INDEX
三陸地方はイカ釣りが盛んなエリアとして多くのアングラーに人気です。初夏のムギイカ(小型のスルメイカ)から始まるシーズンは冬のヤリイカまで続きます。近年ではとくにイカメタルでの釣りが人気で、大いに盛り上がっています。
そんな三陸のイカメタルでねらえるイカは、スルメイカ、ケンサキイカ、ヤリイカの3種。今回はそれぞれのイカのクセを知って「どうやって攻略するか?」を考えてみたいと思います。
2023シーズンの三陸イカメタル
毎年6月を過ぎると、三陸のイカ釣りシーズンが開幕します。シーズンのスタートはムギイカ(小型スルメイカ)から始まり、秋に入ってからはヤリイカがメインターゲットに変わっていくのが三陸のイカ釣りです。そこへ今年は、さらにケンサキイカが加わって遊漁船は大賑わいとなっています。
従来から初夏には一部のアングラーがケンサキイカをねらって楽しんでいましたが、生息数は多くなく、釣れる年釣れない年がありました。
ところが今年はケンサキイカが一気に生息域を拡大、岩手県北部でも釣果が聞こえてきています。温暖化による海水温の上昇が一因になっているのかもしれませんが、新たなイカメタルのターゲットの出現に、三陸イカメタルが盛り上がっているというわけです。その証拠に、遊漁船でのケンサキイカの釣果も3桁を超える日がありました。来シーズン以降もケンサキイカが定着して、釣りを楽しめるようになればと願うばかりです。
三陸のイカ釣りに関して、「じゃあ、先日スルメイカを釣ったからタックルはコレでイイよね?」とか「冬のヤリイカをやったことがあるから、ケンサキイカも大丈夫だよね?」などとよく話を聞くことがあります。確かにイカ釣りはどのイカをねらうにしても基本的なことは一緒です。でも釣りを重ねるうちに、それぞれのイカにはそのイカ特有のクセや習性があることに気付かされます。
三陸イカメタルにおける3種のターゲット「スルメイカ」「ケンサキイカ」「ヤリイカ」のクセを理解して釣ることは、イカメタルでのステップアップに欠かせないポイントとなります。
ターゲットは3種類
三陸のイカメタルのターゲット「スルメイカ」「ケンサキイカ」「ヤリイカ」はどんなイカなのか? 孫子の兵法には「情報の収集と分析、状況判断が勝敗を決める」と書かれていますが、やはり、敵(イカ)を知らなければ戦略を立てることもままならないわけです。「ねらうイカがどんなイカなのか?」をよく知っておくことがとても大事です。
ここでは3種のターゲットについて理解を深めておこうと思います。
運動神経抜群なスルメイカ
3種のなかでは一番食卓にあがることが多いのが「スルメイカ」です。
イカといえばスルメイカ、地方名でマイカと呼ばれる(「マ=真」はマダイやマアジ、マアナゴなど種を代表する魚に付けられる)ほどポピュラーな存在です。近年では環境変化や乱獲の影響なのか、漁獲量が下がってしまって高級魚扱いになっています。
スルメイカのイメージは、
- ・運動神経がいい
- ・動きが素早い
- ・ベイトを追い回す
- ・近海から深海まで生息する
- ・気性が荒い
- ・筋肉質
- ・ゲソや触腕は太くて強い
といった印象があります。
好奇心旺盛なケンサキイカ
高級魚として扱われるイカの仲間で、3大高級イカの1つなのが「ケンサキイカ」です。とくに日本海側の佐賀県呼子のイカはとても有名です。人気のあるイカだけに地方名も多く、シロイカ、アカイカ、ヤリイカ、マイカなどほかのイカと混同しやすい名前で呼ばれることがあります。
ケンサキイカのイメージは、
- ・(スルメイカ同様に)よく動き回る
- ・ベイトフィッシュを追い回す
- ・好奇心旺盛
- ・小回りがきく
- ・ゲソはしっかりした太さがある
- ・触腕は太く長い
そんな印象があります。
大人しく優しいヤリイカ
「ヤリイカ」はどことなく優しくおしとやかなイメージのあるイカです。姿もスラッとして端正なイケメンキャラのヤリイカは、
- ・いつもボトム付近をウロウロ
- ・動きに反応するけど慎重な行動
- ・ジッと止めておくとやっと(スッテなどに)抱きつく
- ・邪魔者がいないと大胆になる
- ・ゲソや触腕は華奢(きゃしゃ)で細い
といった印象です。