INDEX
- 1.11月、訪れたのは南国愛媛県
- (1)晩秋になぜ愛媛県?
- (2)ウネリと風を避けて場所をチョイス
- 2.二手に分かれて実釣スタート!
- (1)まだまだ海の中が温かい愛媛の海
- (2)各ポイントの釣況
- (3)意外!?晩秋のはずの海の中
- 3.釣れたのは結局…
- (1)小イカが多く見えた港内やシャロー
- (2)良型は時合をねらうか、じっくり探るか…どっち?
- 4.晩秋とはいえ、水温による
- 5.違和感なく抱かせるなら…
- ● 今回の重要ワンポイント

晩秋のエギングといえば、気温の低下とともに「やや深場の水深(シャロー隣接)」と「潮通し」がキモというのが定説です。警戒心の強い良型のイカは、無闇に動き回らず、エサを捕食しやすいタイミング(潮の動き)に効率よくエサを求めると思われるからです。しかし実際のトコロは……?
今回は、そんな晩秋のエギングの実のところを探るべく、水深のある堤防先端と浅い堤防根元やシャローに分かれて実釣検証してみるという企画。果たして、定説通りの結果となったのでしょうか???
1.11月、訪れたのは南国愛媛県

11月、検証のために訪れたのは、北は瀬戸内海、南は太平洋、そして西側には豊後水道といったあらゆる海域に面した、四国の南西部に位置する愛媛県。季節によってあらゆるターゲットがねらえる場所とあって人気のエリアです。
(1)晩秋になぜ愛媛県?
高水温を好むイカ(アオリイカ)にとって、水温低下は自身の生命に関わる問題。秋の水温低下とともに、外気温の影響を受けやすい浅場(シャロー)や湾奥から、水温の安定している深場や外洋側へと移動を始めます。この水温も関係していますが、イカが捕食するベイトも移動するため、それについて行くようなイメージです。

冬の訪れとともに北西風が強くなる時期ですが、愛媛県は地図でも確認できるように、四国地方のなかでも南西向きに位置しており、また、リアス式の地形を活かして、風を避けた釣り場選択がしやすい場所です。しかも、太平洋からの温かい潮が入り込みやすいため、1年を通じて水温が高く、真冬でもイカが生き延びることのできる水温環境。そんな理由から、今回愛媛県を選択しました。
(2)ウネリと風を避けて場所をチョイス
当日は、徐々に冬の訪れを感じさせる突風が吹くといった具合。海辺では立てないほどの強い北風が吹き付け、風裏となる南向きのポイントを選択しました。
とはいえ、南向きのポイントは太平洋側に面しているためウネリの影響を受けてしまい、外洋では釣りをしづらい状況でした。

北向きは北風が強過ぎる…、南向き(外洋)はウネリの影響で釣りがしづらい…。このようななか結局、南向きの外洋を避けた場所で釣りをすることにしました。
2.二手に分かれて実釣スタート

今回は検証のために、堤防などの1ポイントで釣りをする際、「水温が安定しているであろう堤防の先端(深場や沖側)」と「堤防根元のシャローや湾奥」といった二手に分かれて実釣。その実際のトコロを探ってみました。
(1)まだまだ海の中が温かい愛媛の海

時折り突風が吹くほどの強い風が吹いていたとはいえ、愛媛県はかなり暖かく、日差しが差せばやや汗ばむほどの日中。晩秋をイメージして訪れたのですが、何だか秋口のような印象に困惑…。
事前情報では、ポロポロではあるものの良型が上がっていたのですが、海の中はまだまだ夏から秋といったところ。深場や外洋側も水温が高く、イカよりも青物などのフィッシュイーターの姿を多く確認し、正直、良型イカの可能性を感じにくいといった状況でした。
また、ポロポロと見つけた見えイカは小振りで、シャロー側で見かけるといった具合。スミ跡から、堤防先端で目立った釣果がないようにも感じられました。
(2)各ポイントの釣況
そのようななか、実釣して分かった各ポイントの状況は次の通りです。

【堤防の先端】
外洋向きの先端は水深がかなり深く、場所によっては水深20m以上あることも。エギではやや底取りしづらく、少々手返しが悪いといった感じです。それでも潮は多少動いており期待しましたが、残念ながらイカが追ってくるようなことはなく、釣果を得ることはできませんでした。
青物がいたことも影響していたかと思います。

【堤防の中間部】
堤防の中間付近(深場とシャローの境)では、足下に小振りではあるもののイカの姿を10数杯確認することができました。エギをイカのそばにキャストするとすぐに反応して、2~3杯釣り上げることができるといった具合でした。

【堤防の根元】
外洋面や潮通しのよいポイントだけでなく、堤防根元のシャローにまで青物の姿が頻繁にみられました。お陰で、キャストしたエギをダートさせるとすぐに青物が反応するといった具合…。このような状況では、青物のエサになりやすいイカはさすがに反応してくれないと思われました。
しかし、夕方などのマズメ時には、シャローにエサを求めて回遊してくるイカの姿を数杯確認することができ、実際に良型を釣り上げることもできました。
(3)意外!?晩秋のはずの海の中
さまざまなことを考慮して、今回この愛媛エリアを選択しましたが、結果的にまだまだ水温が高く(恐らく22℃~23℃ほどあったかと思います)、イカよりも魚の方が活性が高いといった状況でした。しかも当日は、潮周り(潮汐)の影響からか堤防の先端(外洋面や沖側)でも潮の動きがほぼなく、イカの活性のスイッチが切り替わるタイミングをつかみづらいといった具合…。
結局、当初の目論見とは異なり「深場で良型が釣れる」といったこともなく、ただただ時間が過ぎていったのでした。
陸上では気温低下とともに季節の移り変わりを感じますが、海中では陸上と比べ季節の進行が遅く、場所にもよるとは思いますが、1~2ヵ月遅れで秋から冬へと移っていくのだと実感させられました。
