冬はライトゲームだけじゃない!?
厳寒期にねらう漁港のシーバスゲーム!

冬の厳寒期は釣りモノも少なく、メバルやカサゴといったライトゲームになることが多いかと思います。そんなライトゲームでは、ときに夜の漁港で大きな黒い影が…。そして、ゲストとしてライトゲームのルアーに食らいつき糸を切っていく大物がいます。そうシーバス(スズキ)です。
今回はそのシーバスをねらって釣る方法をご紹介しましょう。条件が整えばとてもイージーに食ってきてくれるので、ある程度釣りの理解がある方にはかんたんな釣りモノです。

シーバス(スズキ)ってどんな魚?

01_ シーバス(スズキ)

シーバス(スズキ)は漁港、磯、河川といったあらゆるフィールドに生息する大型の肉食魚で、釣りのターゲットとして人気のある魚です。日本では成長につれて呼び方が変わる、出世魚のひとつです。

スズキ族にはここで紹介するスズキ以外にも、ヒラスズキタイリクスズキといった魚がいます。大きいものだと1mを超し、10年ほど生きる個体もいるそうです。北海道南部から九州までの沿岸部、朝鮮半島など広い範囲に分布しており、海だけでなく淡水域の河川にまで遡上することでも知られています。環境適応能力が高く2.5度から30度といった幅広い水温で活動することが可能だそうです。
昼間よりも夜の方が活発に活動し捕食行動を行います。おもに小魚、甲殻類、小イカなど、エサになるものであればなんでも捕食する、いわゆるフィッシュイーター。昼間はとても警戒心が高くずっと身を潜めていますが、夜になるとエサを食べに漁港に入ってきたり、河川を遡上したりするといわれます。

漁港でスズキをねらうタックルは?

02_ シーバス(スズキ)2

さて、ライトゲームをしていると、漁港のライトが点いているところに黒い影がたくさん見えることがあります。
シーバスは漁港の明暗部の暗いところに身を潜めており、エサを捕食するタイミングをずっと伺っています。目がよく、ルアーを何回も投げるとすぐに見切ってしまいますので、1投で決める意気込みで投げてみてください! そして、引きが大変強い魚なのでそれ相応のタックルを用意する必要があります。

●ロッド

8ft~10ftまでのL~MLクラスのシーバスロッドやメバリングロッド

●リール:

スピニング2500番~3000番

●ライン:

PE0.4~0.8号

●リーダー:

フロロカーボン2号~3号前後

ラインは極力細い方が見切られにくいのですが、良型サイズが掛かるとかんたんにラインを切られてしまう可能性があります。あまり細くし過ぎず、ほどほどの号数を使用しましょう。

おすすめの釣り方とリグ

おすすめはワームの釣りです。3g~7gのジグヘッドにシーバス用の3in(インチ)ほどのピンテールワームや、バス用の同じく3inほどのシャッドテールワームなどをセットしたものを使用します。ワームは色の透けるクリア系がおすすめです。
1投で決めたいということであれば、メバル用のシンキングペンシルなどもおすすめですよ。

03_ リグ(ジグヘッド+ワーム)

さて、漁港にいるといっても、一体どこをねらえばよいのでしょうか?
漁港に入ってくるシーバスは、主にライト(常夜灯)の灯りが堤防に当たってできた「陰」の部分に身を潜めています。暗い陰の中から明るいところをずっと見ており、明るいところを通るベイトを捕食しているのです。ですので、陰の部分よりも10cmほど外側の明るい箇所にルアーをキャストし、トレースしてみましょう。そうすると、暗い陰の中からすごい勢いでルアーに食らいついてきます。
しかし、ねらったコースをトレースできたとしても、ときにはルアーを見に来るだけのときもあります。そういった場合はルアーを換えたり、ジグヘッドを軽くするなど少し工夫して、シーバスの好みにアジャスト(調整)してみてください。たった2g軽くするだけでバイトしてきますよ!

04_ 常夜灯イメージ

さらに、何度も同じポイントに同じように投げ続けるのではなく、立ち位置を変えたり移動したりして場所を休めると、また新しい魚が入れ替わり入ってきます。
注意点としては決して暗いところにルアーを通さないことです! 暗い陰の中にルアーを通すと、シーバスは「なぜテリトリーに入ってくるんだ、おかしいぞ?」と言わんばかりに姿を消してしまいます。

どういう日が釣れやすいの?

07_ 荒れている海イメージ
※写真はイメージです

シーバスの反応がよい(≒釣れやすい)のは、圧倒的に海が荒れている日です。

冬になると西高東低の気圧配置となり、北西風が強く吹く時期になります。遊泳力の弱いベイトは強風によって漁港の堤防まで流されてきますので、そういった日は前述した釣りが成立しやすくなるのです。いつでもシーバスは漁港や堤防の足下にいるでしょうが、風や雨といった変化が少しでもあると釣れる可能性が上がるものです。
ただし、強風や豪雨のなか釣りをするのはとても危険ですので、天気予報を事前に確認し無理なく、細心の注意を払って釣りを楽しんでください。

08_2

シーバスは身近な魚で、釣りのターゲットとして楽しめる釣りモノです。面白いのは釣り方が一通りではなく、さまざまな釣り方、ねらい方で釣れること。状況の変化に合わせて釣ることで、「釣れた!」ではなく「釣った!」を体現しやすい釣りモノでもあります。

恐らく全国的にみて通称「まるすずき」と呼ばれるスズキがメインターゲットかと思われますが、千葉県より南、太平洋沿岸部の漁港ではヒラスズキが釣れたり、同じタックルで尺メバルが釣れることも珍しくはありません。冬場のライトタックルでシーバスにラインを切られ、悔しい思いをしたことがある方もいるかと思います。ならば、これを機にシーバスを専門にねらってみるのはいかがでしょう。
私と一緒に冬のシーバス釣り、没頭してみませんか?

レポーターREPORTER

荒川 皓平
プロフィール:荒川 皓平
小さいころ祖父とサビキ釣りをして釣りが好きになる。20歳のときにタチウオが爆釣したことがきっかけで、本格的に釣りにのめり込む。淡路島でのルアーフィッシングを軸に、和歌山や四国に旬の魚を求め遠征する生粋の陸っぱりアングラー。ちなみにヒラスズキが一番好き。
平日は釣具メーカー・ハヤブサの技術開発課メンバーとして日々勤務し、釣り以外の休日はのんびりドライブが趣味。