【番外編】ショアジギでこんな魚も??
光り物好き(?)な猛毒を持つ高級魚!オニカサゴ

ショアジギングでねらえる魚はさまざまです。時おり想像すらしなかった魚が釣れるのも、またショアジギングの醍醐味。この番外編では、今まで私がライトショアジギングで釣り上げた魚のなかでも、とくに印象に残っている“珍客”たちをご紹介。釣ったときのシチュエーションや魚そのものの魅力も含めてお伝えしますよ。

今回は、トゲトゲの姿からまさに「毒持ってます!」といわんばかりの魚でありながら、船から専門でねらう人もいるという超高級魚「オニカサゴ」です。

実は超高級魚!陸っぱりでは滅多に釣れないオニカサゴ!

これまでにショアジギングで2回釣ったことがあるオニカサゴ。陸っぱりからはなかなか釣れない、とてもレアな魚です。そもそもオニカサゴをご存じでしょうか?

オニカサゴは本州中部以南の海域に生息し、最大50㎝にも達する大型の根魚です。よく似た魚で「イズカサゴ」という種類がいますが、釣り人の間ではこのイズカサゴを“オニカサゴ”と呼称で扱うことが多く、船エサ釣りのターゲットとして人気があります。両者とも最大の特徴は「毒ヒレ」であり、背ビレ・胸ビレ・エラ周りなど、ほぼ全身に毒針をもちます。オニカサゴの毒は強力で、棘が刺さった場合はすぐに病院に行かなければならないほどです。
しかし、刺毒魚であるにもかかわらず味は絶品。超高級魚として知られており、「伊勢海老」にも負けず劣らずのその美味さに、オニカサゴを専門でねらう釣り人は少なくありません。が、専門でねらうといってもあくまで船釣り。ショア(陸っぱり)で釣れることは滅多になく、ましてやショアジギングで釣れることはひじょうに稀でしょう。

01_2019-03-19(要トリミング).jpg イズカサゴ(オニカサゴ)
こちらは船釣りで人気のイズカサゴ(オニカサゴ)

オニカサゴを釣ったときのシチュエーションやアクションは?

オニカサゴをショアジギングで2回釣ったことがあると前述しましたが、本命ではないゲスト魚とはいえ、そのときの状況をルアーマンらしく詳しく解説しましょう(笑)。

九州のとある沖磯で釣れた!
グッドサイズのオニカサゴ

まず1度目は、九州の沖磯へ釣行したときのことです。
青物や根魚ねらいでショアジギングをしていた際、ジャックアイマキマキをボトムまでフォールさせた瞬間、「ゴツン!」と強烈なバイトがありました。

水深は10mを超えていたので、ボトムから上げてくるのは大変。最初はキジハタカサゴなどの根魚かと思い、テンションをゆるめないようにゴリゴリ巻いていました。なかなかの重量感で「これは良型かもしれない!」と思いながら上げてくると、まさかのオニカサゴだったわけです(笑) 。カサゴにしてはトゲトゲしく妙にイカつい体で、素手で触る前にオニカサゴだと気づくことができて本当によかったです。
着底した瞬間のバイトだったので、マキマキのブレードのフラッシングに思わずリアクションバイトしてしまったのでしょう。写真を撮ってすぐにお帰り(リリース)いただきました。

なぜオニカサゴが釣れたのかを自分なりに考察すると、陸からかなり離れた沖磯、そして10mを超える水深など、オニカサゴが生息する環境が整っていたのではないかと思われます。このとき使用していたジグはジャックアイマキマキ60gの「シルバー青夜光ゼブラ」。オニカサゴはイカが大好物であり、青夜光のぼんやりとした光が、イカに見えたのかもしれませんね!

02_P1011255.JPG 九州のオニカサゴ釣果

不思議なタイミングで釣れた、偶然の賜物!?

2尾目のオニカサゴをゲットしたのは和歌山県の沖堤防でした。
この釣り場もかなり水深があり、ジャックアイエースの40gでも底取りに30秒ほどかかるようなポイントです。

この日は青物の気配が全くなく、(早朝から釣り続けていたので)集中力もほぼ切れかけていました。そんなタイミングのなか、ジャックアイエースが着底してもアクションをせずにほったらかしにし、しばらくボーっとしていると……。
いきなり「ココン!?」とアタリらしき反応がありました。この時点ですでに不思議。なぜなら着底後ジグは動いていないから…です。「動いていないメタルジグにバイトしてくる魚もいるんだ~」と、驚きと半信半疑な気持ちを抱いたのを覚えています。
念のためアワセを入れて巻き上げると、生命感はあるものの問題なくスルスルと上がってきました。しかし上げてみてビックリ! サイズはそれほど大きくなかったものの、人生2度目のオニカサゴだったのです(笑)。

九州の離島に続き、今回もオニカサゴが釣れたわけですが、この2つの釣果に共通するポイントがあります。それは、2尾とも「シルバー青夜光ゼブラ」というカラーで釣れたということです。シルバーのフラッシングがよかったのか、それともブルーの夜光がよかったのかは定かではありませんが、とにかくこの「カラー」になにか釣れる因子があったのだと私は推測しています。

03_P1011657.JPG 和歌山のオニカサゴ釣果

 

こんな感じで釣れた人生2度のオニカサゴ。ほぼ偶然といってよいでしょう(笑)! もしショアジギングでどうしてもオニカサゴを釣りたい! と思ったマニアックな方がいらっしゃいましたら、以下を参考にしてみてください。
まず、ジグのカラーは「シルバー青夜光ゼブラ」がポイントとなりそうです。青夜光は海中でぼんやりと発光するため、イカの発光をイミテートしています。オニカサゴのみならず、イカを捕食するターゲット全般に有効なカラーです。そして、オニカサゴは海底に生息しています。水深が深い(10m~30m)ポイントのボトムを丹念に探れば、オニカサゴが釣れるかもしれませんよ!

04_ マキマキ シルバー夜光ゼブラ
05_ エース シルバー夜光ゼブラ
ジャックアイ マキマキとエースの「シルバー青夜光ゼブラ」。フラッシングと青夜光がオニカサゴに効く??

 

というわけで、ショアジギングで釣れるゲスト(珍客?)シリーズ。今回はライトショアジギングで釣り上げたオニカサゴを紹介させていただきました。
何が釣れるか分からないのもショアジギングの魅力のひとつ。とくにライトショアジギングはジグサイズが小さいので幅広い魚種が釣れる楽しさがあります。これからもレアな珍客が釣れたら、マジメに(?)紹介させていただきますね!

 

レポーターREPORTER

橋本 翔大
プロフィール:橋本 翔大
1993年大阪生まれの兵庫育ち。
周りが野池に囲まれた環境で育ったため、暇さえあればバス釣りへいく幼少時代を過ごす。大人になっても釣りへの熱は冷めず、現在は釣具メーカー・ハヤブサに勤務。年間釣行回数は仕事、プライベート含め150日を超える生粋の釣りバカ。