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釣りに出かけようと思えば、竿やリール、糸、エサ、ルアーなどなど、何かとお金がかかるイメージはぬぐえません…。確かに、それなりの道具をそろえて快適に楽しもうと思えば、最低限の装備が必要ですし、やり込んでいけば、高価な道具も欲しくなる。
しかし遊びと思えば、それなりの工夫とアイデアで楽しめるのでは? そんな原点回帰的な発想で考えた無謀な(?)企画。できるだけお金を掛けずに1日を遊んでみる企画のスタートです!
今回のお題は「タックル0円」でテナガエビ!
さてさて0円で何が狙えるのか? 編集スタッフで、「あーでもない、こーでもない…」とアイデアを出し合い考えました。そして決まった今回のお題は「テナガエビ釣り」。身近な河川で狙えるので交通費が少なくて済むうえ、エサやタックルは現地調達、または身の回りのもので代用できるのでは? と考えたのがその理由です。
全くの「0円」を限りなく追及したいところですが、何かと不自由もあるため、今回は「タックル0円」を目指して頑張ってみることに。ついでに、テナガエビ釣りに詳しい人に指南をあおいだ方が、何かと挑戦しやすいのではないか? と、やや他力本願で、あの方にご協力いただくことにしました!
街中からのアクセスが抜群!都会を流れる淀川が舞台
ご協力を(無理やり…!?)お願いしたのは、当サイトでもお世話になっており、「イノォさん」の愛称でお馴染みの井上隆史さん。私スタッフDと同じく昭和の団塊ジュニア世代とあって、いろいろと無理をお願いしやすい…、というよこしまな思い(?)で依頼しました。というのは冗談です(笑)。
イノォさんは、以前にもご自身の記事でテナガエビ釣りを取り上げてくださり、時期になれば、どっぷりとテナガエビ釣りにハマっているアングラーさん。これが本当の理由です。きっと今回は強力な助っ人となってくれること間違いなしです。
そんなイノォさんとテナガエビ釣りの舞台に選んだのは、大阪の中心部を流れる一級河川「淀川」。
上流から、大阪モノレール、大阪メトロ、JR、阪急電鉄、阪神電鉄と、幾多もの交通機関が川をまたぎ、高層ビル群と河川敷や川といった自然とのコントラストが、不思議な光景を生み出している、まさに大都会の川。交通網に恵まれているためアクセスもよく。しかも、比較的足場も安全で水辺までアプローチしやすいんです。
イノォさん曰く、「なだらかな水際にはゴロタ石が多くあり、すぐ足元でテナガエビを狙うことができます。お子さんでも安心して水辺の生き物と触れることができる、よい環境だと思いますよ!」と太鼓判を押す、水辺遊びエリアなのだとか。
まずはエサの確保からスタート
取材当日、イノォさんのホームグラウンドである、阪神電鉄・姫島駅そばの河川敷で企画スタートです。この日の潮は大潮とあって、淀川も時間によって大きく水位が変わるとのこと。テナガエビも水位の変化で釣りやすさや居着く場所が変わるそうです。干潮の潮止まりが13:40ということで、その前後を釣りの時間にあてるべく、午前9時過ぎからエサの確保に取り掛かりました。
テナガエビのエサとして当てにしていたのは、シジミとミミズ。ここ淀川では、岸際の砂地でシジミが採れるそうです(知らなかった!?)。ただし近年、貝毒が認められたとのことで食用には向きません…。しかし、テナガエビ釣りのエサとしては使えるのでは? と考え、まずはシジミ探しから始めました。
水位が徐々に下がっていくとともに現れる川底。その砂泥から頭をちょっと出しているものや、ちょこんと転がっているシジミを探します。するとイノォさんは慣れたもので、川底が現れる前からあっさりとシジミをゲット! エサ1種類目を無難に確保してくれ、まずは一安心です。
「エサ楽勝!!」 シジミ採りついでに、水際に生息するスジエビやタニシ、ヌマチチブを観察。ひと段落したところで、意気揚々と2種類目のミミズを探しに、河川敷の草むらをスコップ片手に出かけました。狙い目は、ほどほどに湿り気のある場所。雑草や木の根元を軽くスコップで掘りながら、ミミズを探していきます。ところが……、まさかのミミズがいない!?
思い当たるところを掘って探してみるのですが、いっこうにミミズが出てきてくれません…。というか、思いのほか土が硬く締まっていて、乾燥気味なのです。イノォさんと照り付ける太陽のもと、かなりの時間をかけて探しましたが、見つけることができず。一番当てにしていたミミズ探しを断念せざるを得ませんでした。
当てがハズレてイノォさんと相談した結果、「もうちょっとシジミを足しときましょうか…」と水辺に戻る2人。何の気なしに掘り起こした砂泥のなかに、気になるモノが…。「んんん!? これなんですかね~?」「あっ! それバチちゃいますか?」
時期とタイミングがたまたまよかったのか、シーバス釣りやメバリングでお馴染み、バチ(ゴカイ類の総称)と思われる生き物を大量に発見!! 「これ絶対いけるでしょっ!」ということで、慌てて手あたり次第掘り起こし、両手を泥だらけにしながら確保したのでした。
タックル準備、用意したのはコチラ!
現場で試行錯誤のDIY
無事にエサを0円で確保でき満足。休憩を兼ねて、駅周辺の定食屋さんで昼食をいただきます。
この日は、日陰は涼しいものの、日なたは真夏のような日差し。お店の中のクーラーが助かりました~。
昼食を終えて現場に戻ってきたら、今度は釣り道具の準備です。
河川敷を歩いて使えそうなものを拾います。そして見つけたのは竹。きっと落ちているだろうと予想していましたが、やはりありました。シンプルな竿づくりにはうってつけです。他に必要なのは糸とオモリとハリですが、オモリはその辺に転がっている小石で代用。糸とハリはさすがにないと考え、自宅から裁縫用の縫い糸とホッチキスのハリを用意してきていました。
拾った竹は、余計な枝や突起部分をナイフで切り落とし、適当な長さ(60~80cm)に整えます。そして、即席竹竿の先端に縫い糸を結び付け、竿と同じ長さか少し長いくらいに糸をそろえました。さらに、オモリとなる小石を糸に結び付けようとしたのですが……、これがなかなか難しくうまくいきません。オモリらしい丸い石はツルツル滑って結べない…。そこで、角ばった石を選んで結んだのですが安定感が悪いため、最終的には持参したビニールテープで落ちないように、結んだ縫い糸の上から補強しました。時間がかかった割に少々不格好ですが、一件落着です。
そして仕上げは、「コの字」になったホッチキスのハリの片側を折り曲げ、縫い糸に結んだうえ、反対側をハリの先端に見立てて、「レの字」に角度を調整し完了!! 手作りテナガエビ釣りタックルができあがりました。