アウトドアガールConnieの週末どこ行こ? 清流とマスの郷「忍野村」
景観と料理も満喫する、フライフィッシングの旅

どーもっ! Connie(コニー)こと小西栄里子です!
今回紹介するのは、私が過去に2度訪れたことのある山梨県の南東部、富士山の麓にある忍野村(おしのむら)。忍野村といえば、富士山の湧水が流れ込む忍野八海と呼ばれる観光地が有名で、そこでは透き通った美しい清流の中をさまざまな色の「鱒(マス・トラウト)」が悠然と泳ぐ姿を眺めることができます。すぐ傍を流れる河川にもたくさんのマスが生息しており、とくにフライフィッシング愛好家には「日本一難しい川」としても人気を博している釣り人の聖地でもある場所。
そんな観光地としても、フィッシングフィールドとしても根強い人気を誇る山里・忍野村にスポットを当て、その魅力をお伝えしたいと思います。

美しすぎる…忍野八海のマスたち

01_ 忍野八海

忍野八海(おしのはっかい)とは、出口池、お釜池、底抜池、銚子池、湧池、濁池、鏡池、菖蒲池の8つの池からなる富士山の伏流水を湛える池のことで、その景観や水質から国の天然記念物や世界文化遺産である富士山の構成資産にも登録されています。

私自身、初めて忍野八海を訪れたときにまず衝撃を受けたのが、流れる水とその中を泳ぐマスの美しさ。思わず吸い込まれそうなほど透き通る美しい池の中を、“色鯉”ではなく“鱒”が泳いでいるというよい意味での違和感が、神秘的で心をつかまれました。

05_ 透き通る水 /06_ 美しいマス
(左)透き通る水 /(右)上からアルビノ、ニジマス、コバルトマス

忍野八海の中心に位置する湧池には、巨大なニジマスや金色に輝くアルビノ、コバルトマスと呼ばれるブルーがかっためずらしいマスなど数多くの魚たちが悠然と泳ぎまわる姿がとても印象的で、晴れるとバックに富士山も見え、思わず日本にこんな場所があったのか…と、感動してしまうほど。その景色を眺めながらいただく、忍野八海ソフトが私のお決まりコースです。

07_ 忍野八海ソフト
美しい景色をバックに忍野八海ソフトをいただきます

忍野八海

住所:〒401-0511 山梨県南都留郡忍野村忍草
TEL:0555-84-3111
HP:http://www.vill.oshino.yamanashi.jp/(忍野村観光情報サイト)

究極の焦らされフィッシング!

08_ 釣りの準備

先日訪れた際は、遠征初日は移動日ということもあり、到着早々に忍野八海を堪能したのちお宿へ向かうことにしました。
今回お世話になったのは「忍野高原ホテル」さん。ホテルといっても居室は和室仕様で、規模も広すぎずこぢんまりとした雰囲気。女将さんがとてもフレンドリーで楽しい方なので家族全員すっかりお気に入りのお宿です。また、釣り場までの距離も近く、釣り人の利用客も多いお宿なので、夕食やお風呂の時間を融通していただいたり、釣り人のわがままを聞いてくださるのが有難く、毎度こちらを利用させてもらっています。

09_ 忍野高原ホテル /10_ ホテルの料理

忍野高原ホテル

住所:〒401-0511 山梨県南都留郡忍野村忍草3102
TEL:0555-84-3308
HP:http://oshino-kougen-hotel.com/

翌朝、日釣券を購入しフライタックルを準備したら、忍野地区の主要河川である桂川へ。さすが日本屈指の釣り場の一つとあって、平日でも釣り人は多く見受けられました。

11_ ソーシャルディスタンス

ここは、富士山の湧水が流れ込む清流なので、年間を通して水温や水質が安定しており、ニジマス、ヤマメ、イワナ、ブラウントラウトなどの魚を釣ることができます。(禁漁期間あり)
フライフィッシング以外は区間に制限がありますが、ルアーやエサ釣りでもねらうことができますよ。

12_ フライ・ルアー・えさ区域

なぜ、忍野の川が『日本一難しい川』と言われるのか、その所以はやはり“スプリングクリーク(※)”であることと、“チョークストリーム(※)”のような複雑な流れにあると思います。
泳いでいる魚の模様や川の底まで丸見えの清流は、一見するとひじょうに穏やかな流れに見えますが、実はその中には水藻による目に見えない複雑な流れがあって、その流れを読むのが本当に難しいんです。

※スプリングクリークとは、湧水で成り立つ川のこと。水量や水温が比較的安定しているのが特徴です。また、チョークストリームとは、石灰岩地帯や石灰台地を流れる川のことで、川底に大きな石などがなく水草が生い茂っています。傾斜が緩く透明度が高いのが特徴です

13_ 川面

マスが悠然と泳ぎつつ、上流から流れてくる羽虫に向かってライズする姿をまざまざと見せつけられながらも、アングラーとして魚の目の前にフライを流すことができないというのは、なんとも歯がゆくじれったい時間です。お互いの姿がよく見えるだけに、魚も大変賢く、一筋縄では釣り上げることができません。
そのため、ティペット(先端のライン)を極限まで細くしたり、フライの大きさをミッジと呼ばれる小さいサイズに落としたりしながら、どうにか魚の反応を得ようと試行錯誤の時間が続きます。

14_ 美しい桂川

救いなのは、人慣れしている分、よほど驚かせなければ何度も同じポイントをねらうことができることです。何度もチャレンジしているなかで、魚の構えるレーンにちゃんとフライを乗せ、違和感を与えないようナチュラルに流すことができれば、しっかりと魚からの反応が返ってきます。ただ、わずかでも違和感を与えれば寸前でも食うのを止めますし、なにより湧水で複雑にぶつかり合う流れを攻略するのは至難の業。釣れるまで何度も粘って粘って粘って……、そうしてやっと釣れたときは思わずガッツポーズをしてしまうくらい嬉しいものです

15_ 嬉しい1尾
はじめての忍野。ドライフライで釣ったこの上なく嬉しい1尾

もちろん、ドライフライにこだわらず、管理釣り場と同様にウェットフライ(沈ませて使用する毛バリ)を使って、インジケーター(目印)を付けて釣るルースニングという釣法でねらうものOK。
表層に見えている魚以外にもかなり魚は潜んでいるので、ルースニングの方がアタリも多く、数釣りを楽しむことができます。

16_ 獲り込み /17_ トラウト
ルースニングはアタリが多く、面白い

大臼荘(釣券販売店)

住所:〒401-0511 山梨県南都留郡忍野村忍草2911
TEL:0555-84-2539
HP:https://oshino-navi.com/archives/gallery/565(忍野村観光協会サイト)