猛暑もようやく一段落、海水温はまだまだ高いが釣りものがどんどん賑やかになってくる初秋。朝夕マズメに夜間はタチウオが最盛期を迎えているが、日中は青物狙いがアツい時期でもある。そこでオススメなのが日が高い時間帯のノマセ釣り。もちろんタチウオ用のワインドタックルやショアジギングタックルでメタルジグを投げて青物を釣ることが可能だが、まだまだ暑い日中は体力温存!? ルアータックルを流用して、のんびりじっくりエサの小アジを泳がせよう。
ターゲット
メインはツバスにハマチにメジロ
運がよければカンパチの若魚シオも!
たとえば大阪湾周辺では近年、初夏から80cmオーバーのブリクラスが回遊しルアーマンを熱くさせることは珍しくないが、やはり本格的な青物シーズンと呼べるのはお盆を過ぎてから。ブリの若魚である30cmまでのツバスが回遊し始め、秋の深まりとともに60cmまでのハマチクラス、60~80cmのメジロクラスが湾岸各所で釣れるようになる。メタルジグを遠投しジャークをおりまぜた早巻きでハードに釣るのも楽しいが、生きた小アジを泳がせて突然のアタリを待つのもスリリング。
ターゲットは成長とともにツバス・ハマチ・メジロと呼び名が変わるブリがメインだが、運がよければカンパチの若魚であるシオ(大阪湾では20~30cmがメインで大ききくて40cm)もヒットするしサワラの若魚であるサゴシも小アジに食らい付いてくる。また釣り場にもよるが砂底ならマゴチやヒラメの可能性もなくはない。
ポイント
潮通しがよく水深があること
防波堤沖側や沖一文字などがベター
釣り場、ポイントは青物が回遊するところというのが当然の話だが、特に多くの回遊が期待できるのは同じ防波堤でも先端部や曲がり角、港内よりも沖(外)向き。さらに渡船利用の一文字(沖堤防)など潮通しがよいところだ。もしくはベイトの小アジやイワシなどが群れている場所。磯では海底が丸見え、足下の浅いところへも青物がベイトを求めて突っ込んでくることも珍しくないが、防波堤ならできるだけ水深があるほうが期待大。
潮流はガンガンに流れているところよりも潮目やヨレができていたり反転しているところがよい。流れの脇にできるそういった場所には青物のベイトになる小魚が集まっていることが多いからだ。大阪湾では希だが磯のヒラマサでは特にこの傾向が顕著。本流が流れ、いかにも釣れそうな磯の先端よりも、その手前の流れの淀みで食ってくることが実に多いのだ。
エサ
現地調達した10~15cmの小アジが一番!
ハリ数が少ないサビキ仕掛で
エサは10~15cmぐらいの小アジがベストだ。10cmに満たない豆アジだと泳力がなく弱りも早いためアピール力に乏しい。逆に大きすぎるエサは本命の口に入りにくい。ブリクラスをねらうなら20cmもあるアジでもよいが、ツバスやハマチにはちょっと……。まったく釣れないワケではないが口に入りにくいエサはハリ掛かりしにくいものである。
とにかくノマセ釣りは元気なエサが一番。できれば小アジを現地調達するのが望ましい。防波堤の港内向きで小アジを釣り、それをエサに沖向きノマセ釣りという光景がよく見られる。小アジを釣るのはアミエビをマキエにしてサビキ釣り。釣り上げた小アジは海水をたっぷり入れた容器にエアポンプをしっかり利かせ生かしておく。ただし、あまり多くを入れすぎないこと。できれば大半をネット状の容器に移し海中に吊しておくのが理想だ。
釣り上げた小アジは元気なまま生かしておきたいので直接手でつかみハリを外すのはよろしくない。手づかみすると非常に弱るのが早いのだ。簡単なのはカギ状のハリ外しツール。ハリスにツールを引っ掛けてアジの口元までスライドさせるとテコの原理で簡単にハリが外れる。容器の上で作業しポチャンと落とすだけ。容器の上に針金をピンと張っておき、そこにハリスを掛けてスライドさせるのも方法。ツールがない場合はアジはつかまずハリのチモトだけを摘んでクリンと返せば外れてくれる。どうしてもアジをつかなければハリが外れない場合は濡れタオルを利用しよう。
という理由で使用するサビキ仕掛はハリ数が多いほど面倒だ。5尾も6尾も一度に掛かると1尾、2尾と外している間に残りが地面に落ちてしまう。地面に落としたアジは確実に弱るのが早いのでエサには向かない。できればハリ数2、3本の仕掛で少数ずつ釣っては容器に入れるのがベスト。ハリ数が多い仕掛しかない場合は、長い仕掛を半分、3分の1に切って使うのも方法だ。
また現地でエサのアジが釣れない場合はスズメダイや小イサギなど他の小魚でもOK。アジほど青物の食いはよくないが可能性はゼロではない。現地でアジが釣れないことが分かっている場合はエサ店で購入してから釣り場に出よう。現地調達のアジの元気さにはかなわないが、エサなしでがっかりするよりはマシ。また朝イチの時合いなどエサ調達のタイムロスをなくす方法としても有効だ。