エギングにおいて私も思っていたことですが…、「ボート(に乗ってイカのいる場所に行けば)」=「カンタンに釣れる」だろう…ということ。ところがそこには落とし穴が。
よく考えれば分かることですが、ボートはショアと違い自分が時々刻々(じじこっこく)と動いているため、そこを考慮しなければ釣りが成立しないのです。そんな、やってみて分かったボートエギングの難しさを私自身の体験を交えてお伝えします。
ボートエギングの難しさ
船を流しながらエギングをするボートエギングでは、風や潮流の影響で船は動き続けています。当然船に乗っている自分自身も動いているわけです。これがショアエギングとボートエギングの最も違うポイントであり、常に考慮しなければいけない大きなポイントでもあります。
周りの島や建物など、動かないものをじっと見ていれば船が(自分が)動いているのは分かると思うのですが、キャストして釣りに集中していると意外と気付きにくいものです。私自身、揺れる船で周りとオマツリしないようにラインスラックを取るのに追われ、慣れるまではどう流れていっているのか、なかなか意識できずにいました。船が移動するタイミングで初めて「こんなとこまで流れてきていたのか…」と気付くことがほとんどでした。
この「自分が動いている感覚」こそが、ボートエギング初体験の際に一番難しいと感じたポイントでした。
ボートエギングでは慣れが必要!?
エギの性能を活かせるかがカギ!
ボートエギングではエギをキャストしてボトムを取るために、ショアのようにカウントしながらラインを出そうものなら、ラインは風と潮流によって出ていくだけでなく、船がエギに近寄るような場合はラインスラックが大きく出てしまいます…。そうならないために、常にラインを回収しながらカウントしてボトムを取る必要があるのですが、これがなんとも難しい。
ラインを回収し過ぎるとエギにテンションがかかるし、回収が足りないとラインスラックでエギが変な方向に動いてしまう…。さらに、その状態でシャクってもラインにテンションがかかっていないため、スカを食らったシャクリになる。揺れる船上で、常にラインを回収しながらイカのアタリを取るのは本当に難しいことを痛感しました。
また、確かにイカのいそうなところに連れて行ってくれる船釣りではあるのですが、そもそもエギを正しく扱えなければイカを誘えません。エギの動きがおかしいと違和感を与え、イカに見切られてしまいます…。ラインテンションを上手くコントロールしながら、エギの動きはショアと同様に誘うアクションが必要。エギの動きをイメージするのもひじょうに難しいポイントと感じました。
その結果気付いた点として、エギのアクションでイカを引き寄せるというよりは、エギそのものの性能を最大限に引き出すことを意識した方がよいということです。
それぞれのエギの特長を活かして、たとえば「フォール姿勢に強みのあるエギは跳ね上げるだけで、できるだけラインテンションなどの外的影響を与えずフォールさせる」であったり、「フォール中にアピールするエギは潮が緩んだタイミングで使用し、シャクリで(=ダートで)アピールする代わりに使用する」など、エギのローテーションで対応するのがよいといった具合です。
ボートエギングならでは…
特有の条件や釣り方もある!
ボートエギングでは「潮と風」が釣りに大きく影響します。エギは潮に流され、船は(潮の影響もうけますが)風で流されていきます。
仮に潮と風が同じ向きで同じスピードの場合は、理論的にはエギはまっすぐ下に落ちるだけです。逆に向きだけが真逆の場合は、みるみる自分の方にエギが近づきラインスラックが出るか、エギが遠のき思うようにエギが沈んでいかないかのどちらかです。
実際は、このように都合よく向きとスピードが一緒ということはめったになく、潮と風の組み合わせは無限にあるため、都度、状況に合わせた対応が求められるわけです。同船者との距離も近いボートエギングは、対応が遅れるとエギが変な方向に動くだけでなくオマツリしやすくもなります。
一方、船の両先端にあたる「ミヨシ」と「トモ」においては、自分の正面から船の外側に90度までの広範囲を釣ることができる釣り座です。この釣り座においては、あえてエギの向きを切り替えるタイミングを作り、そのタイミングでエギを抱かせるという高等テクニックもあるようです。
しかし、ボートエギング初体験の釣行の際、初心者の私にはできそうになかったテクニック…。その釣り座はパスさせてもらいました。もう少しボートエギングが分かってきたら、改めてチャレンジさせてもらいたいと思います。
今回のボートエギング初挑戦では、オフショア経験も少なく不安があったなか、経験者メンバーにアドバイスをもらいながら見よう見まねで釣りにチャレンジし、楽しく「ボートエギング」を体験することができました。
とはいえ、その特有の難しさやコツを体験し、「船だから釣れるのは当然」「ショアの釣り経験があるからカンタンなハズ」ということではない、やはり釣りモノに合わせた釣り方があるということを実感。何らかの釣りの経験があれば役に立つテクニックや対処法はあるでしょうが、それだけでは対応できないこともある! ということを、ひしひしと感じたよい経験となりました。
ぜひ、また機会があればチャレンジしたいと思います!
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レポーターREPORTER
大阪在住
子どものころから釣りが好きだったものの、社会人の間はブランクが…。令和になってから釣りを再開したリターンアングラー。大阪、和歌山、京都、兵庫をホームに季節に合わせて魚種を変え、1年を通じで釣りを楽しんでいる。