ハイシーズンを迎えている「渓流釣り」。一見ハードルが高そうな釣りジャンルですが、夏にぴったりなライトスタイルで、美しい渓流魚に逢いに行きませんか? 今回のテーマは好きな服装、装備で楽しむ渓流ルアーフィッシングの提案です!
沢登りが必要になる源流や流れが強い本流ではなく、比較的流れが弱く足場もよい、いわゆる「里川」で着こなせる装備。それがライトスタイル! 実際にどんなアイテムを揃えたらよいか、ポイントを押さえながら、私なりに紹介させていただきます!
釣りにおける「ライトスタイル」とは?
みなさんは「ボーダーレス」や「フリースタイル」という言葉を聞いたことはありますか? ボーダーレスは「境界線のない」、フリースタイルは「自由な」などと意味付けされており、近年ファッションやスポーツなど、さまざまな場面で耳にすることが増えた言葉だと思います。釣り全般においても同様に、「ライトスタイル」と呼ばれる「より快適に、手軽に、身軽に」というコンセプトで釣りを楽しむスタイルがあるのですが、ご存知でしょうか?
渓流での釣りというと「装備を揃えるのが大変そう…」「格好がちょっと…」と思われる方もいるのではないかと思います。渓流ルアーフィッシングでもポイントをしっかりと押さえ、正しく着こなすことができれば、ライトスタイルに楽しむことが可能なのです!
ポイントは3つ
「足元」「快適さ」「熱中症対策」
ポイントは大きく3つ。まずは「足元」です。
里川という穏やかな川であっても川の中には石や岩など障害物も多く、裸足で歩こうもんなら……、想像しただけで痛くなってきますね。また、当然ながら陸地を歩くこともあります。木々や植物のトゲ、草むらに入ればヘビなんかと遭遇することも多々。足元はしっかりと固めることをオススメします! 川の中の石や岩はコケや藻で滑りますので、転倒防止のためにも専用シューズを選びましょう!
シューズには「フェルト付きのシューズ(タビ)」と「ラバーソールシューズ(ゴム底)」の2種類があります。釣り場にもよりますが、基本的にはフェルト付きシューズをオススメします。フェルトは川底でも滑りにくく、踏ん張りが利くからです。一方でラバーソールはフェルトに比べ滑りやすいのですが、山林など陸地を歩くシーンが多いときにはグリップ性能に優れ、耐久性もあるため向いているといえます。
そして、シューズは足首までしっかりとカバーしましょう。怪我だけでなく、砂や小石の侵入を防ぐことができます!
次のポイントは「快適さ」です。
渓流ではウェーダーを身に付けることもありますが夏場は蒸れやすく、決して快適とはいえません(水温の低い初期の着用をオススメします)。また、ゴワゴワ感があり、軽快に動きたくてもどうしても動きが制限されてしまいます。
快適さを求めるなら、「ハーフパンツ+アンダータイツ」の組み合わせがオススメ! 私は速乾性に優れたFREEKNOT(フリーノット)「UV ライトストレッチショートパンツ」とストレッチを効かせた、同「UV レイヤードアンダータイツ」を着用しています。まるでスポーツをするときのような服装ですが、申し分ない動きやすさと涼しさ…まさに「快適さ」をフルで体感できるスタイルなのです。この格好であれば、そのまま車に乗り込んでポイント移動もできるので楽チンですね!
最近は、アンダータイツと膝や脛(すね)を守るプロテクターが一体になった「プロテクトタイツ」も各メーカーから出ていますので、そちらもオススメです!
最後は「熱中症対策」です。
「渓流だから涼しい」とお思いの方、要注意です! 夏場となれば日が昇るのも早く、気温もどんどん上がっていきます。朝と夕方は快適さを保てても、日中ともなると汗をかき、体力も奪われてしまいます。そうなると熱中症にかかるリスクも増えてしまいますよね。
私のオススメの着こなしは「Tシャツ+冷感ウェア」です! 冷感ウェアに関して、私はFREEKNOT「HYOON EX アームカバー」を着用しているのですが、特殊冷感プリントを採用しているので常にヒンヤリ、さらに水を含むとヒンヤリ度UP! という優れものです。あとはお好きなデザインのTシャツを合わせるだけ! また紫外線が気になる場合にはUVカットウェアを着用するのもオススメです。
ちなみに、長袖の冷感ウェアであれば不快な虫(蚊や虻など)からの攻撃も防ぐことができますし、日焼けを気にすることなく釣りにも集中できます。
また、直射日光から頭を守る「キャップ(ハット)」も身につけましょう!
「帽子を被るだけで頭の温度が10℃も違う」という驚きの話を聞いたことがあります。こちらも熱中症対策には必須のアイテムですね。
釣行時にあったら便利な、その他アイテム!
せっかくなので、釣行時にあると便利なアイテムも紹介します!
まずはレインウェア。
雨で濡れるのを防ぐとともに、体温の維持にも役立ちます。長引く梅雨や、雨天時の釣行が多いときには必須アイテムですね。また、夏場は天気が急変することも多く、気温の変化もあるので持っておくとよいでしょう。私はFREEKNOT「NITENGO アノラック」を持ち歩いています。
レインウェアは撥水性に優れ、軽く、コンパクトなものがオススメです。近年は釣具メーカーやアウトドア用品メーカーから、機能性やデザイン性に優れたレインウェアが多数発売されているので、ライトスタイルに合わせられる、自分好みのレインウェアを揃えてみてください!
次はアイウェア(サングラス)です。
サングラスは水中の魚の居場所や川の深さを見るためにも、偏光レンズが入ったものをオススメします。また、ルアーが魚からハズレて飛んでくる場合や、歩く際に木の枝などの障害物から目を守る意味でも着用しておくと安全です。
偏光サングラスというと高価なイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、最近では比較的リーズナブルな価格で購入することができますし、デザインもお洒落なものが増えていますよ!
今回は、好きな服装、装備で楽しむ渓流ルアーフィッシングを提案してみましたが、いかがでしたか? 渓流での釣りに対する格好や装備について、イメージが変わったのではないでしょうか。
渓流ルアーフィッシングにおけるライトスタイルのポイントさえ抑えていただければ、「より快適に、手軽に、身軽に」釣りを楽しむことができます。また、このスタイルなら装備を揃えることも容易ですし、「カッコよさ」や「可愛さ」も実現できるはず!
ライトスタイルは決して「型」が決まっているわけではありません。ブランドや色合い、機能性、デザインなど、自由に選択できるのも魅力。シーズンは終盤に差し掛かっていますが、ライトスタイルで快適に、そしてファッショナブルに! 残暑厳しい日々を渓流ルアーフィッシングで楽しんでみてはいかがですか?
レポーターREPORTER
1998年岐阜県生まれ /岐阜県在住
「海なし県」育ちということもあり河川で釣りを覚え、渓流ルアーフィッシングや鮎の友釣りをメインに釣りを楽しむ。釣具メーカー・ハヤブサに勤務し、最近は堤防・磯釣り・船釣り、SWルアーフィッシングなどに触れながら、日々勉強中。