高級魚アマダイを釣るのも夢じゃない!?
初心者でも手軽にねらえる「アマラバ」とは?

みなさん、「アマダイ」という魚をご存じでしょうか? 船釣りをされている方なら馴染みのある魚かもしれませんが、種類によっては「幻の魚」とまでいわれるほどの高級魚です。「そんな“幻”といわれる魚なんて釣るの絶対無理でしょ!」って思われる方もいるかもしれませんね。
私自身、アマダイという魚を知ってはいましたが、人生で一度釣れるか釣れないかだろうな…と半ば諦めていました。しかし、まさかアマダイを釣る日が来るなんて!! しかも、思った以上に初心者でもかんたんかつ、シンプルな仕掛で釣れちゃうのに驚きました。

アマダイを釣った仕掛は、その名もタイラバならぬ「アマラバ」
高級魚といわれるアマダイをもっとみなさんに知ってもらいたい! そして釣ってもらいたい! といったワケで、アマダイの生態やアマラバでの釣り方のコツをお伝えしたいと思います。

実はアマダイにもいろいろいるんです!!

まず、アマダイはおもに3種類がいます。
3種類のなかで最もメジャーなアマダイが「アカアマダイ」。みなさんがアマダイと聞いてまず思い浮かべるのが、このアカアマダイではないでしょうか。見ての通り、全体的に綺麗な赤色をしています。一般的に食卓に流通しているのがこのアカアマダイです。それでも高級な魚には変わりありません。

01_ アカアマダイ
アカアマダイ

次に、3種類のなかであまり流通していないアマダイが「キアマダイ」。アカアマダイと形などは一緒ですが、顔や尾ビレが黄色がかっており、目の下に白色線が1本入ってるのが特徴。こちらはほとんど見ることがないので、ある意味幻かも(個人的に)。
そしてアマダイのなかでもかなり幻といわれているアマダイ「シロアマダイ」は、場所によっては「白川(シラカワ)」とも呼ばれ値が張るようです。アカアマダイやキアマダイより少し見た目が異なり、全体的に白色の体をしています。アマダイのなかで一番大きく成長し、味はたいへん美味です。

02_ シロアマダイ
シロアマダイ

アマダイは砂底に棲んでいる魚

アマダイは水深30m前後の浅場から、150mといった深場にまで広く生息しています(キアマダイは300mの深さまでいるそうです)。砂泥地に定着する習性があり、砂底に穴を掘り、巣を作り生活しているそうです。ほとんど巣から離れることもなく、巣穴から頭をだしてジッと獲物を待ち構えており、エビ・カニといった甲殻類、ゴカイ・アオイソメなどの多毛類、小魚などが近寄ると、巣穴から飛び出して捕食するそうです。

アマラバの仕掛は意外とシンプル!?

03_ シロアマダイ釣果
緑やピンクはアマダイの好きなカラー!?

砂底に生息するアマダイをねらう仕掛は、基本的にタイラバと同じです。タイラバとはタイを釣るために特化した仕掛を使った釣りのこと(または仕掛のこと)。タイラバでアマダイをねらうので「アマラバ」といいます。

ロッドの長さは6ft(1.83m)前後のもの、リールはベイトリールがおすすめです。ラインはPE0.8号を200m~300m、リーダーはフロロ3~4号、タイラバヘッドの重さは地域や水深などで異なりますが、80g~180gくらいを使用します。個人的には少し重めの方がおすすめです。そして、タイラバでも使用するネクタイ&スカートが付いた2本バリをタイラバヘッドとセットで使用します。
カラーもとくに決まったカラーはありませんが、おすすめのカラーはピンク。ネクタイの形状はストレートストレートカーリーの細めの組み合わせがおすすめです。

06_ ネクタイの組み合わせ3
もちろんそのほかのカラーや形状でも十分釣れます

底付近をしっかりねらう!

釣り方としてはまず底まで仕掛を落とし、着底後、ゆっくり巻き上げます。巻き上げ量は5m未満で十分です。アマダイは底にベッタリな魚で、基本的に海底の巣からほとんど離れることはありません。リールを「5巻き程度巻き上げて、底に落とす」これの繰り返しで徹底的に底を攻めていく釣り方です。
そのほかに底をトントンして繰り返しヘッドを落としこむことにより、海底の砂などが舞い上がり、アマダイにアピールする方法もあります。

着底後、巻いていたらゴツゴツとすぐ食ってくるので、アタリがあれば慌てず巻き上げます。掛かり始めは抵抗してきますので慌てないようにしましょう。中層まで巻き上げると抵抗が少なくなるので、「あれ? バレた??」と油断しがちなのですが、これがアマダイ特有の引き。表層付近まで上がってくると、アマダイは再び最後の力を振り絞って抵抗してきますので、最後まで油断せずに慎重にやり取りしましょう。

そして、アマダイは集団で生活していることが多いので、アマダイが1尾連れたらチャンス! 釣れた周辺をどんどんねらってみてください。ときに50cmオーバーのアマダイがヒットすることも! この大きさだと引きも迫力も満点です!

09_ 釣果
幻といわれるシロアマダイですが、うまくいけばこのようにたくさん釣れることも!!

釣れたあとはしっかり締めて美味しく調理

アマダイは水圧変化に弱いため、釣り上げたらすぐ死んでしまいます。持ち帰る際はすぐに締めて血抜きをし、海水が入った氷水(潮氷)で冷やすのをおすすめします。きちんと処理することで鮮度を保って持ち帰ることができ、より美味しく魚をいただけます。

10_ 調理前

アマダイはやはり高級魚といわれるだけあって、刺身もプリップリ、塩焼きにしてもフワッフワな食感で、お味噌汁に入れても美味しい出汁が出ます。そして、アマダイといえばウロコごとカリっと揚げて食べる「松笠揚げ」など、どの調理法でも凄く美味い魚です。

釣ってよし、食べてよしの高級魚アマダイ。ぜひみなさんも「アマラバ」で高級魚をねらってみてください!


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レポーターREPORTER

やす
プロフィール:やす
大分県在住
鹿児島生まれ鹿児島育ち。家から徒歩5分圏内に海と川があったため、気づいたときには釣りを始めており、現在に至ります。豊後水道の海で(ときには地元の錦江湾でも)季節に応じたさまざまな釣りを楽しんでます。