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釣りはもちろん、アウトドアレジャーを楽しむ上で重要なのが移動手段。ちょっと遠出しようとなると、どうしても車での移動、ということになりますよね。家族そろって、あるいは仲のよい友人らと楽しくドライブということであれば車での移動となりますが、ちょっとした近場のスポットに1人で、というときにぜひオススメしたいのがバイク、とくに50㏄以下の原動機付自転車といわれるものであります!
俗に『原付』などと呼ばれるこの車種。道交法上の最高速度の低さなどもあり、街乗りはともかくアウトドアなんて…と思われるかもしれません。道路上ではそのこぢんまりした存在感に肩身の狭さを覚えた人も少ないことでしょう(笑)。しかしそのこぢんまりした感覚こそがこのマシンの醍醐味。その隠れたよさを知れば、意外に高性能マシンとはまた違った幅広い楽しみを味わうこともできます。
今回はこの「原付」のスゴさ、なにがアウトドアレジャーに有効なのか? どんな風にアウトドアを楽しめるのかを探ってみましょう!
さぁ~て、今回取り出しましたるマシンはこちら!
まさに「日本の伝説的な原付」!
アウトドアで「原付」といえば、近年ヒットしたアニメ『ゆるキャン(原作:あfろ 2015- 芳文社)』の主人公・志摩リンちゃんがヤマハ・ビーノでいそいそとキャンプ場に向かっている姿などは印象的でありましたね。車や高速バイクでの高速感も爽快ですが、低速車両ならではといえるのんびりした空気感も捨てがたいものですよ!
「原付」といっても、一般的なスクーターを筆頭に現在日本国内では星の数ほどにその種類が広がっている状況。オシャレなデザインから機能性、性能追求型などとさまざまな特徴を備えたマシンがあります。そのなかでも今回はまさに日本が誇る「原付」ともいえるHONDA社のスーパーカブを例に、そのアウトドアへのアプローチなどを考えてみましょう。
スーパーカブは1950年代にHONDA社より発売、モデルチェンジやバリエーションの追加などが図られながら未だに製造が続けられている世界的に有名な「原付」のシリーズです。2017年にはライトノベルよりアニメ化もされた萌えキャラ満載の『スーパーカブ(原作:トネ・コーネン 2017 KADOKAWA)』という作品も発表され、幅広い層から注目を浴びるようになりました。
昔はうちの近所を回る置き薬屋のオジサンが、緑のカブに乗ってたびたび訪れているのを見ては「野暮ったいバイクだな…」なんて思っていました(笑)。しかし時代は変わり、先ほどの『ゆるキャン』のイメージしかり、このスーパーカブ含めオシャレなデザインも多く発売されるようになりました。まあだからこそ逆にこのスーパーカブのような、ある意味武骨なデザインがいい! というセンスもありかもしれませんね。
小回りと駐車のしやすさで、移動のストレスも最小限に!
「原付」のメリットは、なんといっても小さく、使い勝手がよいことにあります。十分に整地されたキャンプ場などはしっかりとした駐車場も整備されているかもしれませんが、駐車場を探すのが難しいという釣り場もたくさんあります。
また野池のブラックバス釣りや沿岸など、移動を頻繁にともなう「オカッパリ」で魚をねらうのであれば、足回りは小回りの利く車両の方がストレスも少なく、釣りに没頭できるでしょう。
「原付」のメリットはほかにも、燃費のよさというポイントがあります。たとえばリッターあたりの燃費を比較すれば、車や250㏄以上のバイクとの差は歴然です。
とくに今回例に挙げたスーパーカブは実用値として60km/L以上の驚異的な燃費がカタログ値として記載されています。「時間ができたので、フラッと近場のスポットに釣りに行きたい」などと思えば、断然「原付」。とくにガソリンの価格高騰で頭の痛い現在、まさに庶民の強い味方であります!
DIY的な楽しさも『原付』の魅力!
スクーターへの荷物の積載は基本的には後方の荷台になりますが、残念ながらこの荷台の大きさなどはまちまちなので、これからマシンを購入される方は積載スペースなども考慮されるとよいでしょう。マシンによってはフロント部分にキャリアや買い物かごがついているものなどもあります。またスクーターはシートにあるメットイン部分もスペースとして利用できます。
スーパーカブも車種によって若干仕様の違いはあるものの、基本的にはフロントキャリア、リアキャリアという2つの荷台があります。
基本的には荷台に荷物をくくり付けるわけですが、よく街中で走っているのを見ると後ろの荷台に大きな箱を付けているものがありますね。俗に「ホムセン箱」などと呼ばれるものです。文字通りホームセンターで手軽に手に入る道具箱で、プラスチック製の安価ながら丈夫でひじょうに勝手よく使うことができます。用途や好みに応じていろんなものを流用し取付にチャレンジすれば、DIY的な楽しさも味わえるでしょう。
たとえば釣りという目的で考えると「竿はどこに積もうかな」「クーラーボックスは…」と、さまざまなものを積もうとしたときに、こうしたボルト部を利用して積載する方法を新しく考えたりすることもできます。
ちなみにスーパーカブは、足元にこんなキャリアをつけることができます。
これはベトナムキャリア、通称「ベトキャリ」と呼ばれるもの。純正のパーツではなくサードパーティーから発売されているもので、多くの荷物を積んでツーリングするキャンピングライダーも多く利用しています。これだけいろんな積載場所があると、たくさんの荷物が積めますね。
普通のスクーターでも、ベトキャリを使わなくても足元をさまざまに工夫すれば「なにか載せられるんじゃないか」と考える楽しみもあります。ただし、安全に積載できるようしっかりと固定できること、および運転に支障が出ないようにするなどの考慮が必要(バックミラーやウインカーが隠れないようにする、ハンドル操作の妨げにならない、など:道路交通法第五十五条の2項)で、違反すると処罰の対象となります。
また積載可能な荷物の高さ、幅、重量については、道路交通法施行令(第二十二条)で厳密に規定されていますので、これに反しないよう注意しましょう。
「お気軽さ」のためには駐車場の確認を、無理もしないように!
「場所をとらない」「安い燃費で遠くに行ける」「荷物の載せ方を考えると楽しい」といいことずくめにもみえる「原付」ですが、楽しいひと時を過ごすためには注意も必要です。
まずいくら「小さいので場所をとらない」といっても、どうしても駐車スペースは必要となります。なので、目的地付近に問題なくマシンを停められる場所があることをちゃんと確認しておきましょう。
「邪魔にならないだろう」と判断して釣り場近辺の空きスペースにマシンを勝手に停めてしまうと、近隣の方に迷惑を掛ける可能性もあります。とくに野池巡りなどを考えた場合には、釣り場や周辺の田畑が私有地である場合も考えられます。
また「無理はするな」という点には注意しましょう。「長く乗れるから」と、とんでもなく遠いところに出向くのはやはり危険です。とくに車両を長く運転していると緊張感が薄れたり、つい気が大きくなってスピードを出し過ぎたりする恐れもあります。運転時間が長くなるとやはり思った以上に体力も消耗するものですし…。
あくまで「釣りを楽しめる」「アウトドアを楽しめる」という目的を考えたうえでの運行感、計画を把握したうえで、お気軽な楽しみを味わうことをぜひ考えてみてはいかがでしょうか?
出典:
道路交通法施行令 | e-Gov法令検索
(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335CO0000000270_20210628_503CO0000000172)
道路交通法 | e-Gov法令検索
(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105)
バイクの荷物の積載制限!【高さ・幅・長さ・重量】を詳しく解説|バイクサップ
(https://bike-sup.com/loading-limit/)
レポーターREPORTER
40歳で会社員からライターに転身、50歳で東京より実家の広島に戻ってきた、マルチジャンルに挑戦し続ける「戦う」執筆家。
広島、とくに実家の東広島はブラックバス釣りでは「野池天国」と呼ばれる場所。マナーを守って楽しめる釣りを、HEATの執筆を通して追究していきたいと考えている。