東京で楽しむ小さな釣り 初めてのテナガエビ釣りに挑戦!
都内の川で手軽に釣って、美味しく唐揚げに

都内および近郊の親水公園や川(水路)といった身近な場所で、コンパクトな道具を使って楽しめる釣りを紹介する当企画。第1回目の今回はテナガエビをねらってみました。

私のなかでは、テナガエビと聞くとイタリア料理のメニューでたまに見る食材というイメージが強く、ちょっと小洒落たレストランに行かないとお目にかかれないようなものと思っていました。なので、まさか都内で釣れると聞いて軽く衝撃! しかも、丸ごと唐揚げにすると美味しいというではないですか! 「釣ってさばいて料理して、生ごみを捨てるまでが釣り」をモットーとしている私からすると、丸ごと揚げるだけで美味しい料理が成立し、おそらく生ごみもほとんどでないであろうテナガエビ釣りは、ぜひとも経験しておきたい釣りモノです。

そんなテナガエビ釣りについて、その準備から釣り方、釣りの模様やお料理までといった私の奮闘(?)っぷりをお届けしましょう!

テナガエビ釣りに必要な道具

まずは釣り道具の前に、テナガエビ釣りならではの道具として必ず用意しておきたいのが乾電池式のエアーポンプ。美味しく食べるための下準備として、エアーポンプでテナガエビを生かしておき、泥抜きをしながら持ち帰る必要があるからです。
そして、テナガエビを入れる容器は飼育容器(虫かご)をチョイス! 上部の窓からエアーポンプのチューブを差し込んでブクブクさせます。蓋が網目状になっていますが、ここには移動中の振動で水がこぼれるのを抑えるため、内側からテープを貼ることにしました。

ほかにはピンセットもあると便利です。元気な状態で持ち帰るために、テナガエビが釣れたときは指先ではなく、このピンセットを使ってハリを外したほうがダメージを与えにくいというのがその理由。また、テナガエビ釣りのハリはとても小さく細いので、普段から老眼鏡にお世話になっている方はそちらもお忘れなく…。
新聞紙に包んでいるのはエサとなる赤虫です。

01_ テナガエビ道具.JPG
飼育容器やピンセットは100円均一ショップやホームセンターで入手

今回使用する仕掛はハヤブサの「かんたん 手長エビ釣りセット 4連シモリ」と「かんたん 手長エビ釣りセット 玉ウキ」の2つを準備。どちらものべ竿専用の仕掛なので、竿は振り出し式ののべ竿を使います。

これらの仕掛は竿側がなげなわ結びになっているので、輪の中に竿先(リリアン)を通して道糸をキュッと引っ張るだけでかんたんに装着完了! 外すときは道糸の短いほうを引っ張ると輪が緩みます。

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輪の中にリリアンを通し、道糸(長いほう)を引っ張るとキュッと締まってかんたん装着!

ブクブクはマスト!生かして持ち帰る方法

テナガエビ釣りは生かしたまま持ち帰るのがマスト! そのためにはエアーポンプ(通称ブクブク)は必ず準備しておきましょう。私が考えた持ち帰り方は、クーラーボックスの中にテナガエビを入れる容器とブクブクを一緒に詰める方法です。

まず、クーラーボックスの中にテナガエビを入れるためのケース(飼育容器)を入れ、隣には100円均一ショップで購入した小さな米びつをセット、その中にブクブクの本体を入れ、エアーチューブをケースの上から差し込みます。水温上昇を抑えるため、隙間には凍らせた保冷剤を詰めるだけ詰めておくことに。赤虫も一緒に収納しました。

05_ クーラーボックス.JPG
ブクブクをミニサイズの米びつに収納したらシンデレラフィットしました

今回はあまりお金をかけず、手持ちのクーラーボックスを使うことにしましたが、側面にチューブを通す穴があるなど、ブクブクを使用する前提で作られたクーラーボックスも販売されています。電車やバスでのテナガエビ釣りにはピッタリですね。

まずは新左近川親水公園からスタート

さて、テナガエビは道具の初期投資も少なく済み、子どもから大人まで、誰でも手軽に始められる釣りとのことですが、船釣りしかしたことのない私にとっては「釣れるポイントを探してくれる船長さん」のいない釣りは初めて! 大きな期待と若干の不安を抱えつつ、貴重な梅雨の晴れ間にテナガエビ釣りを計画しました。無事に美味しいテナガエビの唐揚げにありつけるでしょうか…。

初めてのテナガエビ釣りに選んだのは、江戸川区にある「新左近川親水公園」。ここは新左近川に沿って整備された全長約750mの区立公園で、遊歩道やデイキャンプ場、ローラーすべり台などが設置された遊具広場もあり、また、桜とバラの名所としても知られています。

江戸川区が2020東京オリンピックのカヌー競技会場になったのをきっかけに、新左近川親水公園には本格的なカヌー練習場ができ、この日も数人がカヌーを楽しんでいました。
カヌーや散策、デイキャンプなどさまざまなアクティビティを楽しむことができるので、休日は子どもから大人まで多くの人で賑わっています。もちろん釣り人も多く、テナガエビのほかにシラサエビ釣り(シラサエビを使ったクロダイ釣り)をする方たちもいました。

08_ カヌーポロ場.JPG
カヌーポロ場など、計4つのカヌー競技練習場がある

さて、記念すべきテナガエビ釣りの第1投は、駐車場からすぐの少し木陰になっているところを選択。20mほど離れたポイントでテナガエビ釣りをしている方がいたのでお話を聞くと、1時間くらい前から糸を垂らしているものの「今日はまだ1匹、こないだはたくさん釣れたんだけどねぇ」と…。

「ふ・あ・ん」の3文字がよぎります。

09_ 新左近川3.JPG
木陰が涼しい