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釣りのイメージって、ウキのついた仕掛を投げて、プカプカ浮かぶウキを眺めながらのんびりとウキが沈むのを待つ…そんな暇なイメージを持っている方も多いと思います。そして何より嫌だと思われるのが、エサのニオイや魚のニオイ。手が臭くなったり、車が臭くなるなど、ネガティブなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?
ですが最近は便利なアイテムがいろいろとあり、それらを活用すれば、あまり汚れることなく釣りを行うことができます。しかも、一度釣りにハマってしまうと汚れなどどうでもよくなるほど面白いのが釣り。私は毎回釣りから帰ってくると、息子に「魚臭い…」と言われ、自分では気が付かないほどです(笑)!
今回は、釣りのなかでも「ウキふかせ釣り」を中心に、便利なアイテムを工夫して快適に楽しむ方法をご紹介します。
ウキふかせ釣りに必要な道具
まずは、一般的に磯で楽しむ「ウキふかせ釣り」に必要な道具を紹介したいと思います。
- (1)磯竿
- (2)リール
- (3)タモ(釣れた魚をすくう網)
- (4)ウキ
- (5)ハリス
- (6)釣りバリ
- (7)バッカン
- (8)柄シャク
- (9)マゼラー
- (10)水汲みバケツ
- (11)ハサミ
- (12)クーラーボックス
- (13)ロッドケース
- (14)フローティングベスト
- (15)磯靴
本格的に始めようとすると、どうしてもたくさんの道具が必要になってきてしまい、ウキふかせ釣りを始める前から諦める方もいるのではないでしょうか? 道具の面では、正直、始める前からハードルが高いと思われます。ですが、ここでひと工夫…。いろいろと販売されている“かんたん便利アイテム”を活用すれば、最低限な道具でも楽しめちゃうのです。

とはいえ、道具のなかには省けない大切なアイテムもあります。それが「フローティングベスト(救命胴衣)」と「磯靴」です。
私の住んでいる鹿児島県では、釣りによる死亡事故が年間少なからず発生しており、その多くにおいてフローティングベストや磯靴を着用していない…という、とても残念なニュースが流れています。自分の命を守るためにも、フローティングベストと磯靴の着用は絶対! 安全第一で釣りを楽しみましょう。
いろいろな意味でハードルは高いけど…アイテムで解決?
先ほど紹介した道具を使って釣りをした方が、ウキふかせ釣りは本格的で、釣果の面においても多少よいと思われます。ですが、最近では誰でも楽しめるように「コンパクトロッド カンタンウキ釣りセット 堤防用(ハヤブサ)」などの仕掛セットもあります。ウキふかせ釣り用の竿でなくても使え、手軽にウキ釣りを楽しめるようになりました。
そんな手軽にウキふかせ釣りを楽しむ場合に持っておいてほしい道具があります。
竿やリールは手持ちのものがあればそれを使用してもらって構いませんが、エギングロッド・チニングロッド・シーバスロッドなどがおすすめ。アジングロッドやジギングロッドだと、少し難しいかもしれません。そして、マキエを撒くためのバケツ(バッカン)と柄シャクも必要です。

マキエはウキふかせ釣りのなかで重要な要素の一つで、魚を集めるために必要です。また、飽き性な人や「釣りは暇だ…」と思っている人でも、マキエを撒くことで魚が寄ってきますので退屈することはありません。魚が寄ってきてくれれば、あとは魚のいる層(タナ)を探して釣るだけです。そんな作業も楽しみの一つとなります。
アイテムを増やすだけで片付けがかんたんに
マキエはとても大事なものなのですが、どうしても「オキアミのニオイが苦手」「片付けが面倒」「手が臭くなって嫌だ」などあると思います。それらを解消する便利なアイテム3点をご紹介します。
(1)まずは、釣研の「バッカンよごれんシート 5枚入り」!
バッカンの形をした厚手の袋なので、破れにくいうえにストレスなくマキエがすくえてバッカンがあまり汚れません。片付けが楽ちんです。よごれんシート専用の「クリップ」や「プレスボード」もセットで購入すれば、もっとストレスなく釣りができます。


(2)ニトリルゴム手袋!
プカプカするゴム手袋だとハリが引っ掛かることがあったり、エサが付けづらかったりと不便です。しかし、こちらの100円均一ショップなどにも売っているフィットする手袋なら作業がしやすい。しかも使い捨てなので片付けも楽ちんです。
(3)マルキューの「M.S.P(S)レッド」「ムギコーンスペシャル」
マキエはどうしてもニオイが気になる方も多いでしょう。しかもオキアミの場合は、前日から解凍しないと使えません。そんな方におすすめなのがこの2つの商品で、集魚剤に混ぜるだけでオキアミの代わりとなるスグレモノ。エサのニオイを気にせず使うことができます。チヌ釣りにはムギコーンスペシャルを、グレ釣りにはM.S.Pがおすすめです。

気持ちよく、安全に釣りを楽しむためのアイテム
最近多くの地域で、釣りが禁止になっている漁港や堤防が増えてきています。その理由として「堤防にゴミが散乱している」「マキエが散らかって流さずに帰っている」など、われわれ釣り人のマナーが悪いことも挙げられています。また、水難事故も理由の一つにあると思います。落水してしまったり、テトラポットの間に落下したなどの事故もあとを絶ちません。
そんなことが少なくなることを願って、持っておきたい便利なアイテムを紹介します。
(1)大きめのブラシ
マキエがこぼれて地面で固まると、海水で流してもなかなか落ちてくれません。しかも、洗い流すために海水を何度もすくうのは面倒ですが、ブラシがあれば軽く擦るだけで少量の海水で洗い流すことができます。
また、先ほど紹介したバッカンよごれんシートは、内側は汚れなくても外側は多少汚れることがあります。そんなときも現場でサッと擦って、キレイなまま家に持ち帰ることができるのでおすすめです。

(2)バッカンのサイドに付けられるシステムポーチ
釣りでは、エサの袋や自分のおやつ、そして、小さい糸くずなどのゴミが出てしまいます。ゴミを地面において最後に片付けようとしていたら、風で吹き飛ばされたり、小さなゴミで見えなくなってしまうことが多々ありました。システムポーチがあればクズ入れとしても利用できますし、飲み物を入れるなど、持っておくととても便利です。

(3)フローティングベストと磯靴
前述した通り、やはり安全第一で釣りを楽しんでほしいので、フローティングベストと磯靴は必須。多少高額でも自分の身を守るための大事なアイテムだと思います。
個人的に磯靴でおすすめなのは、シマノの「ジオロック」機能が付いている磯靴です。靴底の種類が容易に変更できるので、海苔が生えている磯ではスパイクに変更し、堤防などではゴム底のビブラムにも変更するなど、用途に合わせて使い分けが可能です。しかも、靴自体は使えるものの靴底のスパイクが先に消耗して使えなくなってしまった際にも、交換がかんたんでおすすめです。


ウキふかせ釣りの楽しさを味わってみて!
ウキふかせ釣りは、正直お手軽な釣りとはいえません。前日からエサの解凍が必要ですし、本格的にウキふかせ釣りをするのであれば、ほかの釣りの倍相当の道具と準備時間が必要です…。ですが一度のめり込んでしまえば、その労力も気にならず、すべてが楽しくなってくるのも事実。
たとえばマキエを作るにしても、時期や水温で集魚剤のブレンドなどを自分好みで変えて「冬は集魚力を強くして、深場まで届く重めの集魚剤にしてみよう!」などと、自分の作戦を反映するのも楽しみの一つ。また、最大の魅力はなんといっても魚との知恵比べ! 細くて長い竿をいっぱいに曲げて、魚とのやり取りを楽しめるのも楽しいところだと思います。

かんたんに楽しむウキふかせ釣りとはどんな釣なのか?
取り敢えず手早くチャレンジしてほしいので、おすすめは手持ちの竿とリールに、先ほど紹介した「コンパクトロッド カンタンウキ釣りセット 堤防用(ハヤブサ)」を結ぶだけの仕掛といった組み合わせです。
注意点としては「ドラグを緩めに設定」しておくことくらいです。こうしておけば、魚にラインを切られにくくなり対応しやすくなります。また、PEラインを使用している方はリーダーを付けると思うのですが、リーダーが短いとウキ止めを動かせる範囲が狭くなってしまうので、そもそもリーダーを設けないか、ナイロンリーダーを5m~10mほどと長めに付けておくと対応しやすいかと思います。
そして、タナの設定はウキ止めがしてくれますが、ウキに反応がなくエサを取られている場合はウキ止めを浅くしていき、それでもエサを取られるようであれば、仕掛を沖に遠投するのが基本です。また逆に、エサが取られない場合はウキ止めを深くしていけばOKです。
マキエも手軽にかんたんに!
マキエには基本的にオキアミをベースに、集魚剤・パン粉・米ぬかなどを入れてオキアミを飛ばしやすくしたり、ニオイで魚を寄せたり、沈下速度の違うペレットや色の違うペレットを混ぜ視覚的に魚を誘ったりと、魚の食い気をサポートし釣果を左右する大切な役割があります。
しかし、前述した通りニオイが気になる方は多いハズ…。ところが最近は集魚剤も優れていて、集魚剤単体で使用しても釣果が変わらないほどになってきています。そして気になるニオイも「バニラの香り」や「フルーツの香り」など、よい香りの商品も発売されています。


ちなみに、ニオイが気にならずおすすめの集魚剤は、メジナ釣りではマルキューの「グレパワーV9」や「同V10」です。当商品はバニラの香りですのでニオイが気にならず、車に積みこんでも安心です。そしてセットで使うのは、オキアミの役目をしてくれるM.S.Pを入れて混ぜ込めば出来上がりです。
また、チヌ釣りの集魚剤には個人的にあまりよいニオイのものがないので、お好きな集魚剤にムギコーンスペシャルまたはM.S.Pを入れるか、両方入れて混ぜ込んでもよいマキエができるでしょう。
さらにアドバイスとしては、白色系のマキエを入れると、どこにマキエを打ったのかが分かりやすいので、白色系もおすすめです。
マキエに関して深く話をし始めるとキリがないのですが…、このように自分なりのブレンドで魚が釣れると、とても嬉しいハズですよ!

「ウキふかせ釣り」は、魚種を問わなければ何かしらの魚が釣れてくれるのも嬉しいところ。魚がマキエを食べている層を探し当てるだけなのですが、風や潮の流れに影響を受け、道糸をコントロールするのは容易ではありません。しかし、上手く克服すると必ず釣れてくれます。そして魚が掛かれば、竿で魚の動きを吸収しコントロールしながら釣り上げます。「釣れた」ではなく「釣った」魚は、大小関係なくとても嬉しい価値ある1尾となるのです。
この楽しさを、ぜひ体験してほしいですね。
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レポーターREPORTER

沖縄県出身
父が漁師をしているため小さいころから海に親しみ、時間があれば釣りをしていた子ども時代。鹿児島県の大学に進学してからは本格的にフカセ釣りを始め、九州でフカセ釣りがしたいがために鹿児島県に就職。現在は「釣研アンバサダー」として活動中。釣研FG支部大会にて優勝数回、クラブの大会で上位入賞など、今後もビックトーナメントで勝つことを目指して日々「釣戦中」。
インスタグラム:@oosumi.fukaseturi (URL:https://www.instagram.com/oosumi.fukaseturi/)