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世の中にはまだまだ知らない魚がたくさんいる!!
普段釣りを楽しんでいると、「これ何!?」というお魚が釣れてしまうことはしばしば…。もちろん正体が分からない魚は、ひょっとしたら危険かもしれないので素手で触るのは厳禁ですが、それにしてもその正体は気になるところ…。
そんな「珍しい魚」「不思議な魚」「面白い魚」について、スタッフやアングラーから集めた写真をもとに、お魚大好き「かわちゃん」こと川田一輝さんが大調査。お魚についてコメントしてくれますよ!
今回は、身近な小川を覗き込むと泳いでいる身近なさかな「タナゴ」。
意外と見分けがつかないことも多いので、今回は釣れたタナゴのお写真から、それぞれの特徴をご紹介します!
ヒレが白いぞ!シロヒレタビラ
釣った人:スタッフの芝さん
兵庫県南部にて、5月半ば過ぎに釣りました。
かわちゃんコメント:
タビラとはタナゴを意味します。
尻ビレや腹ビレが白いことから白いヒレのタナゴ(タビラ)=シロヒレタビラ。わかりやすい名前ですねぇ!
僕も以前、淀川の城北ワンドでの調査で出会ったことがあるんですが、太陽光の下で見るとブルーがかったボディが本当に美しい!! そこで聞いてびっくりしたのは、通常小川の浅瀬にいるシロヒレタビラが、琵琶湖では水深30mから見つかったそうです。
本来は濃尾平野や琵琶湖水系、徳島などに生息してるのですが、最近は青森・鳥取にも人為移入で分布を広げています。
ヤリのように細長い!ヤリタナゴ
釣った人:スタッフの芝さん
兵庫県南部にて、5月半ば過ぎに釣りました。
かわちゃんコメント:
タナゴの仲間としては体高が低く、槍のように細長いヤリタナゴ。ラテン語の学名でも「lanceolata=小さな槍をもった」という意味の名前がつけられています。
実は釣りや鑑賞目的だけでなく、食用としても愛されています。モツゴなどの小魚と一緒に佃煮になって売られていることも!
日本産のタナゴとしては分布がかなり広いのも特徴ですが、2007年には環境省が定めるレッドリストの準絶滅危惧カテゴリに記載されました。
体の横に「一」の文字!イチモンジタナゴ
釣った人:スタッフの芝さん
兵庫県南部にて、4月前半に釣りました。
かわちゃんコメント:
ヤリタナゴのように体高が低い細長いタナゴではあるのですが、見分け方はその模様。体の横に青緑色の長い縦条があり、それが一の文字に見えることからイチモンジタナゴと名付けられました。
とってもオシャレなさかなで、オスは恋をすると(繁殖期に入ると)お腹がピンクに、背中はグリーンに色付きます! たった6cmのさかながこの世の美しさを詰め込んだような彩りを放つのが、タナゴの魅力かもしれません!
イチモンジタナゴも数を減らしていて、2007年に環境省レッドリストで以前の絶滅危惧IB類からIA類にカテゴリが変更されました。僕も大好きな水族も展示されている博物館、琵琶湖博物館では平安神宮と協力して保護活動に力を入れています。
当たり前にいる身近なさかなが、これからも当たり前に側にいてほしいですね!
今回もまたまた珍しいお魚たちでしたね。
それでは、また次回も珍しいお魚の情報が入手でき次第、みなさんにお届けしますのでお楽しみに~!
レポーターREPORTER
1990年大阪生まれ。さかなたちの“おかしな”生態を書籍やメディアで伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」や釣り番組・情報番組に出演中。
著書に「ツッコミたくなる おさかな図鑑(ワニブックス)」「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」など。SNSの総フォロワー数70,000人以上
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