タイラバとタイサビキのいいとこ取り!
釣れるタイを逃さない「タイバラサビキ」のススメ!

みなさんこんにちは。瀬戸内海タイラバYouTuberの「つりばか3号」です。
年間を通じて瀬戸内海でタイラバ釣りをしている私ですが、今回はちょっと変則的な「冬の瀬戸内タイラバ」についてご紹介したいと思います。

近年、瀬戸内海でのタイ釣りといえば「タイラバ」が代表的ですが、従来の瀬戸内海での冬のタイ釣りといえば「タイサビキ」が有名です。もちろん現在もよく行われている釣り方であり、瀬戸内の冬の風物詩といえます。といったワケで、いつものタイラバにタイサビキを追加して、より効率的にタイを釣る方法、「タイラバサビキ」についてご紹介しましょう!

タイラバサビキとは?

みなさんすでに想像できていると思いますが(笑)、タイラバサビキとはタイサビキの下にタイラバを付けた仕掛になります。専用の仕掛(タイラバサビキ)も発売されており、特別な釣り方ではないかもしれません。しかし、「なぜ冬にタイラバサビキが釣れるのか?」「サビキだけ、タイラバだけより、どんなメリットがあるのか?」細かく考えて知っておくと実践で役立つこともあるので、一つ一つ解説したいと思います。

まず、私が考えるタイラバサビキの定義についてです。
私が行っているタイラバサビキは、タイラバの上に2本程度、長さ3m程度のサビキを付けるセッティングです。このセッティングは、通常のタイラバタックルで扱って問題が発生しにくいギリギリのセッティングとして設定しています。

03_ チョクリ仕掛

タイサビキは通常10m以上の長さの仕掛であり、私がよく使うものでは10本バリで17mの全長があります。タイサビキはよく釣れる釣法ではあるのですが、この長い仕掛の扱いがなかなか難しく、なおかつ軽快さに欠ける釣りといえます。私はタイラバの手軽さ、たとえば、「ポイントをランガンできる」「セッティングの変更がかんたん」といったところがスタイルに合っているので、このスタイルを崩さずにタイサビキを取り入れたいのです。
「だったらもっとエダス間隔が短いものを使用すればいいのでは…?」と思うところですが、「仕掛ができるだけ長い」ことがタイサビキの有利なポイントでもあるので、3mという扱える限界の長さに設定しているわけです。このあたりはのちほど説明したいと思います。

いずれにせよ、この「タイラバの上に2本・3m程度の長さでサビキを付ける」というのが私のタイラバサビキのスタイルです。このスタイルであれば、通常タイラバをしている方なら普段のタックルにそのまま流用できると思います。
なお、リーダーとタイサビキの結束は、私は電車結びでライン同士を結束しています。もっと強度の出る結束方法もありますが、タイは青物のように引きが強い魚でもなく、60cmアップのタイでもじっくりとファイトすれば問題なく釣れるので、かんたんさを重視しているといった具合です。私がよく使うタイサビキものちほど紹介しますので、参考にしてください。

04_ 仕掛イメージ
仕掛イメージ図

2種類のタイがいる

では、なぜタイラバサビキをすることが、釣れるタイを逃さないことになるのでしょう? 冬の瀬戸内海、私がメインフィールドにしている高松沖では、11月下旬~3月中旬までぐらいまでのこの時期、タイは大きく2種類いると考えています。

05_ ベイト

2種類というこの区分はメインにしているエサによる泳層の違いで、「(1)ベントス(エビ・カニ・ゴカイなど、底性生物)を捕食しているタイ」と、「(2)浮遊ベイト(アミ・海苔・イカナゴの稚魚・ちりめんなど、中層を浮遊している生物)を捕食しているタイ」の2種類です。
浮遊ベイトについては全く流れるだけの海苔と、自分で泳ぐイカナゴの稚魚やちりめん、ちょっと泳ぐアミでは動き方も異なり、使うサビキも少々変わるものの、全体としては大きく「泳層」で区分し2種類に分けて考えています。この2種類のタイを両方釣るチャンスを増やすために、タイラバサビキが活躍するのです。

魚探映像でみる2種類のタイ

魚探画像で見ると(1)のタイは以下のように映ります。この画像では、タイラバに反応してちょっとだけ浮き上がったので分かりますが、通常は「底の線がちょっと分厚い?」くらいであまり分からないのが正直なところです。ですから、釣ってみるまで分からないのが(1)のタイです。

06_ ①の魚探

一方、(2)のタイは下のように映ります。こちらは分かりやすくて、水深は33.67mですが中層の19~25mあたりに複数の横線が映っています。これが中層に浮いた(2)のタイです。この画像からも分かるように、底から10mくらいまでばかりを釣っていると、かなりチャンスを逃してしまいます。

07_ ②の魚探

(1)ボトムのタイにはタイラバで対応

タイラバは(1)のタイを釣ることに適しています。タイサビキでは通常サビキの下にオモリ(シンカー)が付いていますので、ハリは底まで到達しません。タイサビキではボトムのタイは釣れないのです。しかしこれがタイラバサビキなら、オモリの役目をタイラバが担うため、底にいるタイをねらうことができるのです。

(2)中層のタイにはサビキで対応

中層に浮いたタイは「おもに」サビキで釣ることができます。中層のタイは泳層がかなり広いのが実情。通常のタイサビキであれば、仕掛の長さが10m以上もあるため、中層に広く泳いでいるタイの群れのどこかに仕掛を漂わせることができ、効率的に中層をねらうことが可能です。

これに対し、タイラバサビキは全長が3mぐらいですから、じっと待っていてはレンジ(タナ・層)を探ることができません。したがって、魚探を確認して魚がいるレンジを把握し、ラインの色やリールのカウンターを頼りに魚がいる泳層に仕掛を届ける必要があります。
具体的には、かなりスローなリトリーブを行いタイラバを動かすと同時に、サビキで魚のいるレンジを通すといった具合。タイラバだけでねらうよりも広いレンジを通すことができるので、タイラバサビキは有利となります。

08_ タイラバでの釣果イメージ

ところで先ほど、中層のタイをねらうのに「おもに」サビキでねらうと伝えました。実際には中層をタイラバでねらうことも多いのでこのように表現しました。中層のタイをねらううえでタイラバサビキが有利な理由がここにあって、実は中層のタイがサビキに反応するのは、かなり活性が高いときのみだということが関係しています。
エサが流れてきて、いわゆる「時合」という状態になると入れ食いになるのですが、エサがない状態だとサビキは見切られる傾向にあります。これがタイラバだと、タイラバ自体に魚を誘引する力(恐らく、その動きや波動)があるため、エサのない状態であっても釣ることができるのです。中層の魚を釣るうえでレンジコントロールは難しいですが、タイラバサビキはかなり有利だといえます。

タイラバサビキに適したサビキ

09_ チョクリ仕掛2
私がよく使うチョクリ系サビキ

サビキにはさまざまな種類がありますが、タイラバサビキに適したサビキというものがあります。先ほど中層のタイをねらうのにリトリーブでねらうと伝えましたが、これが関係しています。タイラバサビキで使用するサビキは、「チョクリ」と呼ばれるエダスが短いタイプの仕掛が有効です。

エダスの短いサビキはゆっくりとリトリーブしたときに幹糸から離れてくれます。これがエダスが長いと、幹糸にまとわり付いてしまうのです。ゆらゆらと漂わすようなサビキの使い方ならエダスが長い方が有利ですが、リトリーブするタイラバサビキでは、エダスの短いチョクリタイプがオススメです。

タイラバがオモリ(シンカー)代わりになることのメリット

これは私が魚探をよく見ていて気付いたことなのですが、タイサビキではサビキを落とすためのオモリに魚が驚いて逃げる場合があります。魚に限らず生き物は、こちらに向かってくるものは敵だと判断し、反射的に逃げる傾向があるようです。人でも目の前に虫が飛んできたら避けますよね? これと同じで、上から高速で降りてくるオモリは魚にとって敵でしかないわけです。
タイサビキではとくに長い仕掛をできるだけ鉛直(重力に向かう方向)にするため、重めのオモリを使うことが多く、この傾向が強いといえます。

10_ タイラバ 

これに対してタイラバサビキは、オモリ代わりのタイラバ自体に魚を誘引する力があり、フォールで逃げられることが少ないのです。タイラバはときにはフォールで釣れることもあることからも、タイサビキのオモリとは違うことが分かります。この点がタイサビキよりタイラバサビキの方が有利な点といえるでしょう。

タイラバサビキの難点
フッキングのタイミングが難しい…

このように、よいことばかりのように見えるタイラバサビキですが、1点デメリットもあります。それは「フッキング」です。
タイラバのフッキングが難しいのはみなさんご存じのとおりだと思います。ついばむようなバイトやくわえただけのバイトではハリがしっかりと魚の口に掛かっていない(ハリ先が貫通していない)ことがほとんど。バイトがあっても巻き続けて、魚が反転して初めてフッキングするという釣りです。これがサビキも上に付いているタイラバサビキだと、どっちにバイトしてきたか分からず、フッキングのタイミングが難しくなります

11_ フッキングイメージ
タイラバサビキの難しさは、タイラバに食ってきているのか、サビキに食ってきているのか分かりづらいため、このようにしっかりフッキングさせるタイミングの見極めが難しい…

サビキはバイトした瞬間にハリが口の中に入っており、スローリトリーブをしているとそのまま魚がついて来るようなことが多くあります。漂うエサを食べているタイはバイトしたあと反転しないことが多いのです。このままだと、ハリをくわえているけど掛かっていない状態となり、違和感を持ったタイはハリを吐き出してしまう場合があります。
タイサビキにおけるフッキングは人によって違うのですが、私は積極的にロッドでフッキングしていく派です。理由は前述の通り。サビキにバイトが出た瞬間、ハリはタイの口の中に入っているのが確実だからです。

そんなわけで、タイラバサビキの場合、タイラバのバイトに備えて反転を待ってフッキングするのか、サビキへのバイトと捉えて即フッキングするのか、アワセることへの迷いが出てきます。
釣りにおけるフッキングは、コンマ何秒かの瞬間的な判断の迷いで決まったり決まらなかったりします。そういった「ちょっとした迷い」でバラシ連発ということにもなり兼ねないため、この点がタイラバサビキの難しいところです。

12_ タイラバサビキ釣果例
アワセの難しさに慣れ上手くいけば、タイラバサビキで好釣果が期待できます!

いかがでしたか? 今回はちょっと変則的な釣り「タイラバサビキ」について解説しました。
冬の時期のタイラバ釣りは辛抱の釣りになりがちです。ですが、タイラバサビキならタイを釣る確率を上げることができ、なおかつタイサビキのように面倒がなく、タイラバ感覚で楽しむことができます。寒い冬ですが、みなさんも釣り場に出掛けてみてはいかがでしょう?

私のYouTubeチャンネルでもタイラバサビキについて紹介しています。「つりばか3号」で検索していただくか、魚探サイトをしている動画のリンクを貼っておきますので、ぜひチェックしてみてください。


YouTube「【高松沖タイラバ】つりばか3号のフィッシングドキュメンタリー」
#347【高松タイラバ】タイラバサビキで狙う2種類の鯛


YouTube「【高松沖タイラバ】つりばか3号のフィッシングドキュメンタリー」
279【高松タイラバ】タイラバサビキはまると3時間で〇〇枚!


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レポーターREPORTER

つりばか3号
プロフィール:つりばか3号
瀬戸内海タイラバYouTuberの「つりばか3号」です。名前のとおり瀬戸内海にてマイボートのタイラバをしており、その様子を動画にしてYouTube配信しています。魚探を利用した釣りが得意で、魚探データから海図を作ったりしています。タイラバのノウハウや、魚探の使い方、海底地形と釣れるポイントの関係などについて発信したいと思います。
YouTube:【高松沖タイラバ】つりばか3号のフィッシングドキュメンタリー