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間もなく冬が終わりを告げて季節は待望の春へと移り変わり、乗っ込みマダイの朗報が飛び交うのを合図に船釣りシーズンが幕を開ける。もちろん船釣りと一口で言っても、そのスタイルは多種多様。中でも全国で盛んに行われているのがテンビン仕掛を用いる吹き流しの釣り。マダイはもちろんアジやアカムツなど、その対象魚はバリエーションに富んでおり、釣り方やタックルは地域ごとに細分化している。
そんな全国津々浦々で楽しまれている吹き流し釣法で活躍してくれるアイテムが、ハヤブサより今春にリリースされる『名人の道具箱 ハイパースムースクッション』だ。タックルといえばロッドやリールなどに目が向きがちだが、船釣りにおいては仕掛周りの小物も釣果を左右する重要なアイテムだ。
マダイをはじめ各吹き流し釣法に活躍
吹き流しの釣りに欠かせないアイテムといえば、仕掛の上部にセットする衝撃吸収用のクッション。既製品の多くはゴム素材だが、より高機能な素材を採用したクッションもある。ハイパースムースクッションは、テンビンと吹き流し仕掛の間にセットすることで急激な魚の突っ込みによるラインブレイクや口切れを防いでくれる優れモノ。
このクッションの特長は、紡績業界大手メーカー日清紡が開発した「ハイパーモビロン®」を素材に採用していること。モビロン®とは熱可塑性ポリウレタンエラストマーのことで、ゴムに比べて伸縮性や耐久性に優れている。そのモビロン®の性能をさらに向上させたものがハイパーモビロン®なのだ。環境に考慮して可塑剤や溶剤などを使用せず生産された安全な素材であることも、自然を大切にしたい釣り人には嬉しい。
さっそく開発を担当した市橋さんに話を伺った。
「このハイパースムースクッションは、従来のクッションゴムに比べて伸縮性と復元力に富んでいます。初期の伸びを抑えることでスムーズにフッキングに持ち込むことができ、それでいて適度に伸びるので不意の突っ込みによるハリス切れや口切れを防ぎます。この伸縮の絶妙なバランスが最大のポイントです。もちろん大物の強引にも対応する十分な強度を備えていますから、タックルのバランスが取れていれば、細めのクッションでもファイトを堪能することができます」
痒いところに手が届く充実のラインナップ
そして注目すべきは、太さや長さが異なる全16種類という豊富なラインナップだ。クッションの太さは1.5、2、2.5、3mmの4タイプ。クッションの長さは1.5mm径が20、30、50、100cm。2~3mm径に関しては30、50、100、150cmとなっている。
「例えば全国で盛んなマダイやアジ釣り。同じ吹き流しの釣りでも地域ごとにスタイルが少しずつ異なります。当然仕掛のレイアウトも若干違いが生じるわけですが、必ずマッチするクッションが見つかると思います。痒いところに手が届くラインナップといいましょうか、自分のスタイルに合わせてチョイスして使っていただきたいです」
目安としては、1.5~2mm径をアジやイサキ、2~2.5mm径をアカムツやタチウオ、3mm径を大型青物やマダイねらいに使うと安全マージンを確保しつつ余裕を持って楽しめるようだ。もちろん、フィールドのロケーションやロッドやリールの性能によっても変わってくるので、状況に応じて豊富なラインナップから選ぶといい。
スナップにこだわってノンストレスの釣り
もちろん市橋さんはハイパースムースクッションのクオリティに自信を持っている。
「先日、リリース前の当クッションを持ち込んで舞鶴沖に繰り出し、水深50mラインでアマダイをねらいました。底ギリギリに仕掛を流しながら誘いましたが、アタリもしっかりサオ先に出て見事にアマダイの複数釣果を上げることができました。この時は2mm径の30 cm長のクッションを使っていましたが、仕掛絡みもなくノンストレスでアマダイ釣りを満喫しました」
このハイパースムースクッションのこだわりはクッション部分だけではない。実はクッションの両端に圧着してあるスイベルが太さに応じて異なるのだ。1.5~2mm径のクッションには、回転性に優れて仕掛にヨリが掛かりにくい「セフティスナップパワー」、2.5~3mm径には高強度の「インタースナップパワー」を採用している。いずれも信頼度の高いNTスイベル製とのことだ。
クッションという1つのパーツだけでも、ここまでこだわって開発されているとは驚きである。皆さんもぜひハイパースムースクッションを活用して高級魚を手にしていただきたい。