NEW PRODUCT TALK マイクロベイトを演出!
よりライトなターゲットに対応した「ジャックアイ」

ジャックアイ シリーズ

超お手軽! なのに多種多様な魚種がねらえる釣りとして、今や爆発した人気を誇る「ライトショアジギング」。ビュンッ! と投げてジャカジャカ巻くだけで、食べておいしいアジやカマスから引き味抜群の青物まで釣れるのだから、その爽快感の虜になってしまうアングラーが後を絶たないようだ。
この釣りを支えるのが、“巻くだけブレードジグ”というコンセプトで一世を風靡したジャックアイ マキマキを中心とした、今なお派生モデルが登場し続けるハヤブサ「ジャックアイ」シリーズ。

今回は、そのなかでもひときわ小ぶりな「ジャックアイ 豆マキマキ」「ジャックアイ ヒラリン」「ジャックアイ 豆ヒラリン」の3種を、開発担当の小南氏に話を伺いながら紹介しよう。

より小さいベイトを意識した魚にドンズバ!
「ジャックアイ 豆マキマキ」

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「名は体を表す」というように、言わずと知れた大人気ブレードジグ「ジャックアイマキマキ」のダウンサイズ版であることがひと目でわかるジャックアイ 豆マキマキ。スーパーライトショアジギングの界隈では「なんでも釣れる!」と、よく耳にする。
しかし本当のことを言うと、それは投げているジグが「ターゲットが追い回しているベイトに都合よくマッチしている」場合に限られる。フィシュイーターというのは気難しく、ある種“お気に入りベイト”を好んで偏食する傾向にあることから、ルアーフィッシングと「マッチ・ザ・ベイト」という考え方はいつだって切り離せない。

たとえば春から夏にかけては、その年に生まれた小魚が豊富な時期であることから、それらが捕食対象となることが多い。捕食能力の高いハマチやサゴシでさえも、その胃袋が数cmのシラスやハク(ボラの稚魚)で満たされていることがある。いわゆるマイクロベイトパターンと呼ばれる現象だ。

また単純に、アジやカマス、サバのように捕食者自身が小さければ、口にできるベイトのサイズも当然それなりだ。ともかく幅広いターゲットを擁するショアフィッシングにおいて、グルメなフィッシュイーターの気を引くには “豆サイズ”の投入が欠かせないのだ。

02_ 写真⑱.jpg カマス釣果
ベイトのサイズ、対象魚のサイズに合ったジグを投入しよう

 

小さなベイトを忠実に再現した「動かない」ジグ!?

自身も大の釣り好きという小南さんは、開口一番、興味深い話をしてくれた。それは「小さなベイトフィッシュの動きをイミテートするにあたって、ジグ自身がダートしてしまったり、自発的に動いてしまわないバランスにこだわりました」というもの。
ルアーといえば、ついつい派手なアクションでフィッシュイーターの注意を惹きつけたくなるものだが、たしかに小さなベイトはそれ自身が動く際にも大きな波動を発生させたりはしない。しかしジグの質量が小さくなればなるほど、潮流やブレードの振動に引っ張られて動いてしまいそうなものだが……。豆マキマキに関しては、「専用設計したブレードの回転抵抗によって、ジグの動きを止めています」とのことだ。

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もはや本体はジグでなくブレードなのかもしれない

ハヤブサお得意のホロシールが貼付されたこのブレード、単にダウンスケールしただけでなく、形状・厚み、さらにはスイベルなどのパーツまでもが完全オリジナル設計。なにもかもが“マキマキ譲り”というわけではないのだ。適度な集魚力はキープしつつ、闇雲に回ってジグを動かしてしまわないギリギリのサイズ感に収めている。
豆マキマキの最小サイズにあたる3gモデルのブレードは、大人の小指の爪を半分にしたぐらいの大きさで厚みも極ウス。「薄くすれば薄くするほど、製造時に歪みが発生しやすく苦戦しました」と小南さん。製造泣かせの要求が、究極のバランスを実現したわけだ。

「ジグ自身が動かずともブレードのフラッシングが十分な集魚効果をもたらします」とのことで、高活性の魚を寄せて食わせきる実力は健在。強めのライトゲームタックルからエギング、シーバスタックルなどさまざまなタックルで扱えるうえ、カラーバリエーションもお財布に優しい選ばれし5色のみのラインナップ。マイクロベイトパターンの回遊魚が回ってきたタイミングや、アジやカマスなど中小型のターゲットを専門にねらいたい場合は、ぜひタックルボックスに忍ばせておいてほしい。

04_ 写真⑨.jpg ムツ

魅惑のフォールで低活性のターゲットに特効!
根魚も大好物の「ジャックアイ ヒラリン」

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フィッシュイーターというものは、まずはベイト(エサ)、そしてそれらの動きを決定づける潮の干満や強さによってすべての行動を支配されているといってもいい。乱暴な言い方になるが、ベイトがいない、あるいは潮が緩いなんてときにはやる気がなくて当然なのだ。そうした活性が低い状況下ではジグを追いかけるだけのモチベーションが魚になく、たとえ「巻くだけで釣れるジグ」であってもバイトが得られないことがしばしばある。
そこで威力を発揮するのが、言わずと知れた「フォールの釣り」。それを積極的に仕掛けて魚を掛ける楽しさにフォーカスしたライトスロージグがジャックアイ ヒラリンだ。

いかにも弱りきったベイトがフラフラと海底に沈んでいく様を演出し、思わずパクリ! を誘うアイテムなのだが、ジギングとは本来そういうものなのだということを忘れてはいけない。小南さんも「クセのない使用感を追求した、ジグ本来の釣りが楽しめるジグです」とポロリ。巻くだけで釣れてしまうほうがむしろ異常なのだ(笑)。

また、フォールを交えるということは、移動距離を短くしピンスポットをネチネチとしつこく探ることをも容易にしてくれる。つまり、点に執着する習性のあるカサゴをはじめとした根魚の攻略にもベストマッチといえるだろう。

06_ P1013061.jpg  カサゴ釣果
根魚の潜むポイントをしつこく探るのも効果大

 

スロ~~~にフォールしながら
明滅効果で強烈アピール!

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スローフォールに特化したリーフ型の形状

いわゆる“リーフ(木の葉)型”の形状が、フォール時には面で水圧を受け止めるヒラリン。その形状だけでなく「マイクロベイトをイミテートしたティンセルフックが適度な抵抗となり、姿勢の安定に貢献します」と小南さん。これによりひじょうに長い“滞空時間”が確保され、海中に漂う死にかけのベイトを再現する。
また「視覚的なアピール力を追求し、左右異色のリバーシブル仕様にしています。これにより明滅効果が発生し、より強くターゲットを惹きつけます」とのこと。名前はふざけているが、「何がなんでも口を使わせる」という強い意志が宿るジグに仕上がっている。

「マキマキ・豆マキマキから、少しテクニカルな釣りにステップアップしたい人におすすめです」と言うだけに、スーパーライトショアジギングに本格的に取り組みたいアングラーにぴったりのアイテムで、さらにはショアジギング、オフショアジギングの基礎を学ぶのにももってこいだろう。

タックルは豆マキマキと同様、エギングタックルやシーバスといったライト~ミドル級のものでOK。カラーバリエーションも言わずもがな、厳選されているため迷う必要がないのがうれしい。

08_ 写真⑧.jpg サバ
テンションの低い魚もついうっかりパクリ!

アジ・メバルに特化!
スーパースロージグ「ジャックアイ 豆ヒラリン」

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ライトゲームの代名詞的存在であるアジング・メバリングにおいて、メタルジグ導入の歴史はとても古い……がしかし、正直なところ「これぞ相棒!」というジグに出会えていない人が多いのではないだろうか。
最後に紹介するジャックアイ 豆ヒラリンについては、小南さん曰く「アジ、メバルという人気ターゲットのナイトゲームで戦力となるジグを目指して開発しました」とのことだが、それなりに釣り込んでいるアングラーならこれを聞いて好奇の目を向けずにはいられないだろう。

キビキビとした動きでリアクションを誘うデイゲームならまだしも、とくにナイトゲームを主体とする場合、典型的なジグにはハッキリ言って出番を見出しにくいという感覚がある。というのもナイトゲームでは、超軽量リグを潮に乗せながらフォールさせるスーパースローな「食わせの釣り」がメインプランとなりがちで、ジグヘッド+ワームというオーソドックスなライトリグがどうしても扱いやすいからだ。念のために言っておくと、ここでいうフォールとは“リグを漂わせる”というニュアンスに近い。従来のジグではスピード感が仇となり、十分な食わせの間を与えられないのだ。スローフォールが売りのヒラリンでさえ速すぎるほど、ここで要求されるスローさは次元が違うことを理解してほしい。

ところがそんなジグにも代え難い魅力がある。それは潮回りのいい日に限って吹き荒れる「風」をものともしない遠投性能で、ジグヘッド+ワームではまるで話にならない強風下でも金属の塊ならスコーン! とカッ飛んでいく。
すでにお察しの通り、豆ヒラリンこそがジグヘッドリグのスローさとジグの遠投性能を兼ね備えたスーパースロージグというわけだ。

10_ P1013054.jpg アジ釣果
ナイトゲームに求められるスローさを実現した「豆ヒラリン」

 

かっ飛び性能と操作感を両立した
「すず合金」採用の低比重ジグ!

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一見しただけでは「ヒラリン」との違いはないように見える「豆ヒラリン」。いったいどんな秘密が?

「まず、ナイトゲームに求められるスローさをジグで実現するにあたり、素材を見直しました」と小南さん。通常、鉛が使用されることの多いジグに「すず合金」を採用したことで大幅に比重ダウン。それによって重量に対する体積を稼ぐことができた。とはいえジグヘッドリグとは比にもならない飛距離が出せるのは、余計な抵抗のない金属の塊ならではだ。

小南さんは「体積が大きくなったことで、いかに食わせの時間を作るかがキモとなるナイトゲームで十分に活躍するフォールスピードを実現しました。また同時に、マイクロジグ特有の“ノー感じ”を克服し、操作しやすいジグとなりました」と続ける。ベテランだけでなく、いろいろやってみたい初心者にとっても十分選択肢に入るようだ。

素材を除く特性はヒラリンと同様だが、こちらはアジ・メバル専用なだけあってタックルも専用の物がおすすめだ。

12_ P1013079.JPG メバル

 

その手軽さとターゲットの豊富さから、すっかり人気の釣りジャンルとして確立されたスーパーライトショアジギング。しかしこうして見ると、これまで難しいとされてきたよりライトな釣りへのショアジギングの広がりに、今後さらなる伸びしろを感じずにはいられない。
トコトンやり込むもよし、メインの釣りの合間に挟むもよし。タックルボックスに「ジャックアイ」シリーズを忍ばせておくだけで、釣りの幅が広がること間違いなしだ。

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タックルボックスに容易に入れておけるサイズ感もイイ