手持ちタックルが即戦力!目指せ!マルチアングラー No.10 キャストに疲れたら!? 疲れる前に!?
ショアジギやワインドなどソルトルアータックルで
青物のノマセ釣りはいかが?

タックルと仕掛
基本は遊動式のウキ釣り
条件次第でハリスとハリ1本だけの釣りもあり

ワインドタックル エギングタックル シーバスタックル
ライトショアジギングタックルはもちろんタチウオ用のワインドタックル、エギングタックル、シーバスタックルなどでもノマセ釣りは可能

一般的なノマセ釣りの場合、磯竿を使うことが多いわけだがツバス、ハマチまでのライト級限定なら磯竿1.5~2号に道糸、ハリスとも3号までで充分。ミドル級のメジロで磯竿2.5~3号に道糸、ハリス4~6号というのが標準。これをルアータックルに置き換えるとハマチまでならPEライン0.8~1号にフロロリーダー10~12lb、メジロでPEライン1~2号、フロロリーダー20~22lbぐらいだろう。タチウオで使用するワインドタックルならハマチクラスは充分だ。もちろん本格的なショアジギングタックルなら当然メジロ、ブリも問題ない。

基本は遊動ウキ仕掛だ。使用するウキはトラブルが少ない中通し式でオモリ負荷1号前後の自立式。オモリが内蔵されていない非自立式でもOKだがルアーロッドでの遠投が厳しい。ナイロン道糸の場合、ハリスを1ヒロとれば充分だが、ウキ止めをセットする必要上、PEラインの場合はリーダーを3~4ヒロと長くとる。ハリは伊勢尼、グレバリなら10号程度、チヌバリなら4号ぐらいが標準。1本バリでもかまわないがハリを結んだ余り糸に少し小さめのハリを結んだ孫バリ式にするとキャッチ率がアップする。ルアーでいうアシストフックだ。ただ、生きたアジをセットするので孫バリ式よりもシンプルな1本バリのほうがアジへの負担が少なく泳ぎはよい。

中通し式のウキ
中通し式のウキがトラブルが少なく釣りやすい。オモリ負荷1号前後のものでオモリ内蔵で重い自立式が投げやすくおすすめ
孫バリ仕掛
孫バリ仕掛。親バリを結んだ余り糸に孫バリを結ぶ。親バリをアジに掛けて孫バリを垂らしておくだけ。ルアーのアシストフックと思えばよい

防波堤先端など、足下から潮が沖に出て行く場合はウキなしのライン・リーダー・ハリ1本という超シンプルな仕掛でもOK。余分なパーツがないので、それだけエサのアジが自由に泳げ青物へのアピール力がアップ。ただし自由すぎるため思わぬところへ泳いでいき根掛かり、というリスクもあるのでウキなしの場合は投入後の仕掛管理、ラインメンディングがウキ仕掛以上に欠かせない。

ノマセタックル

釣り方
潮まかせエサのアジまかせ……!?
では、ちょっと困ります

エサのアジは背掛けか鼻掛けにする。背掛けは背ビレのすぐ前あたり。アジの泳ぎはよく深く潜ってくれるのが特徴。ただ仕掛回収時、アジの背中に水圧を受けるので弱りやすい。鼻掛けは2つ並んだ鼻孔を通す。背掛けにくらべて泳ぎや潜りでは劣るが弱りは遅いのでアジのストック量や元気さで使い分けてもよい。また、アジの泳ぎ方が変わるので一方でアタリが出ない場合、刺し方を変えることでアタリが出ることがある。

背掛け
鼻掛け
生き餌用ネット
エサのアジは背掛けもしくは鼻掛けにする。容器内のアジは生き餌用ネットなどで優しくすくうこと

いずれにしてもアジをセットしたら沖に仕掛を投入。もっともヒット率が高いのがエサのアジが着水した瞬間だ。ポチャンと落ちた瞬間にラインが走っていくことがある。とはいっても、すぐにアタリが出ないことも多い。潮に乗せて仕掛を流しアタリを待つわけだが、流しっぱなしはよくない。ときおり流れる仕掛にブレーキをかけたり、少し引き戻したり、軽くしゃくってアジに刺激を与えたりと誘いをかけることが大切。また潮の流れがない時はアジが泳いで手前に戻ってきたり。とにかく潮まかせ、アジまかせにしないこと。左右に他の釣り人がいる場合はオマツリの原因になるのでなおさらだ。しばらく流してアタリがない場合は、どんどん新しい元気なアジに交換すること。弱って潜らなくなったアジではめったに釣れないと思ってよい。

アタリはウキで取らずにラインの走りで取る。常時、リールはベールオープンで軽く指先を当てておく。シュルシュルシュルとラインが猛スピードで走り出しても、すぐにアワセを入れてはいけない。慌てずしばらく走らせ充分すぎるぐらい食い込ませてからイトフケを取り大アワセ。早アワセはすっぽ抜けの元だ。そう、アジを丸飲みさせる釣りが「ノマセ釣り」なのだから。

リール
ウキを流してアタリを待つ間はリールのベールは常時オープン。指先を軽く当てておき突然のアタリに備える
釣り
小型のツバスなら抜き上げてもよいが、できれば無理せずタモですくうこと

青物が掛かってからは強引に引き寄せ素早く取り込もう。ツバスクラスなら抜き上げてもよいが、ハマチ以上はタモですくうのが無難だ。以上のようにノマセ釣りはルアーとはまた違った、ルアーにはない駆け引きが実に面白い。この秋はぜひお試しあれ。