INDEX
- ● トイレに困らない釣り場を選ぶ
- ● 遊漁船のトイレの話
- ● 沖磯釣りのトイレ事情
- ● 事前にできるトイレ対策
- ● 釣り場でできる衛生対策
私もそうですが、釣りをする女性にとって釣り場でのトイレ事情は実に悩ましいものですね。とくに女性は男性のように気軽に用を足すことがでないうえに、生理中に釣りに出かけることもあるため、トイレ事情には敏感になります。ところが、釣り場にはトイレがない場合もあるし、あったとしても決して清潔とは言えない場合も…。さらにトイレットペーパーはあるのか? サニタリーボックスは設置されているのか? など気になる点がいくつも浮かんできますよね。
といったワケで、女性の釣り人が知っておくべき釣り場でのトイレ事情や、気になる衛生管理についてお届けしたいと思います。
トイレに困らない釣り場を選ぶ
まずはトイレに困ることがない釣り場を選ぶことで、安心して釣りを楽しむことができます。とくに長い時間釣りをする場合はトイレへのアクセスのよさは重要なポイント。
釣り公園や管理釣り場、釣り堀など管理者(スタッフ)が常駐している施設であれば、ほぼ間違いなくトイレがあるので安心して釣りを楽しむことができるでしょう。また、遊漁船での釣りの場合もほとんどの船にトイレが設置されているので、陸に上がるまで我慢する必要はなさそうです。
加えて、こういった施設や遊漁船は事前にトイレの有無や場所、設備などをWEBサイトなどで確認することができるので、釣りを十分に楽しむためにもトイレに関する問題を事前にクリアにしておくと安心です。
最近では、スマートフォンの位置情報を使って近くにあるトイレを教えてくれるアプリもあるので、事前に調べておけば、堤防やサーフなど、管理者のいない釣り場でもトイレの心配をしなくて済むのではないでしょうか。
ただし、ひとりで釣りをしている場合は、タックルや荷物の盗難には十分気を付けましょう。トイレに行っていた数分の間になくなっていた…という話もあるのでご注意を。
遊漁船のトイレの話
前述したとおり、遊漁船での釣りにおいてはトイレの心配はさほどないといえます。なぜなら船宿のホームページに船の設備写真が掲載されていたり、遊漁船予約サイトでもトイレの有無を確認することができるからです。そもそも、船宿に電話で確認すれば確実なので、乗ったあとにトイレがないことに気付くなんてことにはなりません。
ただ、このように遊漁船の場合、トイレの「有無」についてはすぐにクリアできますが、注意が必要なのはそのトイレがどのように設置されているかなのです。
遊漁船のトイレはいくつかの様式があり、ひとつはマリントイレと呼ばれるもの。水洗トイレではありますが、ポンプで海水を吸い上げ、流した汚物をミキサーで粉砕し、海に放出する仕組みとなっています。そのため、トイレ付近で釣りをしているとときどき見えてしまうときがあるんです。粉砕されバラバラになったトイレットペーパーがゆらゆらと水面に漂う様子が…。
さらに知人の話では、ペーパーとともに、お腹が緩かったのであろうオジサマのブツが漂ってきたこともあるようで…。糸に絡みついてリールが悲惨な状態になったとのこと。なので、私は遊漁船でのトイレはなるべく航行中に行くようにしています。停泊しているときに行くほうがずっと楽ですが、トイレの近くにいる人に不快な思いをさせないためにも極力そのようにしています。
※航行中の移動は手すりを持つなどし、急な揺れに十分注意して行ってください
もうひとつ、たまに遭遇するのがダイレクトに海に落とすタイプのトイレ。
昨年の年末、定員10人ほどの小さな乗合船でハゼ釣りに行ったのですが、そのトイレがまさに水面に向けて直接用を足すタイプでした。洋式便座ではあるのですが、下をのぞくと便器の奥にキラキラ光る水面が見えているではありませんか。幸か不幸かハゼの食いがよく、いっこうにポイント移動する気配がない。風もなく鏡のようにまっ平らな水面。潮も流れていないなかダイレクトに用を足してしまうと高い確率でペーパーが浮いて(見えて)しまう…。個室のトイレでプライバシーが守られているようですが、果たしてこれは守られているといえるのでしょうか…?
結局どうした(どうなった)かについてはご想像にお任せします(笑)。
このように、遊漁船にはトイレはあることはあるのですが、大海原に放出するタイプがほとんどなので、トイレットペーパーはなるべく最小限の使用に努めたほうがよさそうです。また、すでにお察しかと思いますが、サニタリーボックスなどという便利なものはないと思ったほうがよいので、生理のときはエチケット袋的なものをポケットに入れておきましょう。
また、過去に一度、トイレ付きの遊漁船に乗ったのはよいのですが、まさかの鍵が閉まらない! 洋式ならまだしも、和式で後ろに扉がある作りになっているのでドアノブを手で持っておくこともできない…なんてこともありました。1日船でしたが気合で我慢した思い出があります。一応、後日船長さんには伝えましたが、結局それ以来その船宿には足を運んでいません…。
やはり女性にとって釣り場のトイレ事情は男性よりもはるかに切実なのです。
沖磯釣りのトイレ事情
検索エンジンで「沖磯」と一緒に入力されているキーワードはやはり「トイレ」が多いようです。沿岸部の陸から地続きになっている地磯とは違い、陸から離れた沖に独立している沖磯は人工物が一切ない場所であるため、当然ですがトイレはありません。
男性の場合、いわゆる「小」のほうはさほど難しいことではないようですが、やはり「大」となると抵抗があるという人も多いようです。逆に大海原に囲まれ開放感たっぷりの磯で用を足すのが快感! というツワモノもいらっしゃるみたいですが…。となると、やはり沖磯は女性にはハードルの高い釣り場といえるでしょう。
女性で沖磯釣りをやっている人の話では、水分を控え、なるべくもよおさないように気を付けているとのこと。しかし、そうはいっても生理現象ゆえにどうしても我慢できないときもあります。そんなときはポンチョ型のカッパを着て全身をすっぽり覆って済ませたり、思いきって大人用のオムツやパッドを装着しておくといった対策をとっていると聞きました。
ちなみに、女性用の「立ちション」グッズなるものがあり、どのようなものか商品サイトを見てみました…。たしかに慣れると男性並みに手軽に用を足せるようになるアイテムではありましたが、私はまだ試す勇気は持ち合わせていません…。
事前にできるトイレ対策
オカッパリでも船であっても、トイレに行かずに済むのであればそうしたいし、回数も減らしたい。そのために私がやっているトイレ対策をご紹介したいと思います。参考になれば幸いです。
まず、個人の体質にもよりますが、前日はアルコールや刺激物など腹痛を引き起こしかねない飲食はしない。そして、家を出る直前、釣り場や船に乗る直前など、(もよおしていなくても)行けるときにトイレに行っておく! もう絞り出すくらいの気持ちで(笑)。これで精神的にかなり安心できます。
次に、持参する飲料は、ウーロン茶やコーヒー、アルコールなど利尿作用の高いもの(カフェインの入ったもの)は避け、水やルイボスティーなど比較的利尿作用が低いといわれるものを選びます。釣りに没頭するあまり、ついつい怠りがちになってしまう水分補給ですが、利尿作用の高くない飲料にしておけばいくぶんかマシではないでしょうか。釣りの帰りに必ずといっていいほど冷たいコーヒーをガブ飲みしてしまうのはその反動かもしれません。
暑い夏に食べるコンビニの冷やし中華、冬の寒い日にすするカップラーメンなど、船の上で食べるとまた美味しさも格別なのでしょうが、トイレのことを考えると怖くて食べられません。男性ほど気軽にトイレに行けない女性たちは、食べるもの飲むものにも工夫と注意が必要なのです。
釣り場でできる衛生対策
トイレ以外にも気になるのが、手についたニオイ。エサや魚を触るとどうしても手にニオイがついてしまい水だけではなかなか落ちません。
なるべく直(じか)に触ることを避けるためにグローブを着用、魚はフィッシュトング(魚つかみ)やフィッシュグリップで扱うようにし、極力ニオイ移りを防ぐことがポイント。最近では魚のニオイに特化した石鹸やウェットティッシュなどが販売されており、海水で流すことができる石鹸などもあるのでバッグの中に忍ばせておくとさらに安心です。
コロナの影響で、ハンディタイプの除菌スプレーや手指消毒ジェルがどこでもかんたんに手に入るようになったのはありがたいですね。
管理釣り場、遊漁船、堤防などそのシチュエーションによって程度の差こそあれ、釣り場のトイレは「どこもキレイ」とまではいえません。初めての釣り場のときは、あまり期待せず、「トイレットペーパーがあるだけマシ」くらいの気持ちで訪れたほうがいいでしょう(ちゃんと鍵が閉まりますようにという願いを込めて)。
本来、釣りは多少なりとも『汚れる』のは仕方がありません。しかし事前の準備である程度は防ぐことができ、汚れたあとの始末もかんたんになります。コロナ禍を経て、釣りに限らず日々の生活において衛生観念が高くなってきていますが、釣り場においては、まずはできるかぎりの自己対策が重要です。