手軽で確実に高級魚をゲット!!
快適な「海上釣堀」の楽しみ方

暑い季節の日中、釣りはどこに行ってもしのぐのにひと苦労です。そんななか、海上釣堀は足場が木で組まれていて、多くの施設は陸から少し離れた海上に設置されているため、比較的風通しもよく思いのほか快適です。

海上釣堀では貸し道具もあり、釣り上げたあとの魚の処理(血抜きや場所によっては下ごしらえ)もやってもらえます。装備が手軽で済むので、ぜひ当記事を参考に、トライしてはいかがでしょうか!

※渡船時は救命胴衣の着用が必須。レンタルもあります

海上釣堀とは

01_ 海上釣堀
沼津まるやさんの全景

「海上釣堀」とはイカダや囲いが設けられていて、網により人工的に仕切られた生け簀の中で釣りを楽しむ施設です。中には魚が放流されており、有料で魚を釣ることができます。
海上釣堀でねらうことができる魚種は、マダイ、ブリ(ワラサ)、シマアジ、カンパチ、イシダイなど施設によって、また季節などにより放流魚は異なる場合がほとんどです。

02_ 釣果
釣果の一例

釣りの準備

タックル

03_ 仕掛イメージ
仕掛イメージ。圧倒的に立ちウキが有利です

基本的には手ぶらで十分楽しめるよう、レンタルタックルが用意されている場合がほとんどです。また、施設によって竿の長さに規定が設けられているので、初心者はレンタルタックルが無難です。自前の場合、竿は振り出しのもので全長3.5mくらいが目安です。

※釣り場によって規定が異なるので事前に確認のこと

基本的な仕掛

自身で仕掛を持参する場合、汎用の仕掛であれば道糸はPEラインでは5号、ナイロンであれば6号に、ハリスはフロロカーボン4号を50cm結んでおきましょう。また、ウキは立ちウキが好適で、オモリ2~3号を背負えるもの。ハリはマダイバリの10~12号といった具合です。
一方、青物ねらいであれば、(道糸は前述の通りで)ハリスは5号を30cm。立ちウキは8号、ハリは14号といった仕掛となります。参考にしてください。

04_ 海上釣堀用の仕掛
基本的な仕掛

釣り堀でのエサ

施設によってはエサを持ち込み禁止のところもあり、そのような施設では、オキアミ、練りエサ、冷凍エビ、魚の切り身、生きアジなどが常備されています(あくまで施設によります)。また、持ち込み自由の施設では同様のエサを持参することになりますが、生きたイソメ冷凍の貝など人によってさまざまです。
エサを変えると突然食ってくることが多いので、何種類か用意しておくとよいでしょう。

ただし、プラスチックワーム、ジグヘッド、ハードルアー、メタルジグは使用禁止です。エサについては事前に確認しておきましょう。

準備しておくと便利な物

竿やリールはレンタルで十分ですが、大きな魚が掛かるので玉網(たまあみ=タモ)が常備されています。釣れた魚を一時的にキープするためのスカリもあります。
ただし、魚を持ち帰るための大きめのクーラーは用意が必要でが、ない場合でも現地で発泡の箱を購入(施設によって異なります)することもできます。また氷も販売しています。

また、釣り上げた魚の口から釣りバリを外すときは、指を絶対に魚の口の中に入れてはいけません。噛まれて大ケガにつながる恐れがあるからです。ハリ外しプライヤーを持参すると便利です。もし、飲み込まれている場合は、外す際にケガの原因になるばかりでなく、釣り上げた魚が弱ったり死んでしまうので、無理に外すことはおすすめしません。釣った魚が死んでしまうと、帰りまでに鮮度が落ちてしまいます。そのような場合はハリスをカットして、速やかにスカリに入れましょう。

そして、飲み物食料は必要な分をしっかり持参すること。とくに夏場は飲み物を多めに用意しましょう。ほかにハサミ手ぬぐいなどの準備は言うまでもありませんが、折り畳みのパイプイスなどもあると便利です。

07_ 釣りシーン
玉網は釣り堀に常備されていますが、釣りのために準備しておいた方がよいアイテムもあります。食料や飲料なども含め、困らないように準備しておきましょう

海上釣堀のテクニック

まずはタナ取りが重要

海上釣堀のほとんどは網によって仕切られています。また多くの魚は底面近くでエサを食べることが多いため、投入したエサが底面近くに届くようタナを設定することが大変重要です。
タナが浅すぎると魚はなかなか食ってきません。かといってタナを底面よりも深く設定してしまうと、釣りバリが網に引っ掛かってしまい、一度掛かるとハリスを切らない限りなかなか回収できません。

08_ 金網
釣り堀は周囲が網で囲まれているので根掛かりしないように釣りましょう

さらに、釣り堀の底面は中央よりも周囲の方が浅くなっているため、ねらうポジションによって水深が異なります。ですので、海上釣堀でいかに多くの魚をゲットできるかは、このタナ取りに集約されるといっても過言ではないでしょう。

09_ タナ取り
海上釣堀ではタナ取りが重要

朝はチャンス!

モーニングタイムはチャンスです。海上釣堀では前日釣れ残った魚がお腹を空かしているので、朝一番は食いつきがとても良好なことがよくあります。準備に手間取るとその間にほかの釣り人に釣り上げられてしまいますから、手際よく仕掛を入れましょう。

放流後もねらい目

開始して1時間から2時間ほど経過すると放流があります。マダイや青物など少し時間を空けて追加されます。放流されて5分もすると次々と食ってくるので、放流後もチャンスです! このタイミングでトラブルがないように準備を整えておくとよいでしょう。

食い渋ったときは…

放流直後のやる気のある魚が釣り上げられてしまうと、残った魚はなかなか食いつかず、スレた魚が多くなります。実はここからが腕の見せどころ。底面すれすれにタナを取り直すエサのローテーションをするなど、たゆまず工夫すると釣果を得ることができます。

エサを小さくしたり生きアジにチェンジするなど、魚へのアプローチを変えることが必要で、同じパターンで待っていてもなかなか好転しないと考えることが重要です。その意味で、魚の切り身や冷凍エビに「クックックサイゼ」のような添加剤を使用すると、思わぬ好釣果につながることもあります。

12_ クックックサイゼ
エサに添加剤を使用して、釣れるように加工するのも手

そうはいってもなかなか思い通りにならないのが現実です。そんなときは遠慮なくスタッフの方にたずねてみましょう。また、近くに上手な方がいたら思い切って声をかけ、教えてもらうのも一つの方法です。
釣れている人の技を見たり、教えてもらうことは次回にもつながることでしょう。

13_ 釣りを教えてもらう