今から知りたい!エギング STEP UP 風別エギング攻略!
風の強さや向きを意識して、釣り方にひと工夫!

2.風が弱い日はエギングに最適!
風が「ない」場合の釣り方

10_ 風の弱い日(水面が滑らか)

風の弱い日や無風の日は、釣りに適した最高の日といえます。
エギングはPEラインを使用した釣りのため、先述のように風の強い日はラインが引っ張られ、思うように釣りができません。風がないことによって、「キャスト → フォール → シャクリ」といった一連の動作が綺麗に成立します。この3つの要素の1つでも欠けるとエギングでは釣りが難しくなるので、戦術を考えなくてはなりません。

また、風がない日のメリットとして、水中の様子がよく見えることが挙げられます。
障害物や藻の位置、水深を目で確認することができるので、必然的に探る場所を絞りやすくなるのです。水中のイカの姿を目視しながら釣る「サイトフィッシング」にも適しています。

11_ 水中の様子

 

(1)海況や周囲の状況確認を忘れずに

しかしながら、風がない(弱い)ときはいいことばかりではなく、デメリットもあります。

12_ 人の多い釣り場

釣り人の数が多い…
風がない日は釣り人にとって絶好の釣り日和。各釣り場には多くの釣り人が訪れます。釣り人が多く訪れるポイントは、人気釣場(有名ポイント)であることは間違いありませんが、逆に言うと高い釣りレベルを求められる場所でもあります。
イカはエギを見る回数が多くスレていることが考えられるうえ、釣り人が周囲に多いことで、釣り方やポイントに制限を強いられます。なので、釣り人が少ない場所を選ぶことも選択肢のひとつです。

13_ 透明度の高い釣り場

イカの警戒心が上がる…
風が弱いと、水中の様子を確認できるほど穏やかなときがありますが、イカの警戒心は上がります。
陸上から水中がよく見えているということは、水中からもこちらが見えているわけです。不用意に海面をのぞき込んだり海辺に立てば、イカは警戒して離れて行ってしまったり、エギに反応してくれなくなります。注意しましょう。

14_ 潮目

潮の動きが分かりづらい…
また、あまりにも風がなく水面が鏡のような状況では、潮の動きが分かりづらくなります。
潮が動いている場所や潮と潮がぶつかった場所(潮目)は、少しでも風が吹き、水面の波の立ち方が異なっている方が発見しやすいものです。
風がやや吹いている状況において、水面がザワザワしている場所は潮の流れが緩い、または動いていない場所です。潮の流れ、動きのある場所は水面が少しツルツルしていることが多く、風が少しでも吹いていれば見分けがつきやすいでしょう。

(2)足下から満遍なく!
丁寧な釣りを心がけよう

釣り日和で釣り人が多いと思われる日は、スマートフォンのアプリを活用し、その日の風の予報や潮位確認をしておくことでねらったポイントをあらかじめ調べておくのも効果的です。
早朝から(夜明けとともに)釣りを開始すれば、人気の釣り場でも人が少ないはずですし、自分だけのポイント、自分だけのタイミングでスムーズに釣行できるかもしれません。

また、風が強いときにはPEラインが風に煽られて難しかった足場の高いポイントも、風が弱いときにはねらえるポイントです。普段見逃していたポイントも入念に探りましょう!!
とはいえ、風が弱い日は先述した通りイカの警戒心が上がるのも事実。とくに透明度が高く水深の浅いポイントでは警戒心の強い個体が多いので、入念にとはいえ、やみくもに水面近くに近づいて覗き込んでみたり、大きな声で騒いだりしないようにしましょう。イカは意外に足下にも潜んでいることが多いのです。

15_ 水面を覗き込む

 

テクニック① フリーフォールの釣り
風がない(弱い)場合は風でラインが引っ張られることもないのですが、キャスト後は風の強い場合と同じく、竿先をできるだけ海面近くに下げましょう。
PEラインは伸びが少ないため、竿を立てているとラインが引っ張られエギが手前方向にフォールしやすくなります。そうなると、ねらったポイントよりも手前を探ることになり兼ねません。陸っぱりにおいて大事な飛距離を無駄にしないように、竿先を下げ、できるだけねらったポイントの周辺を丁寧に探るようにしてください。

16_ 竿先を下げて構える

竿先を下げてラインテンションを張らない「フリーフォールの釣り」の場合、着底までカウントを取り、まずは水深を把握しましょう。とくに1投目はしっかりとカウントを取ることを意識します。2投目以降はカウントの数を減らし、底よりやや上のタナをねらうなどすれば、カウントの数に応じてイカのいるタナを探ることができるうえ、中層を釣るので根掛かりのリスクも減らせます。

17_ ラインの動き

また、フリーフォールの釣りではラインの動きにも注意してください。イカがエギに触れたり抱き着くと、ラインが止まったり、水中に引っ張られます。ラインに変化や違和感があれば、間違っていても構わないのでアワセを入れてみましょう。エギングにおいては、些細な違和感を感じ取れるかどうかが釣果アップの秘訣です。

 

テクニック② カーブフォールの釣り
一方、先ほどとは矛盾していますが、あえて竿を立てる釣り方もあります。竿を立てることでエギのフォール姿勢を水平にし、手前方向にゆっくりと沈める釣り方「カーブフォールの釣り」です。新子が多い秋イカの時期や、水深の浅いポイントで効果を発揮する釣り方です。
カーブフォールの釣りでは、ラインテンションをやや張るのでエギの重みを竿先に感じやすいのが特徴。エギの着底も竿先で取りやすくなります。同様に、イカのアタリも竿先に感じやすいので、「フリーフォールの釣り」では逃していたアタリもキャッチできるテクニックなのです。

18_ 竿を立てて構える

 

風のない日はラインコントロールがしやすく、目で見てアタリを取りやすい好条件の日です。先述した2つの釣り方を使い分けることで、水深の浅いエリアから深いエリアまで対応しやすいでしょう。

今回の重要ワンポイント

  • ●風の強さや風向きを意識しよう!
  • ●風が強くとも、風向きによっては釣り方を工夫すればどうにかなる
  • ●風が弱いときは釣り日和…ただしデメリットもある
  • ●風が弱いときは足下から丁寧に探ろう
  • ●フリーフォールとカーブフォールを使い分ける

 

19_ アオリイカ釣果

12回目の今回は、釣り方、シチュエーション別(風の有無による釣り方)のアオリイカの釣り方について解説しました。
風の強さや向きによって釣り方や場所(立ち位置)を工夫すれば、風が強くともイカに出会える可能性はあります。また、風がない(弱い)好条件だからといって、必ずしも釣りをしやすいわけではありません。釣行前に事前に天候や風を確認しておけば、よりよい釣り場を選択できたり、時間のロスをなくすことができまので、上手く風を味方につけてくださいね。

次回も「シチュエーション別釣り方」についてお届け予定。ぜひ引き続き、「今から知りたい!エギング STEP UP」にお付き合いください!

 

レポーターREPORTER

小南 勇気
プロフィール:小南 勇気
3歳のころから父親に海釣りに連れていかれ、気が付けば釣りに夢中に。中学生になると、自らの足で近所の野池や海に行くようになった。好きな釣りはショアのソルトルアー(とくにエギングとライトゲーム)。また、釣り以外にもアウトドア好きで、冬はスノーボード、夏はキャンプと根っからのソトアソビスト。行動力とフットワークの軽さは社内一のはず?(笑)
現在は釣具メーカー・ハヤブサにて開発課メンバーとして勤務し、日夜商品開発に奮闘中。