久留米キャンピングカーフェアレポート!
現地で見た最新トレンドと「日常使い」への進化

現在、日本では「100人に1人がキャンピングカーを所有する」時代に入ったとされています。2025年3月時点の最新統計(自動車検査登録情報協会調べ)によると、国内のキャンピングカー登録台数は12万8727台に達し、前年比4.2%増と着実な伸びを記録。全国平均の保有台数が初めて「100人当たり1台」の水準を超えました。

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これほどまでに普及が進んでいる今、キャンピングカーはどのような進化を遂げているのでしょうか。その“現在地”を自分の目で確かめるべく、九州でも注目を集める「第17回久留米キャンピングカーフェア(2026年3月28日・29日開催)」へ足を運びました。

会場の久留米百年公園には、最新のキャンピングカーが数多く並んでいました。実際に車内へ入りながら、その居住性や装備、そして展示車両の傾向から見えてきた、キャンピングカーの最新トレンドをレポートします。

久留米キャンピングカーフェアとは?

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会場入口

福岡県久留米市の百年公園で年2回(春・秋)開催されている久留米キャンピングカーフェアは、九州屈指の規模を誇る、キャンピングカー展示即売会です。今年で第17回を迎え、継続的に開催されてきた実績からも、その人気と定着ぶりがうかがえます。

会場には国産・輸入を問わず多彩なキャンピングカーが集まり、実際に車内に入りながら比較検討できるのが大きな魅力です。購入を検討している方はもちろん、「まずは見てみたい」という初心者にとっても、リアルな使用感に触れられる貴重な機会となっています。

このイベントの特徴は、単なる展示販売にとどまらない点にもあります。2018年以降は、九州各地で発生した自然災害からの復興支援や地域活性化といった側面も持ち合わせながら開催されており、アウトドア文化を通じて地域を盛り上げる役割も担っています。

さらに、入場無料・駐車場無料という開かれたスタイルにより、家族連れやライトユーザーでも気軽に訪れることができます。会場内にはキッチンカーやキッズ向けコンテンツも用意されており、1日を通して楽しめるイベントとして、多くの来場者で賑わいを見せています。
キャンピングカーに興味がある方はもちろん、新しい旅のスタイルやアウトドアの楽しみ方に触れてみたい人にとっても、その入口となるイベント。それが「久留米キャンピングカーフェア」です。

会場の様子と最新トレンド

33_ 場内MAP

会場内にはキッチンカーやキッズ向けコンテンツ(移動動物園)も用意されており、1日を通して楽しめるイベントとして、多くの来場者で賑わいを見せていました。
会場に足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのは、ずらりと並んだキャンピングカーの列です。大型モデルからコンパクトなタイプまで、実に多彩な車両が展示されていました。なかでも、バンコンや軽キャンパーはキャブコンと比べて展示台数が明らかに多く、現在の主流がどこにあるのかを如実に示していました。その背景にあるのは、「日常と旅の両立」という価値観の変化です。

キャンピングカーを特別なレジャー専用車としてではなく、普段の生活の延長として使いたいというニーズが、確実に広がっています。バンコンは日常の移動や買い物にも使いやすく、都市部でも扱いやすいサイズ感が魅力です。
一方、軽キャンパーは維持費の安さと取り回しのよさから、より気軽に旅へ出られる存在として支持を集めています。つまり、現在のトレンドは「大きくて快適」から、「使いやすくて現実的」へとシフトしていると言えます。

さらに、ソロキャンプや夫婦2人旅といった少人数での利用スタイルの広がりに加え、「車中泊」という旅のスタイル自体が一般化してきたことも、この傾向を後押ししています。加えて近年は、防災意識の高まりも無視できません。電源や居住空間を備えたキャンピングカーは、非常時における「移動できるシェルター」としての役割も期待されており、その実用性に注目が集まっています。

タイプ別に見るキャンピングカーの個性

会場を歩きながら各車両を見ていると、自分の旅のスタイルをどのカテゴリーに投影するかが、選び方の大きな分岐点になることが分かります。展示されていた主要なタイプには、それぞれ明確な個性が存在していました。

【キャブコン】圧倒的な居住空間を誇る「動く城」

トラックをベースにした王道タイプの「キャブコン(キャブコンバージョン)。バンクベッドを始めとする広い室内空間が特長で、常設ベッドやマルチルームを備えるモデルも多く、長期旅やファミリー利用に最適です。

【バンコン】機動力と日常を両立する「万能選手」

ハイエースなどをベースにしたタイプの「バンコン(バンコンバージョン)は、見た目が一般車に近く普段使いしやすいのが魅力。限られた空間を活かした内装には工夫が詰まっています。

【軽キャンパー】自由を身軽に楽しむ「究極の道具」

軽自動車ベースのコンパクトモデルである「軽キャンパー(軽キャンピングカー)。維持費が安く扱いやすく、ソロや少人数の旅に最適です。

【トレーラー】拠点を持ち運ぶ「もう1つの家」

「トレーラー(キャンピングトレーラー)は牽引して移動するタイプで、到着後は車と切り離して使えるのが特長。滞在型の旅に適しています。

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広い室内空間を持つキャンピングトレーラー

五感で触れる、カタログでは分からない「居住性」

今の時代、キャンピングカーの情報はネットや動画でいくらでも手に入ります。それでもイベントに足を運ぶ価値は、「身体感覚で空間を測る」ことにあります。「実際に狭くないのか?」その答えは車内に入って初めて見えてきます。

たとえば「就寝定員◯名」と記載されていても、大人が横になったときの圧迫感や寝返りのしやすさは、数値だけでは判断できません。とくに、ダイネットの広さや視界、バンクベッドへのアクセスのしやすさといった点は、実際に体験してこそ分かる重要なポイントです。

価格帯と装備で見るキャンピングカー選びの基礎知識

気になるキャンピングカーの価格

会場を見て回るなかで、多くの方が気にしているのがキャンピングカーの価格です。
軽キャンパーは比較的手頃で、300~500万円程度のモデルが多く見られました。バンコンになると600~900万円前後が中心。そして、トレーラーは300~800万円程度と幅広く、車両本体とは別に購入するスタイルになるのが特徴です。牽引車をすでに所有している場合は、比較的コストを抑えて導入できるケースもあります。

キャブコンになると900~1500万円以上のモデルも珍しくありません。室内空間が広く、装備も充実しているため、その分価格も高くなる傾向があります。決して安い買い物ではありませんが、車でありながら宿泊施設としても使えることを考えると、旅のスタイルを大きく広げてくれる存在といえるでしょう。

キャンピングカー装備のミニ用語解説

キャンピングカーの価格や快適性を大きく左右するのが装備の内容です。ただし、「サブバッテリー」「インバーター」「FFヒーター」などの専門用語は、初めての方には分かりにくいかもしれません…。
ここでは、とくに使用頻度が高く快適性に直結するおもな装備をピックアップし、「どんな役割なのか」を分かりやすく整理します。基本を押さえるだけでも、展示車やカタログの見方が大きく変わります。

ダイネット

食事やくつろぎに使う空間。ベッドとして使える場合も多い

バンクベッド

運転席上部の就寝スペース。常設で使いやすい

FFヒーター

エンジン停止中でも使える暖房装置

サブバッテリー

車内電源をまかなう専用バッテリー

外部電源(AC電源)

キャンプ場などで家庭用電源を使用できる

ソーラーパネル

停車中でも発電・充電が可能

インバーター

電気を家庭用コンセント形式に変換

マックスファン

車内の換気を行う天井ファン

ポップアップルーフ

ルーフを持ち上げることで室内空間を拡張し、就寝スペースとしても活用できる装備

マルチルーム

車内に設けられた多目的スペースで、着替えや荷物置き、簡易トイレの設置などに活用できる装備

「自分に合う1台」を見極めるための視点

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キャンピングカー選びで重要なのは、「自分の使い方に合っているか」という視点です。家族構成や利用人数、運転のしやすさ、維持費や保管場所など、現実的な条件を踏まえて検討することが大切です。スペックだけでなく、実際の利用シーンをイメージすることが、後悔しない選び方につながります。

●家族構成と利用人数

使用人数によって必要な広さやレイアウトが変わる

乗車定員と就寝定員

移動人数と就寝人数の違いを理解する

運転免許と車両サイズ

扱いやすさや運転可能かを確認

居住動線

車内での動きやすさや使い勝手

走行性と駐車環境

走りやすさと停めやすさのバランス

維持費

税金・保険・燃費などのコスト

保管場所

自宅保管か外部駐車場か

断熱性能

季節を問わない快適性

防災性能

非常時に活用できるか

今回のイベントで強く感じたのは、キャンピングカーが「移動手段」から「暮らしそのもの」へと進化しているということです。走る時間さえも楽しみに変わり、停まった場所がそのまま自分の居場所になる…そんな旅が、今現実のものになっています。キャンピングカーショーは、そのきっかけを具体的にしてくれる場所です。実際に見て、触れて、自分に合った1台と出会うことで、旅のイメージは一気に現実へと近付きます。

アウトドアに“快適な室内空間”を持ち出すという選択は、これまで外遊びにハードルを感じていた人にとっても、新しい扉を静かに開いてくれることでしょう。次はあなた自身の目で確かめてみてはいかがでしょうか。その1歩が、新しい旅の景色へとつながっていくはずです。


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レポーターREPORTER

O-chan
プロフィール:O-chan
オートキャンプが大好きな九州在住の50代のオジサンです。おもに九州地方のキャンプ場へ、愛車を自由に転がしながらキャンプを楽しんでいます。グループやファミリーキャンプの際は、私が作った料理が美味しいと喜んでもらえるよう、日々キャンプ飯の勉強をしています。その分、ソロのときは手抜きしまくりですが(笑)。「手軽に本格的」がモットーで、これまでの経験で喜んでもらえたメニューの紹介や九州地方中心のおすすめのキャンプ場の紹介など、何か少しでもみなさんにオートキャンプでの楽しみを伝えることができればよいかな…と思ってます。

 【肩書】
 ・日本オートキャンプ協会インストラクター
  (日本オートキャンプ協会九州支部:https://jac-kyushu.com/