低水温でバスはシーズンオフ、ソルトルアーのアジにメバルも厳しい真冬から春先の寒~い時期。手持ちのバスロッドやライトゲームタックルを利用してアツくなれる釣りを発見! それが淡水の管理釣り場、いわゆる「エリアトラウト」だ。もともと低水温に強いマス類だし放流釣り場なので魚が釣れるのは間違いなし! というワケで、そんなアングラーの皆さんの道しるべになればと、HEATスタッフが実際に釣り場に出てニジマスを釣ってみた!
タックル準備
胴に乗るウルトラライトロッドにナイロン極細ラインが理想
ルアーのスプーンは1.5g前後が色違いで10個ほどあれば……
とにかく手持ちのタックルで他ジャンルの釣りにチャレンジしてエンジョイしようというのが、このコーナーの主旨だから細かい部分は気にしたくないものの、ある程度の目安はお伝えしておこう。まずエリアトラウト用のロッドというのは6:4の胴調子がレギュラーなのでバスロッドもライトソルトロッドも、できればウルトラライトクラスがベター。ファーストテーパーの掛け調子よりも柔軟な乗せ掛け調子がいいだろう。長さは6f前後あればOKだ。リールは小型のスピニングで2000番以下がマッチする。アジングやメバリングでもメイン使用する大きさだ。
ラインに関しては、しなやかで伸びがあるナイロンが本来おすすめなのだがフロロでもPEでも釣りはできる。ただし今回のような厳寒期は、もともと硬く張りがあるフロロだと、冷えてさらに硬くなってしまう。またフロロはナイロンよりも伸びが少なく、ルアーを口にした魚に違和感を与えやすい。伸びがほとんどないPEも、同じ意味で本来はよろしくない……というのがエリアトラウトでの一般的な考え方。ラインの太さは、いずれにしても1gのスプーンを投げるなら1lb、2gなら2lbというのが目安とされている。バス用リールに巻いているフロロが太い場合はロッドの強さも考慮して3lbぐらいに巻き替えておけば大丈夫だ。アジングやメバリングで使用しているフロロ4lbならそのままでOK PE0.2~0.3号ならナイロンリーダー6lbを1mほど接続しておく。
ルアーだけはトラウト用のスプーンを準備しよう。ウェイトは釣れる魚の大きさで選ぶのが基本。30cm前後の魚がメインなら1.5gが目安だが、ポイントが深かったり風が強かったり、釣り場が広く遠投の必要がある場合も考えて少し重めのものも準備。カラーは派手なもの地味なもの、表面が反射するもの反射しないものなど、相反する要素を取り混ぜて10パターンぐらいあればOKだ。スプーンには回転するローリングタイプ、お尻を大きく振るウォブリングタイプがあり、今回のような低水温期はヒットレンジが底近くと考えて浮き上がりにくいローリングタイプがよいかも。ただ最近はローリングとウォブルを融合したウォブンロールタイプも多いので、それならまずは無難だろう。魚の反応をみて、こまめにスプーンを交換するほうがよいのでラインやリーダー先端部にスナップが欠かせない。
釣り場へGO!
神戸・大阪から近い「北田原ます釣り場」へ
といったことを踏まえつつ? 2月14日にHEATスタッフDとCが向かったのは兵庫県猪名川町にある北田原ます釣り場。午前7時過ぎに現地到着。神戸市内や大阪市内から1時間ほどの距離、手軽な釣り場なのだが今年の寒波は半端じゃない。早朝の気温は何と-7℃! 途中の池も凍っていたし……。「こんな寒い日に誰も釣りしないでしょ。もしや、貸し切り?」などという考えは甘かった。お客さん多数。特にルアー・フライ専用区には、ぎっしりとアングラーが並んでいた。
数m四方に区切られたエサ釣り専用区の上流部にある広いオープンエリアがルアー・フライ専用区。途中に堰堤がありスタッフD&Cは人がまだ少ない堰堤の上流へ。さっそく釣りの準備にかかる。スタッフDはバスロッドにフロロライン。スタッフCはアジングロッドにPEライン+ナイロンリーダーを使用。スプーンはともに1.5gだ。
最初はオレンジ、イエローなど派手なカラーをチョイスした。タックル準備を終えたタイミングで朝の定時放流。さあ釣るぞ!
マジで寒い。東側に小高い茂みがあるため夜が明けても日が当たらない。流れが緩い岸辺の水面には薄氷が張っている。とにかくキャスト開始!しかし2、3回投げるとトラブル発生。「あれ?ラインが出ない。ルアーが飛ばない。ん?」とスタッフDがロッドの先端を確認すると、何とトップガイドのリングが凍り付いている。特に水を含みやすいPEラインを使用しているスタッフCのトップガイドがやばい。キャストごとにリングの氷を取らなければいけなかったのだ。
釣り方のヒント
ショートバイトには張らず緩めずのリトリーブで
「こんな寒い日に釣れるの?」という不安をよそに、すぐ隣で釣っていた人にヒット。かなりデカイ! 60cmクラスのニジマス。ここでは最大級だ。聞けば大阪から毎週のように通っておられて、メインはフライなのだそう。ちなみにルアーで使用しているロッドはグラス製の柔軟調子。ラインもナイロンのようだ。スプーンは我々と同じ1.5gだが、ラメは入っているがダークブラウン系の地味目カラー。ロッドを水平に構えスローリトリーブ。できるだけボトムからスプーンを浮き上がらせないのがコツらしい。アタリは張らず緩めずにリトリーブするラインの動きで取るようだ。ラインをパンパンに張って引くとアタリがあっても食い込んでくれないのだろう。
午前9時を過ぎてようやく河原に日が差すようになってきた。徐々に川面も明るくなってきてニジマスの泳ぐ姿も確認できる。魚は間違いなくいるのだ。その証拠に、あちらこちらで、たまにだがロッドが曲がる。特にフライでのヒットが多いがスプーンでも釣れている。スタッフDにもCにもコツッとごく小さいアタリは出ているようだが、どれも超ショートバイトでフッキングまでには至らない。それでもスタッフDが2回ほどフッキングに成功したが瞬間アワセ切れ。バスロッドに伸びの少ないフロロラインの限界かも?
奥の手
北田原はルアータックルでエサ釣りOK!
お昼は持参したコンロでお湯を沸かしてカップラーメン。お腹を満たしてモチベーション回復! 冷えた身体も温まった! 午後の部はニジマス入れ食い! の、はずだったが午後2時半までノーバイト。常連さんによれば「こんな釣れない日は初めてです。水温が下がったのもありますし、何より午後からは水が白く濁ってしまってよくありません」ということで、最悪の日に釣行してしまったようだ。
そこで方向転換! まったく魚の顔を見ないままでは帰れないのでエサ釣り専用区に移動。管理事務所でたずねてみるとルアーロッドとリールでエサ釣りしてもかまわないとのこと。ただしウキ釣りに限るということで、管理事務所で小さなセルウキ、ウキゴム、エサのブドウムシを購入。スプーンのフックを外してリーダーに結び即席ウキ釣り仕掛の出来上がり。ウキ下は1mぐらい。ブドウムシを通し刺しにして、ひょいと投げ流れが反転するあたりでウキを止めて待っていると、クククッ~とウキが沈む。スタッフDもCも30~40cmのニジマスの引きを堪能して釣り場を後にした。
食いが厳しくても最後までルアーでマニアックに……といきたかったが、こういう楽しみ方もあり。ルアー、エサ関係なく大いに楽しまなくっちゃ!
釣り料金は丸1日が大人男性4000円、女性、子供は2500円。正午以降の入場なら大人男性2500円、女性、子供は2000円。すべての料金には500円分の河川愛護協力金が含まれる。営業は10月末~5月中頃。営業時間は午前7時~午後5時。ルアー・フライ、エサ釣りは、それぞれの専用区のみで可能。ワームなどソフトルアーの使用は禁止
北田原ます釣り場
住所:兵庫県川辺郡猪名川町北田原寺ノ前425-2
HP:http://www.masu.jp/