快適「夜釣り」の陸っぱり基礎知識 Enjoy Night Game No.2 準備はおこたりなく!
釣具や仕掛、エサ以外に必要なもの

陸上から夜釣りを快適かつ安全に楽しむために、夜ならではの準備が必要だ。いうまでもなく暗い夜に欠かせないライト類を筆頭に、夏場でも意外に冷える夜は、それなりのウェアが必要だ。さらに蚊の対策もしておかないと釣りどころではないし、昼夜問わず救命具は必携。そう「釣具や仕掛、エサ以外に必要なもの」が夜釣りにはけっこうあるのだ。

1.夜釣りの友!
ライトも電池も予備をお忘れなく

当たり前の話だが夜釣りに欠かせないのがライト類だ。仕掛やエサのセット時に手元を照らすだけでなく、釣り座、足下の確認、釣り上げた魚の確認など、ライト類の出番は間違いなく多い。手元のライトなしで作業が可能な明るい常夜灯がある釣り場でも、時間がくれば消灯してしまうかもしれないし、夕方釣り場にアクセスするときは明るくても深夜の帰路は真っ暗闇という事態もないとは限らない。釣り中、ほとんどライト不要の釣り場でも必ずライトは忍ばせておこう。

01 夜釣りシーン
あらためていうまでもなくライト類は夜釣りの必需品
02 夜釣りシーン(常夜灯)
常夜灯がある場合でも往復のアクセス路は真っ暗かもしれない……

釣りに便利な身につけるタイプとしては古くからポピュラーなヘッドライト式のほか、キャップのツバやポケットに挟んで使用するクリップ式、さらには首にぶら下げるペンダント式、チェスト式など、現在はさまざまなタイプが選べる。また、いわゆる懐中電灯という昔ながらのハンディータイプやキャンプなどでよく見かけるランタンなど、自分の釣りスタイルに合ったものを選べばいいだろう。

03a ヘッドライト
03b ランタン
頭部に付けるヘッドライト式、首にかけるチェスト式など好みのものを選ぼう。荷物の横にランタンを置けば目印にもなる
04 チェストタイプ
チェスト式は頭の圧迫感がなく快適と人気が高い
05 クリップタイプ
最近は少なくなった? キャップのツバに挟むタイプのクリップ式

いずれを選ぶにしてもライトは1台だけだと心許ないので、必ず予備のライトを釣り場には持参しよう。同タイプのものでも別タイプのものでも、ライトが2台あれば安心だ。ふとしたことでライトを落としてしまったり、故障したり……。

いまでこそ長寿命のLEDが主流になったが、豆電球を使っていた時代は「球切れ」とということも珍しくなかった。昔のヘッドライトのなかには予備の豆電球が付いたものまであったぐらいだ。そういう意味では予備の乾電池も忘れずに。近年はUSBで充電できるタイプも登場しているので、スマホ用モバイルバッテリーを釣り場に持ち込むのもよいだろう。

06 予備の乾電池は忘れずに
予備の乾電池も忘れずに!

2.夏とはいえ夜間は意外に冷える
ウインドブレーカーやレインウェアを活用しよう

夜釣りは夏場がメインの釣りだが、夏とはいえ夜間は「涼しい」を通り越して「肌寒い」ことだってある。とくに初夏や初秋のころ、日中は気温が30℃を超える夏日でも夜半になるとTシャツ1枚では寒くて耐えられない……ということも珍しくないのだ。そのためにもサッと羽織れるウインドブレーカーなど上着を持参しておけば安心だ。できればレインウェアの上下を持参しておくとなお安心。突然の雨でも体温を奪われることがない。

秋も深まり11月ともなれば夜間は防寒着がほしくなるほど寒い日もある。冷え込みかたは地方でさまざまなので、それぞれのエリアで差はあるが、たとえば大阪湾の場合だと、中秋以降はウインドブレーカーもしくはレインウェアのほか、薄手のライトダウンジャケットがあれば万全だ。

07 夜釣りは寒い
秋も深まれば夜間は真冬並みの寒さ。防寒対策は忘れずに。真夏でも薄手のウインドブレーカーを持参しよう

3.耳元の羽音だけでも釣りに集中できない!
夜釣り最大の敵は蚊!

夜釣り最大の敵はだろう。耳元でプ~ンとやられると、もう釣りどころではない!? 不快なうえに釣りに集中できないので、当然釣果も……。ということで防蚊対策は必須だ。多くは夏場の話だが、地方、釣り場によっては春や秋も蚊に手を焼くことがある。

対策としてはまず防虫スプレー。ドラッグストアで各種、かんたんに手に入る。頭部に直接スプレーする場合は目に入るのを避けるため、一旦手の平に取ってから塗り付けるのがよいかもしれない。

08 防虫スプレー
あれば安心! 防虫スプレー。ドラッグストアでお好みのものを!

蚊取り線香も役に立つ。煙が風に流されて効き目は疑問? しかし風がある日は蚊も風に飛ばされるので、それほど気にならないことが多い。昔ながらに火を付ける渦巻き型、電子式など各種あるが風のない日限定でよいかもしれない。また超音波を利用した防虫器、ブレスレット式の防虫グッズ、防虫機能があるウェアなど、さまざまなものがあるので試してみるといいだろう。

09 蚊取り線香
おなじみの蚊取り線香。風の強い日は効き目がないが蚊も風に流されるので気にならない

いずれにしても蚊を100%防ぐことはできないかもしれないが、防蚊対策はするに越したことがない。

10 防蚊ウェアY1438(廃番)
11 防蚊ウェアY1438(廃番)
生地に蚊が嫌う成分を配合したウェアもあれば心強い
※写真の商品はすでにお取り扱いしておりません。参考までに掲載しております

4.救命具は必携!できれば固型式
きっちり正しく着用するべし!

そして最後に、昼夜問わず絶対に忘れてはいけないのがライフジャケット、救命具だ。自動膨張式、固型式と各種あるが、最低でもどれかひとつは準備、持参、釣り場では必ず正しく着用してほしい。とくに人が少なく暗い夜間は落水しても誰にも気付いてもらえない場合がある。

おすすめは磯用かゲームフィッシング用で浮力材が入った固型式だ。自動膨張式はボンベが古くなると期待通りに作動しない場合もある。手動で作動させることも可能だが落水時にテトラや岩で頭を打ち気を失ってしまった場合は、それも不可能。とくに夜間が肌寒い季節は固型式のライフベストが防寒にも一役買うのでありがたい。ポケットに仕掛類などを収納しておけば荷物も少なくてすみ、バッグ内の小物をごそごそ探すよりも能率的。釣果アップにもつながるだろう。

12 自動膨張式ライフジャケット
13 固型式ライフベスト
救命具は必着! 自動膨張式でもかまわないが、より安全なのは浮力材が入った固型式(写真右)