセのタイミングとして最適という判断基準がある。その理由は、下記の写真を参照してほしい。
掛けられるアタリの代表格は、上へ上へと誘い上げてくるなかで、竿先のテンションが「プッ」と抜けるアタリ。これはタチウオがテンヤ&イワシを食い上げたときに出やすいアタリのこと。ほかには最初は「クンッ」と竿先に出るアタリの後、継続的にアタリが続いて、誘いを続けると「グイーッ」と竿が引き込まれるアタリ。後者がヒラメ釣りでいうところの食い込みのアタリとなる。
逆に掛けにくいアタリは、単発的かつ瞬間的なアタリのこと。決して掛けられないアタリではなく、アワセを入れるタイミングが難しいアタリのことだ。このような瞬間的なアタリが頻発するときは、自然と「アッ」と声が漏れる…。
もしアワセどころで迷ったときは、アタリすべてに積極的にアワせてみるのも一手。ただ、注意したいのは、シャープかつコンパクトにアワセを入れること。前述の通り、タチウオはイワシに対して下からアプローチしてくるため、仮に掛からなくても、コンパクトなアワセでシュッと動くテンヤが次のバイトの誘発にも繋がる。
逆に大きくアワセを入れてしまうと、テンヤの移動距離が大きくなり、その後の継続したアタリが出にくくなる。例えるならば、街で偶然見かけた友人の後ろから肩をトントンと叩いたとき、勢いよく振り払われたらすごく嫌な気持ちになる、それと同じ(?)だ。