初めまして、九州大分のフィールドスタッフ寺岡正純です。今回からバストーナメンターの立場で、「実はトーナメント(=釣り競技)は面白い!」という魅力をお伝えすべく、WEBマガジンHEATで執筆をさせていただきます! 不定期執筆になりますがどうぞよろしくお願いしますね。
さて、私のことをちょっとだけご紹介。
私の釣りとの出会いは子供の頃、父親の影響で釣りを覚え、連日のように近くの川で釣りをしていました。父親は、同じ道具を使ってもなかなか釣り勝てない最強なライバルみたいな存在でしたね。小学校の高学年になると自転車を手に入れたおかげで移動距離も広がり、海・川での釣りを楽しんでいました。
ある日、釣具屋さんに大きな水槽が運び込まれていて、どんな魚が入るのかと連日釣具屋さんに通っていると、ついにある魚が入ることに! 釣り雑誌でしか見たことがないブラックバスが水槽の中を悠々と泳いでいました。凄くカッコいい魚で「いつか釣ってみたい!」という思いが高ぶったのを、今でも覚えています。近所にブラックバスがいないと分かっていましたが、お小遣いをもらったら、バスフィッシング用のルアーを買っていたものです。
大人になり車を購入してからは、いろんな場所でバス釣りを楽しみ、気がつけばバストーナメントにも出場して各地で釣りをしていました。今では週末になると、私より釣りバカの息子といつも釣りに行っています。中学生になったばかりですが、初めて魚釣りをしたのが3歳の頃、バス釣りを始めたのは4歳です。釣りを始めてからはバスはもちろん、海釣りにも一緒に釣りに行っています。
よく釣場で、パパさんアングラーから 「うちの子は2~3時間で飽きちゃうけど、何か秘訣がある?」とかよく聞かれます! 私自身も父親から釣りを教わった時、根掛かりした際などは、父親の機嫌が悪くなっていたのを覚えていたので、息子と釣りしている時は「絶対に機嫌を悪くしない・絶対に怒らない」とか、「この場所はこのルアーじゃないとダメ」などと言わず、自由に釣りをさせていると、いつの間にか釣りの世界にどっぷり入ってくれていました。
いざ挑戦! 息子と挑むバストーナメント!
現在私は、全国でバストーナメントの大会を開催している、日本バスクラブ(NBC)の大分支部会長を務めてさせていただいています。
このNBCのバストーナメント、全国各地で大会が開催されていて、九州地方でも福岡(遠賀川)・佐賀(北山湖)・宮崎(野尻湖)・大分(松原ダム)ではボートの大会、熊本(立岡公園)では陸釣りの大会が開催されているもの。国内有数の大規模な大会のひとつです。
バスフィッシング一筋の私、そしてバス釣りが大好きな息子・・・。というわけで、息子とバストーナメントに参加してみようかと思います。ズバリテーマは「挑戦!!」
長いこと息子と一緒に釣りをしていると、俊敏なアワセや水中の魚を見つける視力の良さ、そして気持ちでは負けていませんが、身体能力は息子の方が良いようです・・・。息子のバスフィッシングのレベルも上がったと思いますので、楽しいだけではない「競技の釣り」に参加させてみようと思ったのがその理由です。参加人数の多い場所なら学生メインのジュニア大会なども開催されていますが、九州では大人の大会しかありません。息子は大人たちと戦えるシニアクラスにエントリーして、5月6日の「チャプター大分開幕戦」に親子で参加することにしました。
開催場所を知ろう! 松原ダムとは?
親子で初めてのペアトーナメント。開幕戦は地元のメジャーレイク「松原ダム」です。
大会会場となる「松原ダム」ですが、大分県日田市の山あいにあるダムで上流が2つあり、一方は「杖立川」、もう一方に「下筌ダム」があり、松原ダムは2つの下流部に位置する水位調整用のダムとなっています。自然に囲まれたのどかなダムですが、ダム建設の際に起こった『蜂の巣城紛争』は、日本最大級のダム建設反対運動として今でも語り継がれています。
また、松原ダムをカーナビの地図などで探すと、「梅林湖」と表示されることがありますが、これは、松原ダム周辺では梅を特産としているため、地元の方たちは梅林湖と呼んでいるからだそうです。
ダム周辺にはずいぶん前になりますが、サッカーのワールドカップでカメルーンのキャンプ地で有名になった「上津江村」や本格的なモータースポーツが楽しめるサーキット「オートポリス」もあります! また、大人気漫画『進撃の巨人(講談社)』の漫画家・諌山先生の実家もダム周辺あるそうです。
温泉街としても有名で、「杖立温泉」や少し離れますが「黒川温泉」も近くにあり疲れた身体を癒すには最高な場所だと思います。
秋になれば紅葉でも有名な場所です。シーズン最盛期になれば遊覧船も就航していますので、釣り以外にも周辺に楽しむスポットが多い松原ダムへ、ぜひ足を運んでください。
松原ダムの利用方法と大会ルール
松原ダムの利用時間は、夏場(4月~11月)は午前6時~午後7時、冬場(12月~3月)は午前7時~午後5時となっています。釣り利用には遊漁券や船券が必要で、遊漁券は1日300円(年間2,000円)、(ボートでの釣りの場合)船券は1日3,000円(年間8,000円)かかります。
夜になると静かな場所ですので、深夜の車中泊ではエンジンはかけず、早朝からの準備でも極力静かにお願いします。近隣住民の方たちに迷惑がかからないよう、マナーを守ってくださいね。ちなみに、ダムサイトには公衆トイレもあり便利ですよ。
そんな松原ダムで開催されるチャプター大分の大会ルールは、「ブラックバス3匹の総重量」で競うもの。
3匹の総重量なので、釣れた魚をボートに備え付けられたライブウェル(=イケス)に入れて、4匹目からは少しでも重たい魚を釣っては、バネ秤(はかり)で重量を量って入れ替えを行います。その結果、総重量が1番重たい選手が優勝となります。また、競技時間は6時間と長く、その間ライブウェルの中で魚を活かしておかなければなりません。検量の時に生きてないと検量対象外になるので、6時間と長いですが魚の健康具合を気にしながら釣りをします。釣るだけでなく、長時間釣った魚を生かしておくテクニックも、選手としての技量が問われるポイントなのです。
チャプター大分のように、ローカル大会の平均参加人数は30~50人です。普段釣りをする時よりかなり多く感じると思います。まずぶっつけ本番で大会に挑んでも良いのですが、各フィールドのローカルルール・大会のルールなどがたくさんあるので、時間があれば参加するフィールドに足を運び、前もって確認するのが無難です。
というわけで、次回は実際に大会に参加する直前のプラクティスから本番までをお届けしたいと思います。ぜひ引き続きご覧くださいね!
レポーターREPORTOR
バスフィッシング一筋「四十・・・年」の生粋のバサー。現在、NBC(日本バスクラブ) チャプター大分支部の会長を務めるとともに、現役トーナメンターとして二足わらじで頑張っているハヤブサバスブランドのフィールドスタッフだ。