(※当記事は緊急事態宣言前に実釣されたものです)
INDEX
娘に気付かされた大切なこと
今回の陸っぱり釣行で、結果として各釣法で「釣れたらいいな」と思っていた魚は1匹も釣れず仕舞い。私のなかでは「本命が釣れなかった=不本意な釣行」となるが、娘の発言でハッとさせられることがあった。
2度目の釣行の際、最後の最後でセイゴを釣り上げ、「セイゴが釣れてよかった。オデコになるところだったよ」と私が言うと、「パパが釣ったのは1匹じゃないよ、2匹だよ」と娘。急に何を言い出すのかと思ったら、実はその数時間前に、私が投げ釣りで小さなヒトデを釣っていたのだ。つまり娘が言いたいのは「セイゴだけじゃなくてヒトデも釣れたでしょ!」ってこと。ヒトデは釣り人からしたらゲスト(外道)の代表格だが、釣りを知らない子どもにとっては立派な獲物なのだ。
私の主観において「たくさん釣れた方が面白いハズ!」とか「ねらった魚が釣れないと面白くない!」という想いがある一方で、釣りを知らない子どもにとっては、そこはたいして重要ではないのかもしれない。いってみればヒトデ、はたまたカニでも十分に喜んだのかもしれない。
また、今回釣れたセイゴは、隣で釣りをしていたファミリーにプレゼント。その際、小学校低学年くらいの男の子に「セイゴだけど持って帰る?」と聞くと、「すごい! こんな大物くれるんですか!?」と目をまん丸にして喜んでくれた。
思い返せば、私も父親との陸っぱりで釣りデビュー。たとえ本命が釣れなくても、岩と岩の間にハリス付きのハリ+青イソメを落とし、次から次へとダボハゼを釣り上げ、それだけで満足していたことを思い出した。
陸っぱり釣りと船釣りで異なる「1匹の価値」
私は6年間ほど船釣りメディアに従事し、今でも趣味として船釣りを楽しんでいる。そんななか、今回の陸っぱり釣行で気付かされたのが「1匹の価値」というもの。
「アジ」を例にとって考えてみたい。船釣りは、乗船料を支払って、船長がポイントまで連れて行ってくれる。これまでに実績のあるポイントで、指定された条件を満たした仕掛を投入し、「きっと釣れる!」というワクワク感を持って釣りをする。基本的に「釣れる!」が根底にあるため、いかにして人よりたくさん数を釣るかという明確な点が、釣り人の「価値」を示す指標になりやすい。事実、私もアジ船に乗るとマシーンと化す(笑)。
一方で、陸っぱり釣り(ここでは海づり施設などの超手軽な釣りを指す)は、自分で釣り座(釣る場所)を決めて、それこそ自分で仕掛や釣法も選択し、「釣れたらいいな」という期待感のなかで釣りをする。自分がねらったポイントで、自分がコレで! と思った釣り方で、いろいろと思案して選択した仕掛で挑むわけだ。釣れない時間帯を乗り越えて釣り上げる1匹。これがなかなか釣れず、苦労を重ねれば重ねたほど、生み出される「価値」も大きくなる。
今回、もし仮にサビキ釣りでアジが5匹釣れていたら「よっしゃー! 大漁だぁー!」と大喜びしていたハズ。ただ、これが船に乗って同様の釣果だったら……。
当然料金体系をはじめ、そもそもまったく異なるジャンルであるし、比較すること自体が野暮なことなのだが、今回久々に陸っぱり釣りをしてみて、身をもってその難しさと奥深さ、そしてその1匹の価値を感じたのも事実。そして、船釣りと陸っぱり釣りの双方の魅力を改めて再確認できるよい機会となった。
娘との「船釣りデビュー」は春以降に決行!?
今回、私から娘への”釣育”と題して陸っぱり釣りを楽しんだわけだが、結果的には娘から”釣育”を受けることとなってしまった…。ただ、本来の目的は、娘に釣りの魅力を知ってもらって、一緒に船釣りデビューを飾ることなのだ。
釣りを終えて、娘の感想は「楽しかった!」と。その流れで「じゃあ、じゃあさ、その~今度さ、一緒に船で釣りしてみる?」と、まるで女の子を初デートに誘う中学生みたいな感じで聞いてみると、「うん、やってみたい!」と! 念願の子と船釣りデートまで漕ぎ着けたわけである。
そんな娘も4月にはピカピカの小学1年生。小学校生活に少し慣れてきたころ、時期としては4月末~5月中旬頃に、船釣りデビューを飾らせたいと思う。そしてその模様は、もちろん当シリーズで紹介したい。
今から楽しみな娘の船釣りデビュー。万一私が緊張して船酔いしないようにせねば…。でも大丈夫、合言葉は「効いたよね、早めのアネロン♪」ですからね。お後がよろしいようで!
大黒海づり施設
住所:神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭20番地先
TEL:045-506-3539
HP:http://daikoku.yokohama-fishingpiers.jp/
※緊急事態宣言を踏まえ、施設の営業や利用可否については公式サイトをご確認ください
レポーターREPORTER
東京都出身
父親の影響で3歳から陸っぱり釣りを始め、小学4年生のときに船釣りに初挑戦。その日はハゼ釣り大会だったが、ひどい船酔いで釣りにならず。ただ、最初の一投で釣れた奇跡の1匹で「ブービー賞」に輝く。幼心に“もう一生船釣りはしない“と心に決めたが、それから10数年の時を経て、運命のイタズラか「船釣り専門誌」の編集者になる。それを機に船釣りの魅力にどっぷりハマる。現在は船釣りメディアから離れ、おでかけメディアの営業マンとして従事。仕事の合間を縫って月に1~2度は船に乗り、周りの”船釣り初挑戦者“を巻き込みながら、船釣りの魅力を1人でも多くの人に知ってもらうために奮闘中。
YouTube:ジローちゃんねる