「旨いもん見つけた!」第38回は北海道札幌市内で営業活動をしている佐藤敦子さん。今回のおすすめは1月に陸っぱりのニシン釣りが最盛期を迎える石狩湾に面した小樽のお店。ともにメインの釣り場である小樽港の防波堤や岸壁から至近距離なので、釣りの行き帰りにぜひ!
ちなみにニシンといえば数の子だが冬場から春先に陸から釣れるニシンのお腹のなかにも数の子が! 釣れるのが20~30cmの魚で数の子もそれほど大きくないが「子持ちニシン」状態で塩焼きにして食べるのが定番だそう。ただしニシン釣りは夜釣りなので防寒対策は万全に。
香ばしい焼きたて旬の味
「ニシン塩焼き定食」民宿青塚食堂
「その昔、ニシン御殿が建つほどの好漁場だった小樽を中心とした石狩湾ですが、1950年代から一気に落ち込んだ漁獲量が近年は回復傾向にあるのか、再び春には群来(くき)が見られるようになったんですよ。そんな旬のニシンを味わうなら……」という佐藤さんのおすすめは小樽港から北へ車で10分ほど、祝津港が目の前にある「民宿青塚食堂」だ。ちなみに群来とは産卵のためにニシンの群れが浅場に押し寄せることをいう。
「青塚食堂さんは小樽近海で獲れた新鮮な海産物の定食が人気で、イチオシは何といっても! やっぱり! ニシン塩焼き!」と佐藤さん。店舗前で串焼きされるニシンの香ばしい香りが空きっ腹に応えられないのだとか。写真にはないがこれを定食でいただくのが定番で、ご飯、味噌汁、小鉢がセットになっている。
ニシン以外では地元で「灯台つぶ」と呼ばれるバイ貝の一種の「青つぶ焼き」「煮つぶ」や「ほたて焼き」「ゆでしゃこ」「生うに」などが人気のメニュー。「近年は観光客が増えたおかげでお値段が高くなりましたが、新鮮で抜群! それだけの価値は充分あります」という佐藤さんだ。
民宿青塚食堂
住所:北海道小樽市祝津3丁目210番地
HP:http://www2.odn.ne.jp/aotuka/
上品なフレイバーが花開く人気スィーツ
「花園だんご」小樽新倉屋総本舗
佐藤さんおすすめもう1軒はニシンを始めチカやホッケ釣りが楽しい小樽港南防波堤からすぐの「小樽新倉屋総本舗」だ。「菓匠 小樽新倉屋」は小樽市内に4店舗を構え創業124年の老舗和菓子店。特に釣りの行き帰りに便利なのがこの総本舗だ。
「ルタオ」など有名スイーツが多い小樽でも特に佐藤さんのおすすめが新倉屋名物の「花園だんご」だそう。黒あん、白あん、抹茶あん、胡麻、お正油と5種類のバリエーションがあり、なかでも「私的に一番は胡麻です」と佐藤さん。
「おおっ、美味しそう! ぜひ小樽土産のひとつに……」といきたいところだが、実は賞味期限が当日のみとのことで帰宅までに時間がかかる場合はイートインで、すぐにいただくのが正解! ということで当然、通販もなし。「おだんごが柔らかくて、ほんと美味しいです。私は胡麻が好みですが、どれも上品な味で秀逸です」と佐藤さん絶賛! おだんごをほおばりながら小樽港でニシンと遊ぶ……。熱~いお茶持参で。うん、いいかもしれない!
菓匠 小樽新倉屋総本舗
住所:北海道小樽市築港5番1号
HP:http://www.niikuraya.com/