キャスティングマスターへの道
より遠くへ!よりまっすぐ!飛ばす方法とは?

text_広川嘉孝-photo_岳原雅浩

3.どうしたらまっすぐ飛ぶのか?

20_ 釣りシーン(海に向かう)

「まっすぐに飛ばす」これが初心者の方にはひじょうに難しいとよく耳にします。どうしても竿を両手で持って行うキャスティングは、腕の長さや肩にかけての可動域の問題で、竿が身体正面の片方で斜めになって振り下ろしてしまうからです。「剣道の面!」のように身体の正面で縦に振り降ろすと、左右の角度は真っ直ぐになりやすいですが、飛距離が落ちたり、どうしても投げ方がぎこちなくなりがちです。

21_ ラインにかけた人差し指

しかるに、斜めに振り下ろす軌道を描くキャスティング時の竿は、人差し指を離すタイミングで、あちこちとルアーが上下左右さまざまな方向に飛んで行ってしまう可能性に満ち溢れているのです。要するに人差し指を離すタイミング次第なのですが、遅くてもダメ、早くてもダメと、絶妙な瞬間が存在します。これも、とにかく現場で回数をこなして身体に覚えこませるのが一番! 気を付ける箇所を何点か挙げてみましょう。

 

(1)投げたい方向に向いて
身体の正面で竿をさばく!

まずは投げたい場所、ルアーを着水させたい場所をできるだけピンポイントに決めます。広い大海原でとくに何もない場所でも、できるだけ最初に「あの畳一枚分のスペースに投げ込むぞ」と強くイメージします。そして身体をその場所に向けて正面に構えます

22_ 海に向かってたたずむ

次に身体をできるだけ動かさないようにして、腕だけで竿を振りかぶって投げます。もちろん腕だけで投げるので飛距離は落ちます。まずは真っ直ぐに飛ばすために身体の正面、体側より前で竿をさばく練習です。これを繰り返して、竿がどの角度にきたら糸をかけている人さし指を離すタイミングなのかを覚えていきます。この体側の前だけで竿をさばく方法はベテランの釣り人でもよくする投法で、一番正確にねらいやすい竿と身体のポジションといえます。
比較的近めでストラクチャー際のピンポイントをねらう場合は、垂らしよりもより短くして大振りせずに、竿先側の半分だけを使ってキャストするケースもあります。しかしながら、真っ直ぐに遠くに飛ばしたいのであれば、腕、肩、腰、全身を使って大きく振りかぶるしか道はないのです。まずはキャストコントロールを身につけ、徐々に全身を使って飛距離を伸ばしていきましょう。

23_ キャストシーン(正面投げ)

(2)足先の向きも意外と大事?

あと、足の向きも密かに重要となってきます。これは慣れてくるとあまり気にしなくてもいいのですが、投げる方向へ前に出る足先(右投げなら左足先)を、真っ直ぐ正面に向けて投げる方が真っ直ぐ飛びやすいです。足先を気にすると、まずそこに注意をして意識が生まれます。少し投げづらいかもしれませんが、繰り返しの練習のなかで癖付けるとよいと思います。

24_ 足先・足の向き

 

ということでいろいろと書きましたが、やはり現場での練習が上達への一番の近道なのは間違いありません。魚は釣れなくてもキャストの練習をしに海辺へ出かけましょう! すると、思いがけない場面で魚がヒットしてくるかもしれません。それはキャストが気づかぬうちに上達している証拠かもしれませんよ。
「キャストが上手くなりたい!」この目標を持った時点で素晴らしいことだと思いますので、みなさん楽しみながら日々精進しましょう!

25_ 移動シーン

 

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広川 嘉孝
プロフィール:広川 嘉孝
幼いころより釣りに傾注し、さまざまなジャンルの釣りを愛してきたマルチプレーヤー。兎に角、自然と対峙する遊びが大好物。でも…気が付けばもう四十路後半、目指せ中年の星をモットーに日々精進中。普段は自身が手掛けるオリジナルブランドNUTS&VOLTZにて、サブフィッシングギアのデザインに奮闘する日々。
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