(※2015年5月20日に公開された記事に、必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2020年6月30日に再公開したものです)
旬を迎える高級魚
キスやハゼ釣りの外道としても知られる通称メゴチ(ネズミゴチのこと。スズキ目コチ科のメゴチとは別種)ですが、そのメゴチが大きくなってもマゴチにはなりません。マゴチは遥かに大型になる魚で、ヒラメやカレイと同様に、底質に合わせて擬態をし獲物を狙う肉食魚。
スーパーなどで見かけることはあまり多くないですが、初夏から旬を迎え、その少し強面な見た目とは裏腹に非常に美味しい魚で、高級食材として扱われます。
マニアックなマゴチ釣り?
どこかマニアックな釣りであったり、ベテランの多い釣りのイメージが強いマゴチ釣り。確かにマゴチ釣りから釣りを始める釣り人は珍しいかもしれませんが、大抵奥が深い釣りこそ、その釣り方は至ってシンプルなものです。
今回釣りたい魚で紹介しているヒラメ同様、近年ルアー釣りのターゲットとしても人気の高まっているマゴチ釣りですが、エサ釣り独特のアタリを味わい、じっくりと待った後にその硬い顎にアワセを決めるのは、何とも言えない気持ちのよさがあるのです。
今回は船から活きエサを使って狙ってみましょう。
マゴチを釣ってみよう
仕掛
竿は2m前後の7:3~6:4ぐらいの胴調子の竿があれば、専用の竿でなくても良いでしょう。15〜25号ぐらいのオモリを使えれば良いので、キス釣りなどの竿でも流用出来る竿も多いと思います。
スピニングリールでもOKですが、エサをじっくりと喰わせて、しっかりとアワセる釣りなのでベイトリールがオススメです。フォール中や着底直後のアタリも取りやすいというメリットもあります。
ラインはPEラインの1.5~2号ぐらいで、アワセ切れしない様に、あまり細いラインを使わない様にしましょう。
仕掛は天秤仕掛に、ハリスは1.5mぐらいが一般的です。エサはエビや、実際に釣り場で調達出来るメゴチやハゼなどを使います。今回ご紹介している仕掛には孫バリは付いていませんが、状況を見ながらお好みで。鈎に掛かる率が高くなる分、エサの動きが鈍くなり喰いが悪くなったり、エサの弱りが早くなったりと、一長一短の様です。
釣り方
先ずはオモリが底に着くまで落としますが、ここであまり勢いよく落とさずに、活きエサに負担をかけない様にゆっくりと落としていきます。着底したら1m程度巻き上げ、エサがなるべく底スレスレを漂う様にしてアタリを待ちます。基本的にはこれだけ、非常にシンプルです。
しかし船を流していると棚も微妙に変わるため、時々底を取り直しては棚を合わせます。この動作がマゴチには誘いにもなりアタリが増えます。
アタリがあったら即アワセはせず、しっかりとエサを喰わせ竿に重みが乗るのを待ちます。魚に違和感を与えない様に、時にはブレーキを切ってラインを送ったりする釣り人もいて、どうしても先に流せる釣り座が有利になる釣りではありますがここが腕の見せ所。
十分にエサを喰わえこませたところでしっかりとアワセましょう。最初のギューンという絞り込みのあとは比較的簡単に寄ってきますが、水面まで上がってきてもうひと暴れしてバレてしまうことが多い為、ランディングは慎重に。1mに迫る大型のマゴチは迫力があります。
釣り上げたら、頭部やエラの周りにあるトゲで手を切らない様に注意しながらペンチで鈎を外してクーラーボックスへ。出来るだけ直接魚を触れない様にフィッシュグリップ等を使うのもオススメです。ちなみに船釣りではしばらくマゴチを生け簀やバケツで生かしておくことが出来る船も多いので、その後しっかりと血抜きをした方がより美味しくいただけます。