できるか!? 0円フィッシング! 水辺アソビといえばザリガニ釣り!
DIYフィッシングで大人も意外とハマる?

兵庫県ザリガニ井上隆史_text-photo岳原雅浩

さっそくエサに食いついた!
でもでも…釣りあげるのが難しいところ

18_ IMG_1768_2021 竿先

ザリガニをたくさん見つけたので、あとは楽しく釣るだけ! 幾分ニヤニヤしながらクリップの先にスルメを挟み、輪ゴムでちくわを締め付けます。釣れる気満々、もう釣ったも同然! とばかりに、意気揚々とエサをザリガニのそばに垂らしました。

19_ IMG_1679_2021 スルメ
20_ IMG_1680_2021 ちくわ
エサを準備しさっそく釣り開始!

すると、予想通りにエサのニオイにつられてザリガニたちが集まってきました。ところが、じっと観察していると、どうやらやや警戒気味…。クリップの金属の輝きが嫌なのか? それともまだエサが馴染んでいないのか? 少し距離をとっているようです。しかし、そのままじっと待っていると、ほどなくしてハサミでエサをつまみにきました。さあ、ここからが勝負です!

21_ IMG_1694_2021 釣り開始

エサを両バサミで慎重につかみにくる者、懐に引き寄せて奪っていく者、他人のエサを横取りしにくる者…、水面下のザリガニ界ではさまざまな個性が見受けられました。ただ共通しているのは、釣りあげようとするとみんな脚で落ち葉や枝をつかみ踏ん張って、なかなか底から離れてくれないということ。そして、離れたとしても水面から体が出ると、エサを放して逃げてしまうということです。これは難しい……。
水面までそーっと上げてきても、ハサミの力が弱いのか、自らの体の重みからなのか、「ポチャンポチョン」と落ちてしまいます。子どもと一緒にザリガニ獲りということならば、水面まで寄せてきたところで網ですくってあげるのが確実でしょう。いっそのこと、網だけでガサガサーっと捕まえてしまった方が早いかもしれません。しかし今回はあくまでザリガニ「釣り」。大人の勝手な思惑で「釣り」にこだわり、魚のように釣り上げた絵面が欲しいのです(笑)。

22_ IMG_1706_2021 水面のザリガニ1
23_ IMG_1709_2021 水面のザリガニ2
水面まではスムーズにエサについてきてくれるのですが、ここから抜きあげるのがムツカシイ…。ポチャンポチョンと落ちてしまいます
24_ IMG_1727_2021 枯葉にしがみつくザリガニ
25_ IMG_1735_2021 2匹でエサを奪い合う
踏ん張るために枯葉に必死にしがみつくザリガニ、2匹でエサを奪い合うザリガニなど、こうなってはなかなか釣り上げることはできません…

コツはエサの抱え方?

イノォさんと最初の1匹を釣るまでは苦労しました
スルメをぶら下げる向きを変えて、ザリガニがハサミで挟みやすい角度を模索したり、食いついてから抜きあげるまでの時間やタイミング、スピードを変えてみたり、できるだけ脚で何かにしがみついたりしない場所を選んだりと悪戦苦闘…。そして小1時間粘って、なんとか最初の1匹を手にすることができました。

26_ IMG_1703_2021 最初の1匹

「ザリガニ釣りって…ムズイ!」。変にこだわってしまったお陰で、途端に難しい釣りモノになってしまったザリガニ釣り。しかし、難しいとは言いながら、そのゲーム感覚の攻防になんだか2人とも楽しくて仕方がないといった具合。熱が入ります。
そのあともエサをちくわに変えたりと、さまざま試みながらトライし、ポロポロと釣れ始めましたが、やはり難しさは変わりません。そんななか、イノォさんがあることに気が付いてくれました。

27_ IMG_1690_2021 水面を観察する井上(イノォ)さん

「ザリガニによってエサの抱き方が違いますね~」とイノォさん。「ハサミだけでエサを挟んでるときは放しやすいんだけど、胸の下の脚でしがみついているときは放さないですね」という。
エサを放さない(途中で落ちない)ザリガニを見てみると、胸の下の脚でしっかりとエサを抱え、両バサミでエサを挟んでいるというよりはハサミは引っかかっている程度。どうやら、両バサミでエサを体に引き寄せたあとは、胸や腹にある脚でしがみつき、口の前の脚(手?)でエサを食べているようです。食べるのに夢中になっているザリガニほど釣り上げやすい! というワケで、「じっくり食いつくのを待ってから釣り上げるとよい!」ということが分かりました!!

そんなこんなで、気が付けばあっという間に3時間以上!? 2人ともザリガニ同様(?)夢中になりすぎて、お昼ご飯も忘れて釣りをしていたのでした~(笑)。

28_ IMG_1736_2021 落ちるパターン
29_ P6100047 ベストなパターン
途中で落ちやすい食い方(左)と、落ちにくいベストな抱き方(右)。じっくり食わせてあげると脚でしがみついてくれるようです
30_ IMG_1785_2021 無事にザリガニを釣り上げる
釣りっぽい、この絵面が欲しかったのです!

 

手作りの道具でエサも少なくてすみます。そのうえ十分満足できるザリガニ釣りは、まさに水辺アソビの王道! 子どもから大人まで、老若男女問わず楽しめるアクティビティであることを改めて確認できました。

31_ IMG_1770_2021 ザリガニ釣果
32_ IMG_1794_2021 最後の釣果
最初の1時間ほどでこんなに! 真っ赤なザリガニは力強く、なんともカッコイイ!!

ついでに近所の川も探りましょう

33_ IMG_1788_2021 カエル

十分満足したところでお開き……とはならず、せっかくなので近所の川も探ってみることに。とはいえ、もうザリガニは十分なので、同じく0円で楽しめる「ガサガサ」をすることに決定。

「ガサガサ」とは、その名の通り川岸の草や石の根元に網を突っ込み、隠れている生き物を網や足でガサガサと驚かせて捕まえる方法。「何が捕れるかお楽しみ!」なところが楽しい、お手軽な水辺アソビなのです。イノォさんと2人で帰路の途中、寄り道をしながら足を水に漬けてみました。

34_ IMG_1821_2021 川の中を歩く
35_ IMG_1814_2021 ガサガサ
童心に帰って川の中をザブザブ。そして、目ぼしいポイントを見つけてはガサガサ。これが意外と楽しいんです

1ガサガサ目から、イノォさんはヌマエビスジエビを捕まえ、水槽に移して「へぇ~」と観察。カニのように岸際を横歩きしながら、水の中に網を突っ込んではガサガサ、ガサガサと探っていきました。訪れた川は思ったほど岸際がエグレておらず、やや魚のストックは少ないよう。ひたすらヌマエビが捕れ続けるといった具合でした。それでも時折り、ドンコと思われる稚魚やヤゴコオイムシといった水生昆虫も見つかり、新しい生き物を見つけるたびに2人して大興奮! そのまま夕暮れ時まで存分に楽しんだのでした。

36_ IMG_1818_2021 網を覗く井上(イノォ)さん
37_ IMG_1816_2021 網の中
面白いように生き物が見つかります。まるで宝箱を探すような楽しみがあるのです
38_ IMG_1812_2021 水槽に移してニッコリ
獲れたエビを水槽に移して観察。そしてニッコリ!

 

39_ IMG_1805_2021 道具を手にして

これから夏に向かって季節は加速していきます。子どもと一緒に生き物に触れる、はたまた、仲間と一緒に自然を満喫するにはいい季節。ザリガニ釣りならみんなで楽しめますので、ぜひオススメです! しかも冷蔵庫の残り物や身の回りのものを使えば「0円」でできるとあって、超手軽なのは間違いありません。
ただし、楽しいからといって水辺は危険がつきものです。くれぐれも安全第一、ルールやマナーを守って遊んでくださいね!

※本文は都合により脚色を交えております。ご了承ください

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