北海道は朱鞠内湖でアイスフィッシング?
幻の魚イトウをねらう!?

HEAT読者のみなさんこんにちは。本州では渓流の解禁を迎えた場所もあり、僕もそろそろ3月の解禁に向けて遠征準備をしているのですが(きっと記事が公開になるころには帰ってきているはず…)、今年一発目の遠征は真冬の北海道へ足を運んできました。2月の北海道は雪も寒さも桁違いでして、こんな時期に釣りできるの!? と思われるかもしれませんが、それができるんです。

今回のターゲットはイトウ。この真冬のイトウはいつものルアーフィッシングとはひと味違うアイスフィッシングでねらいます。
分かりやすい例で言うと凍結した湖の氷に穴を開けて楽しむワカサギ釣りなどがアイスフィッシングの代表ですが、海外では大型のパイクやトラウトもアイスフィッシングの人気ターゲット。そんなまるで海外のような釣りで、しかも幻の魚ともいわれるイトウをねらうことができるのが北海道にある朱鞠内湖(しゅまりないこ)。もちろんワカサギ釣りでも人気の場所ですが、その釣れたワカサギをエサにトラウトをねらうこともできるとても面白いフィールドなのです。


本文映像
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【マイナス19℃だって】2022 厳冬期の北海道・朱鞠内湖アイスフィッシング – 前編 –

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真冬の北海道へ

1 空からの雪景色
新千歳着陸前からこの景色!

久しぶりに飛行機での北海道入り。ここ何回かの北海道遠征はフェリーを使った自走が多かったためパッキングがかなり疎かでしたが、今回はちゃんとパックロッドの携行性も活かしながらしっかりと準備させていただきました(苦笑)。
アイスフィッシングは氷に穴を開けるドリルや荷物を載せるソリなど専用の道具も多く必要で、防寒の装備もつま先から指先まで本州のそれとはちょっとレベルが違います。そのため、釣具以外のほとんどを北海道に住む友人の大介さん(以下D)にお世話になる Dスタイルで。おかげでタックルはロッドにリール、泳がせの仕掛ぐらいになり、キャリーの中身のほとんどは着替えと防寒具。実は3年前の同じシーズンに初挑戦し完全に敗退しているので、今年こそはと意気込みます!

2 四駆
スタッドレスに四駆、しかもたくさん積み込める車がマスト

札幌駅で合流し一度Dの自宅で仮眠を取り、朱鞠内湖までは夜中に車を走らせること約5時間。普通スキーやスノボなんかだとトンネルを抜けると白銀の世界! となりますが、札幌は「世界で最も雪の積もる都市」の世界ランキング2位の街なので、スタートから常にめちゃくちゃ雪道です(笑)。多分北海道の雪道に慣れていない僕の運転だったら1日がかりの移動だったかもしれません…。

白銀の世界に到着

遊魚券を買いスノーモービルの受付を済ませたら、引っ張ってもらうソリに積む荷物や釣具の準備。この日は外はマイナス19℃でしたがもっと寒い日もあるそうで、素手で金属を触るのも基本NGなので手袋も忘れずに装着し、防寒着も着込んだあとに車で暖まってから外に出るようにします。

3 ソリに荷物を載せる
こんな感じで自前のソリに載せた荷物を、巨大なソリに載せてもらいます

いくつかある渡船(船ではないけど…)できるポイントから行き先を選び、大雪原と化した湖面をスノーモービルで引っ張ってもらい揺られること約10分。ベース地を決めたら地形を見てワンドやブレイクの絡んでいそうな場所にあたりを付けて、先ずはドリルで穴を開けていきます。今年はそんなに氷が厚くなかったのか初めてのときよりもスムーズに開けられた気がします。
穴を開けたらその横に、イトウが釣れたらそのまま水から上げずに撮影・蘇生ができるよう生簀(いけす)も掘っておきます。この方法は朱鞠内湖漁協も推奨している方法なので、もしもイトウのアイスフィッシングに挑戦する場合は調べてみてください。

4 氷に穴を開ける
アイドル風の穴あけ風景(大変失礼いたしました)

イトウ釣りの準備ができたら今度はエサの調達です。今回は僕とDが穴を開けたり生簀を掘っている間に、カメラマン(はらの)にワカサギ釣りをお願いし同時進行でエサ調達。
スタートからワカサギは入れ食い状態で、ときどきよいサイズのウグイも混ざり仕掛を切られそうになっていましたがエサとしては大歓迎。釣り上げたときは、ハリを刺すのにモタモタしていたらエサの魚が凍ってしまうので素早く準備して、ベースから走って持ち場の「穴」に走り仕掛を投入します。1人5本まで竿を出してよいそうですが、今回は1人3本、僕とDで合計6本。竿先に鈴を付けて、あとはひたすら鈴の鳴るのを待ちます。

待っている時間こそ至高のグルメタイム

5 ラムチョップ
これに山わさびを「ベルのたれ」に溶いたものをつけていただきます

待っている間も楽しむのがDスタイル。オリーブオイルを火にかけて釣ったばかりのワカサギでアヒージョを作ったり、その油でラムチョップを焼いてみたり。ときどき、仕掛を確認したり穴が氷で塞がらないように表面の氷をすくったりするルーティーンをこなしつつ、ルーティーンが終わるたびにコーヒーをいれてみたり…。これはこれで、というかこれだけでかなり贅沢な遊びなのもアイスフィッシングの魅力。一面雪と白樺の雪景色に囲まれた湖上でぽつんと、気の合う仲間で過ごす時間はいわゆるプライスレスです。

6 凍った穴をメンテナンス
こうやって見回りをしないと穴ごとラインもカチカチに凍ってしまうので大切な作業
7 防寒着
DRT×NANGAのオーロラダウンジャケット&パンツ。防寒に限らずしっかりしたギア選びはそのまま釣りへの集中力や釣果にも繋がるので本当に大事です

気温は低いとはいえ天候にも恵まれ、ここまでは全てがパーフェクト。一つ問題があるとすれば鈴が全く鳴らないことぐらいです。深さを測りながら、ときには少しズラした場所に新しい穴を開けたり、レンジを変えたりしながらアタリを待ちますが、結局1日目は1度だけ竿が絞り込まれただけでノーフィッシュ。別に根拠はないんですが、今年はかんたんに釣れる気がしたんだけどなぁ。

期待と焦りが募る2日目

8 2日目の朝
2日目は15組以上のスノーモービルの列が

翌日も4時半に起床し一番乗りかと思いましたが前に1台車が停まっていました。しかもその方がスノーモービルで行きたいポイントもかぶっていた(前日に入ったところと同じ場所)ので、エリアを大きく変えて気分一転。
Dにとってもこの季節あまりやらないエリアということで、開拓という意味でも期待を持てる釣り。はらののワカサギ探知能力も申し分なくエサの調達もスムーズに完了し、イトウの仕掛をブレイクのライン(雪で地形もあまり見えないのであくまで予想だけど)に沿って等間隔に投入したらアヒージョタイム。今日は釣りたい!!

9 スムーズな準備
2日目にもなると一連の流れもとてもスムーズに

時刻はお昼をまわり、飽きてきてソリで遊んだりしていると「リン!」と鈴の音が響きます。全員目の色を変えて目を凝らすと、われわれの竿の1本が揺れている!! なるべく静かに駆け寄り、もっと強く引き込まれる瞬間を息を呑んで待ちます。この時間は本当に息ができません。何度か明らかに怪しい暴れ方(多分イトウかアメマスにロックオンされて焦ったり逃げようと動いている)をするも、結局明確なバイトはなく肩を落としながらベース地へ戻りました。アイスフィッシングって結構こんな一喜一憂の繰り返しかもしれません。

10 コーヒーブレイク
何杯のコーヒーをいれたでしょうか(笑)

無念のタイムアップ

そのあとも2回、かなり怪しい鈴の音があったり、遠くで釣っている人の竿がグングンと曲がってはいたもののキャッチには至らなかったりで盛り上がりはしましたが、ノーフィッシュのままスノーモービルのお迎えのお兄さんが登場。それにしても前回もそうでしたが、釣れてないのにこの清々しい感じはなんなんでしょうか(笑)。景色が美しいからなのかなぁ。

11 竿
巨大なイトウにブチ曲げられることはなかった竿…

受付のあるログハウス前へ戻ると僕らの前に並んでいた釣り人に会えたので話を聞くと、イトウが2本釣れたとのこと。前日は全然ダメでも同じ場所で釣れることはあるし、同じポイントに入ったとしても仕掛やレンジなど、いろいろな要素で魚が食うかどうかの確率も変わってくる。やっぱりエサ釣りも面白いなぁ。そして釣りたかった!! あーすればよかったとかこうすればよかったとか、反省と妄想を膨らませつつ、雪深い帰路でまた来年のリベンジを誓うのでした。

12 幻の魚イトウ
釣れていたらこんな感じでイトウが生簀に泳いでいるはずだったのに…。別の日にDの釣ったイトウの写真です。こんな魚があの穴からヌポン! と出てくる姿をいつか絶対見てやる!!
13 ニシン蕎麦
最後の氷上ご飯だったニシン蕎麦、沁みました
14 リベンジを胸に誓う
来年こそ必ずリベンジしたやりたいと思います!

 

この旅の模様はYouTubeにもアップしました。美しい景色とあの幻想的な冬の朱鞠内この雰囲気が伝わると思いますので、興味のある方はぜひご覧ください。

 


【マイナス19℃だって】2022 厳冬期の北海道・朱鞠内湖アイスフィッシング – 前編 –

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ショータ・ジェンキンス
プロフィール:ショータ・ジェンキンス
栃木県在住。国内のトラウトフィッシングから海外の釣りまで、人生を豊かにするライフスタイルとしての釣りを日々模索し発信しているフィッシングピーターパン。PIKE STREET MARKETディレクター。ひと×コト×Sakana栃木PRアンバサダー。
サポートメーカー:Huerco、BIGFISH1983、Rマジックテスター。VARIVASフィールドモニター、Patagoniaプロセールスプログラム。
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