From HEAT the WEB DIRECTOR 夏だっ!海パンフィッシング~!!

海パンフィッシング_text-photo岳原雅浩

夏の雲

夏休みシーズンに入り、連日の暑さに溶けてしまいそうな毎日・・・。夜は多少涼しいとはいえ、窓を開けて寝てみても湿気で体はぐっしょり、疲れも取れませんねぇ。かといって、一日中クーラーの効いた部屋の中では体調を崩しそう。なんとか快適に過ごす方法はないものだろうか・・・。
一方で、この時期私の頭を悩ますことがひとつ。それは、「釣りに行きたいけど、海水浴にも行きたい」「だけどお盆もあるし、時間が取れない」という悩み。自由を謳歌していた独身時代は、週末もお盆の帰省時も時間があり余っており、また若く体力もあったため、外に出ずっぱりで遊んでいた。しかし最近は、家族とも過ごしたいし、奥様、子供の都合もある。まして、昔ほど体力がないせいで、私自身しっかりとした休息も欲しい・・・。ということで、ますます遊べる時間が少なくなってしまった。そんな状況のなか、釣りはしたいし、海水浴にも行きたい。はたまたカヤックなんかも乗りたいなぁ~などと、遊びたい欲求をどのようにして消化していくかが難しいのである。
私だけでなく、世間にも同様の悩みを抱えたパパたちがきっと居るだろうということで、今回オススメしたいのが『海パンフィッシング』なのである。

『海パンフィッシング』 そう読んで字のごとく、もうお分かりだと思うが、「海パンを履く」+「釣りをする」だけのことである。かつて私は、お盆休みに実家に里帰りするたびに、帰省中の少ない時間を満喫しようと、一石二鳥のこの『海パンフィッシング』を編み出した(?)のである。日頃の釣りとは違い、かなりいい加減に、ほどほどに緩く釣りを楽しむそのスタイルは、意外にもいろいろとメリットが多いのだ。
では海パンフィッシングについて少々解説させていただこう!

1.海パンフィッシングスタイル

海パンフィッシングのコーデは、下が海パン、上がラッシュガード、足元はマリンシューズというシンプルな組合せ。基本的には泳ぐ・濡れることが前提のスタイルだ。

海パンフィッシングスタイル

2.釣りジャンル

釣りのジャンルは「チョイ投げキス釣り」。遊びとして安全かつ海にエントリーしやすい場所はやはり浜。特にお盆からは海水浴客も少ないため、迷惑をかけることなく広大な砂浜を独占しやすいのだ。多少クラゲの被害はあるものの、ラッシュガードを着用し、マリンシューズを履いていれば、比較的被害を防ぐことができるし、また、時期的にも良型のキスが狙える季節でもある。

3.遊び方・釣り方

普段の「チョイ投げ」同様、タックルは、2~2.4mのルアーロッド(エギングロッドやシーバスロッドetc)に2000~2500番クラスのスピニングリール、道糸(ライン)は0.6~1号程度で十分。仕掛は手軽な天秤オモリ(ハヤブサ「ライトショット」シリーズがオススメ)に、お好みで2~3本鈎のキス仕掛を結べば完成。エサは石ゴカイか青イソメをつけて、後は投げるだけといった具合だ。

始めはいきなり海の中に入って行くのではなく、波打ち際のすぐ先(沖側)から狙っていけば良いだろう。ピンギス(=小型のキス)などは波打ち際まで泳いで来ていることがよくあるからだ。釣れなければ、徐々に遠投をし、深場を狙っていく。深場を狙うにしたがって、足首がつかる程度の水深から徐々に身体を慣らしつつ、腰下が浸かる程度のところまで足を進めていく。比較的遠浅の浜であれば、結構遠くまでを探ることができ、良型のキスも簡単に狙うことができるのだ。

キスの誘い方だが、キャスト(=投げること)後、一旦底を取るまで仕掛を落とす。その際、ラインをフリーで出すのではなく、テンションを掛けたまま落とすほうが良いようだ。その方が、仕掛がオモリやラインに絡みづらい。底が取れたら、なるべく仕掛が浮き上がらないようにリールを巻くか、竿を上に持ち上げるか横に引くなどしてキスを誘う(この動作を“サビク”という)。仕掛が遠いときは竿を立て、近いところでは竿を寝かせてあげると、仕掛が一定の深さ(層)を通ってきやすい。
アタリがあれば積極的にアワセていくことをおススメする。巻きアワセや向こうアワセでもキスは鈎に掛ってくれるが、鈎が飲み込まれてしまうと、鈎外しに手間取ってしまうからだ。特に海水に浸かっているときは、波の影響で手元の作業がしづらく、安全のためにも素早く鈎を外したほうが良いからだ。

とまあ、一般的なチョイ投げと釣り方はほぼ同じ。違うところといえば、陸上ではなく海の中にいるということで、手元の作業がしづらかったり、身の周りに道具が置いていないという不便があったり、安全面に気をつける必要があるといったところだ。(※安全への心構えと対策は5項にて)