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「釣果アップの勘所」第10回のテーマは初夏の大阪湾口で遊漁船からねらう「鬼アジ」を確実に釣るコツ。多くの船がタチウオをねらい始めるお盆ごろまでの短いシーズンだが、この大型マアジは、あの有名な「関アジ」にも負けず抜群に美味いと毎年楽しみにしているファンも多いはず。それほど難しい釣りではないが「これを覚えておかないと、まったく釣果にありつけない…」という鉄則をまとめてみた。
40cmオーバー!50cmオーバー!
鬼のように大きいマアジ
「鬼アジ」というのは初夏がシーズンで大阪湾口の紀淡海峡(和歌山県友ヶ島と兵庫県淡路島の由良の間にあり大阪湾の玄関口に当たる)周辺で釣れる40cmオーバー、50cmオーバーの超大型マアジのことだ。
「鬼のようにデカいアジ」だから「鬼アジ」と呼ばれ、この大型アジは年中回遊しているようだが、多くの遊漁船がねらうのは決まって脂が乗って抜群に美味しい初夏。真夏、とくにお盆以降は例年、タチウオをねらう船がほとんどだ。
サビキもしくはオキアミのエサで
水深40~80mの海底スレスレをねらう
ポイントは水深40m前後から深いところで80m。海底の根は荒くなく緩やかなカケアガリになっている。ところどころに魚礁はあるが根掛かりすることは少ない。
ただ紀淡海峡を出入りする潮流は速く、遊漁船はスパンカーを張り、船を立てて流し釣りするので前後左右の釣り人とのオマツリには気を付ける必要がある。
鬼アジねらいに使用する仕掛はオキアミをエサにする胴突3~4本バリもしくはサビキ仕掛。基本的にはオキアミをエサにする釣りだが、鬼アジの食いが立ち入れ食いになるようなら手返しがよいサビキ仕掛が能率的だ。
おすすめはアジバリ11号の3~4本バリでハリス3号、幹糸3~4号、全長3mほどのサビキ仕掛だ。4本バリなら下の2本のハリにオキアミをセットすれば、エサもサビキも同時にねらうことができる。こうすれば仕掛交換のタイミングに悩むことなく交換の手間もない。
誘いは不要!?
というより誘いは絶対禁止!
釣り方はカンタン? オモリが着底したらほんの少し底を切り、あとはそのまま待つだけ。逆に一番のタブーが鬼アジにアピールしようと仕掛を動かすこと。誘いは一切不要というより御法度なのだ。
防波堤のサビキ釣りでは仕掛を上下させてアジを誘うのが常道なので、アタリがないとつい仕掛を動かしたくなるが、ここはぐっと我慢するのが鬼アジ釣り最大のコツだ。。
ただ船を流しながらの釣りなので、ポイントの水深が変化した際はときおり底を取り直し、常に底スレスレのレンジをキープするのが第2のコツ。
また船が流され仕掛が斜めに海中に入る状態では極端にアタリが出なくなるので、常時仕掛をしっかり立たせる意味でも、底の取り直しは必須だ。
掛かったら竿の角度をキープし
一定のテンションで巻き上げる
アタリは穂先がグッと引き込まれたり、食い上げてポンと戻ったりと明確。鬼アジを掛けること自体、それほど難しい釣りではないが、鬼アジが掛かってからの巻き上げには細心の注意を払おう。
鬼アジといえどアジの口は硬くないので口切れによるバラシは付きものだ。絶対ダメなのが持ち上げた竿を戻しながらリールを巻くポンピングの動作。竿は弾力が最大限に発揮させられる前方上45度付近に保ち、リールは一定テンションでゆっくり巻く。
巻き上げ中に鬼アジの強い引きを感じたらリールを巻く手を止め、さらに激しく突っ込まれたら竿の角度をそのまま保ち。自分の身体の上下動で引きをいなすこと。
また小アジ釣りのように一度に何尾も掛けようと追い食いを待つことなく、1尾ずつ確実に釣り上げるのが釣果を伸ばすコツだ。
※次回は「ガンクロ」と呼ばれる「岸壁のクロダイゲーム」について解説する予定です