(※当記事は緊急事態宣言前に実釣されたものです)
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「船釣りの魅力を1人でも多くの人に知ってもらいたい」という想いから、船釣り初心者やビギナーの方々に船釣りの魅力を伝えていく当シリーズ。実はこの動機の裏には、いつかは自身の「愛娘と一緒に船釣りを楽しみたい」という夢がある。ただ、これまで魚釣りにチャレンジしたことがない幼稚園の年長さんを、いきなり船釣りに連れて行くのは少しハードルが高いもの…。
そこで今回は【番外編】として、まずは娘に魚釣りの魅力を知ってもらうために、安全かつ手軽に楽しめる海釣り施設に出向いて、陸っぱり釣りの”釣育”にチャレンジした様子をお届けしたい。
想定では、サクッと魚を釣って「パパってスゴイ! こんなに楽しいなら今度は船釣りもやってみたい!」になるハズ……だった。しかし現実はそう甘くなく、この作戦が「絵に描いた餅」になりかける事態に!? 嗚呼、神様。娘と一緒に船釣りを楽しめる日は訪れるのでしょうか。
出会い方をケアし過ぎるが故に、もはや”釣り接待”の様相!?
これは釣りに限らずだが、何かを新たに始める際、とにかく大切なのが”出会い方”である。船釣りの場合は、魚が釣れる・釣れないはその日の状況次第だが、せめて天候がよく海が穏やかな日を選びたいもの。仮にデビュー戦の日が大雨&大荒れで船酔いしてしまったら、なかなか「また行こう」にはなりにくいからだ。しかし、冒頭でも述べた通り、結果として今回の娘の釣りデビュー戦はちょっぴり苦戦を強いられることとなり、意に反して月を跨いでの2度の釣行となった。
デビュー戦の場として選んだのは、神奈川県横浜市にある「大黒海づり施設」。ファミリーフィッシングに人気の海釣り施設で、ライフジャケットも無料レンタルできるうえ、トイレや無料休憩室、売店なども完備。釣り場は海に突き出た桟橋になっており、安全柵も付いているので、小さいお子様連れでも安心して楽しめるのがうれしい。
根っからの釣り好きの人(もちろん私も)は、例に漏れず「釣れない時間も楽しい」と口をそろえるだろう。しかし、魚を釣る楽しみを知らない私の娘にとっては「釣れない時間=退屈な時間」という方程式が成り立ってしまう。それに加えて、1度目の釣行は2月末、2度目の釣行は3月中旬で「寒さ」という負の要素ももれなくついてくる状況だった。
そんななか、今回の釣りで大活躍したのが簡易テント。この簡易テントを持参していなければ、1時間~2時間ほどで娘はギブアップしていたに違いない。時期的に釣果の面でも難しい釣りになることは容易に想像できるなか、「いかにして娘に楽しんでもらうか」「いかにして釣りを好きになってもらうか」は、もはや父から子への”接待釣り”の様相だ。
あらゆる可能性を探った釣法でなんとかお魚ゲット!
大黒海づり施設では、大人1人につき竿2本までというルールがある。使用できる竿数は妻と自分の2人で最大4本。この限られた条件のなかで、なんとか釣果に結びつけないといけない。日々の施設の釣果情報と睨めっこしながら当日の釣法を選定する。
- ① サビキ仕掛×2本=【釣れたらいいなぁ】アジ、コノシロ、ウミタナゴ、メジナetc
- ② 胴突き仕掛×1本=【釣れたらいいなぁ】カサゴ(ガシラ)、メバルetc
- ③ チョイ投げ仕掛×1本=【釣れたらいいなぁ】イシモチ、アナゴ、カレイ、シロギスetc
1度目の釣行は午後13時から18時まで、2度目の釣行は午前6時から午後16時まで、合計15時間におよぶ釣りタイム。そこで実際に釣り上げたのは、1度目の釣行時に、サバの身&青イソメをエサにした胴突き仕掛でアカメフグ1尾とホシザメ1尾(海面でオートリリース)。そして、コマセを用いたサビキ仕掛でアカメフグ1尾という結果。2度目の釣行では、最後の最後で青イソメのチョイ投げで釣れたセイゴ(スズキの幼魚)のみ。総じてかなり厳しい釣行になったが、肝心なのは娘が”楽しかったかどうか”である。
実際、娘はテント内にベースキャンプを構え、たまにひょこっと出てきてはサビキの竿をシャクり、魚信がないとススッとテントに戻っていくの繰り返し。その間、私はなんとか娘に魚を釣って見せてあげようと孤軍奮闘していたのだ。
魚が掛かるとテントに向かって「○○ちゃん(娘の名前)、魚掛かったよ!」と声を掛けて呼び出し、竿を握らせてリールを巻かせる。「魚が引いているのが分かる? どう? 楽しい? ねぇ、楽しい?」と質問攻めの私(笑)。
なにより、2度目の釣行時は風速12m以上の強風(向かい風)で、妻と娘は常にテントの中に避難。さらにはテントの入り口のファスナーも完全に閉め切り、もはや一緒に釣りをしている感はゼロだったが、それでも「オデコで帰るわけには…!」と私ひとりが鼻息荒く、意地の釣りであった。