INDEX
- ● 対策を講じるタイミングは?
- ● 乗船後:まずはしっかりと魚を冷やす準備を!
- (1)乗船時
- (2)ポイント到着時
- (3)魚が釣れたとき
- ● 下船後:氷が残っているか確認!
- ● 帰宅後:素早く処理してすぐ冷やす
今回は、せっかく一生懸命に釣ったお魚をより新鮮に持ち帰り、食卓でより美味しくいただくための「乗船から帰宅後まで、魚の鮮度をキープする方法」についてわかりやすく紹介してみたいと思います。
釣船に乗った際、たとえば最初のポイントに到着後、船長さんの「クーラーに海水いれて、魚もすぐにいれてね」というアナウンスが聞こえてくることがありますよね。これは船上で魚の鮮度を保つための基本なんです。
新鮮な魚を食べることができるのは釣り人の特権。せっかく手に入れた特権を大切に活かすためにも、今回紹介する方法はきっと役に立つはず。いずれもかんたんに実践できるものばかりですので、ぜひ少しの間お付き合いください。
対策を講じるタイミングは?
今回は、大きく次の3つにわけて見ていきましょう。
それぞれのタイミングでしっかりと鮮度キープできれば傷みづらく、きっと美味しくいただくことができるはずですよ。
- 1.乗船後
- 2.下船後
- 3.帰宅後
乗船後:まずはしっかりと魚を冷やす準備を!
(1)乗船時
乗船したら、まず自分の釣り座に
- ・ロープ付バケツ…海水を汲むためのもの
- ・大型のバケツ…釣った魚を活かしておくためのもの
を持ってきましょう。
また、当たり前ですがクーラーBOXに氷が入っていることを点検してきましょう。これまでに数回見かけたことありますが、あわてて乗船して氷の購入を忘れ、空っぽのクーラーのまま釣りをしている方がいらっしゃいました…。こういったことがないように気をつけましょうね。
※釣り座に海水循環パイプが装備されている場合、ロープ付きバケツは必須ではありません。ロープ付バケツが置かれていないケースもあります
(2)ポイント到着時
ロープ付バケツできれいな海水を汲んで大型のバケツ一杯に海水を入れておきましょう。同時にクーラーの中にも海水を入れましょう。魚が釣れる前から早めに海水を入れる理由は、海水が氷で冷たくなるには時間を要するからです。
クーラーのサイズにもよりますが、海水は入れすぎないようにしましょう。海水を入れる量は2割から3割程度で大丈夫です。大量に海水を入れると氷がすぐに溶けて氷締めができなくなってしまいますので注意しましょう。
(3)魚が釣れたとき
基本、すぐに足下の大型のバケツの中に入れて活かしておきましょう。
小型の魚でも、(ハリを飲み込んだりして)ハリを外した時点で動かなくなっているような場合はすぐに傷みだしてしまいます。そのような場合はバケツには入れず、すぐにクーラーに入れましょう。
中型・大型の魚の場合は、エラブタの隙間にナイフを突き刺して活き締めをしましょう。そして、エラの付け根をナイフもしくはハサミでカットしたら小型のバケツに短時間入れて、血抜きが終了したらすぐにクーラーに入れましょう。
ナイフを持参していない場合は、手の指にエラをひっかけて両サイドのエラを引き抜く方法があります。また、サバなどはサバ折り(首を折る)してからエラを取り、血抜きすれば大丈夫ですよ。
血抜きはとても重要です。手間ですが必ずやってくださいね。とくに白身の魚だと、お刺身にした場合の身の白さと味に大きな差がでますよ(生臭さがまったくなくなります)。
小型の魚の場合、海水循環パイプから常に新鮮な海水がでている船では沖上がりするまでそのままでもよいのですが、そうでない場合は、ポイント移動のタイミングなどでまとめてクーラーに入れましょう。
クーラーの蓋を何度も開け閉めするとクーラー内の温度も上昇するので、極力、開け閉めの回数は少なくするように注意することも重要です。
下船後:氷が残っているか確認!
まず下船したら、クーラーの蓋を開けて氷の残量を確認しましょう。まだ大きな塊で残っている場合はよいのですが、そうでない場合は、必ず追加の氷を購入してクーラーに足してから帰路につきましょう。氷代をケチらないでくださいね。
なお、クーラーに入れる際はナイフで氷をカチ割って入れると、かたよりなく冷やすことができるのでオススメです。
ナイフを持参していない場合は、氷を購入した際に船宿のオカミさんにアイスピックを貸してもらいましょう。
帰宅後:素早く処理してすぐ冷やす
帰宅したら、すぐに手際よくエラや内臓を取り出して下処理をしましょう。
できれば3枚におろして、直接空気に触れないようにキッチンペーパーやサランラップなどでくるみ、フリーザー袋に詰めて空気を抜き、冷蔵庫のチルド室に入れておくとよいです。
とくに大型の魚の場合は1日2日冷蔵庫で寝かした方が甘みも増し、旨さが倍増します。
いかがでしたか? 「乗船から帰宅後まで、魚の鮮度をキープする方法」について紹介させていただきました。いずれも一度覚えてしまえば差ほど難しくなく、実践できる方法ばかり。面倒くさがらず、ぜひ、ひと手間掛けて美味しく新鮮な魚を召し上がってくださいね。
また、お魚を知人や友人に差し上げる場合も、今回紹介した方法を実践しておけばとても喜んでいただけること間違いなしですよ。
レポーターREPORTER
船釣り歴30年。ウイリー仕掛や短いビシ仕掛でのコマセシャクリを得意としたベテランアングラー。初心者向け釣り教室での講師経験も豊富で、わが子2人を5歳で船釣りデビューさせたほどの教え上手。全日本釣り団体協議会公認フィッシング・マスター。