陸上から夜釣りを快適かつ安全に楽しむために、正しいマナーとルールを遵守しよう。基本は人に魅惑をかけないこと。たとえば騒音、違法駐車、ゴミの放置など一般常識から釣り場でのライト使い、釣りの作法まで、昼釣りも同様だが夜間はさらに配慮が必要だ。
1.マナーとルール
騒音、違法駐車、不法侵入、ゴミ類の放置、火の使用
一般常識で考えよう!
漁港に工業地帯の護岸、沖堤防、河川敷、サーフ、磯と昼釣りと変わらず夜釣りのフィールドもさまざまだが、とくに夜間は「静かに釣る」ことを心がけてほしい。音楽をガンガン、仲間内で大騒ぎしての釣りは御法度だ。
地方の漁港には人家が近い場所も多く、安眠妨害にもなりひじょうに迷惑。沖堤防や磯など人家から遠く離れた場所でも周囲の釣り人にとっては騒音以外の何者でもない。釣り場だけでなく釣り場への行き帰り、道中も可能な限り静かにアクセスしよう。
当たり前だが違法駐車も厳禁だ。夜間、人通りや車の通行が少なくても路上や駐車禁止の場所には車を置かないこと。有料、無料問わず必ずパーキングを利用してほしい。そんな駐車場がなく徒歩や他の方法でアクセスが不可能な場所には釣りに行かない選択も必要だ。
立入禁止、釣り禁止の場所へは絶対に侵入しない、釣りをしないこと。悲しいかなテレビのワイドショーなどに立入禁止のフェンスを乗り越えたり、破って侵入する釣り人の姿が取り上げられることがよくある。それが大きな社会問題に発展し、さらに釣りができない場所が増えれば、釣り人自ら自分の首を絞めているようなものである。立入禁止の場所は危険が伴うことも多いので、自分の命を守るためにも控えてほしい。
同様に釣り場でのゴミ放置も釣り禁止になる原因の多くを占めている。日中はともかく夜間は「誰も見ていないから」と思うのか、ゴミをそのままにして帰る釣り人が跡を絶たない。好ポイントの釣り場ほど釣り人の姿も多く、比例して放置されるゴミも多くなる。
仕掛の袋、ルアーのパッケージ、エサのパック、食料や飲料等のゴミなどだけでなく使い終わったり使えなくなったハリや仕掛類も放置しないように。場合によっては他の人に怪我を負わせることもある。
最低でも自分の出したゴミは持ち帰る。できれば誰かが放置したゴミも持ち帰ってほしい。とくに漁港などは地元漁師さんの生活の場でもある。ゴミの放置だけでなく係留中の漁船上から釣りをするなど最低のマナーだ。
関連してハオコゼ、ゴンズイなどヒレに毒がある魚を地面に放置するのも厳禁。また毒魚でなくても食べない魚は優しくリリースしてやろう。釣り場に干からびた小魚が点在する光景には心が痛む。
ゴミを持ち帰るのが面倒と、釣り場で焼却するのももってのほか。寒いからとたき火するのもアウト。あろうことか漁港にあるトロ箱などを燃やす人もいる。これは犯罪行為である。とにかく、むやみに火を使わない。アウトドア用のコンロなど比較的安全な器具も火気厳禁の場所では絶対使用しないこと。
2.夜釣りの作法
周囲への配慮と安全確認を
暗い釣り場だからこそ徹底したいこと
夜釣りに欠かせないライト類だが、その使い方にも作法がある。点灯して仕掛やルアー、エサを交換する際は海を照らさないようにすること。必ず海とは逆、後ろを向いて作業しよう。チヌなど光に敏感といわれる対象魚をねらっている場合や、神経質な釣り人によってはライトを海に向けるのを極度に嫌う。自分のターゲットが光に無頓着? な魚でも、また自分が海面を照らしても平気と思っても、周囲の人に気を遣いたい。
予想外の大物がヒットしライトなしではタモ入れなど取り込みが困難な場合は、周囲の人にゴメンナサイ! ライトを照らす前に承諾を得よう。独力で難しい場合は取り込みを手伝ってもらうのもアリだ。
人にライトを向けるのも御法度だ。暗がりで突然、顔を照らされると目がくらみ、足場が悪い場所ではかなり危険。釣り場だけでなく往復の道中でも人とすれ違う際はライトを下に向けよう。
人気の沖堤など、いろいろな釣り方をする人が混在する釣り場では、投入した仕掛を長時間放置しないこと。とくに電気ウキ釣りで仕掛を流しっぱなしにし、電気ウキやミチイトが左右の釣り人の目の前に到達しても意に介さない人がいる。
左右の釣り人の邪魔になるだけでなく、オマツリが発生すれば自分の釣りにも支障を来す。流れる仕掛の管理は当然として、それでもオマツリさせてしまったら自ら進んで自分の仕掛を切って一言謝ろう。これは電気ウキ釣りに限らず潮が速い場合は重いオモリを使う投げ釣りやブッ込み釣り、もちろんルアー釣りでも同様だ。
釣り種にかかわらず、ルアーキャストや仕掛投入時は日中以上に左右、後方の安全確認を徹底しよう。暗い夜間、近くに人がいても気が付かないことも多い。込み合う釣り場では「投げますよ」などと、声をかけることも重要だ。
渡船利用の沖堤などでは回収時間までに早めに後かたづけし、余裕をもって乗り場に向かおう。回収人数が足りないと渡船店は気が気でないし、待ちぼうけをくらう他の釣り人にも迷惑をかけてしまう。
いろいろお説教じみたことを書いたが、楽しく快適な夜釣りのためには、どれも必要なこと。マナーとルール、作法を守り安全第一で思い切りエンジョイしてほしい。