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長年釣りをしていると当たり前のことでも、釣りを始めて間もない人にとっては「目から鱗!」「そうだったのか!」という、ちょっとしたノウハウをお届けするのがこのコーナー。釣果に直接かかわることではないけれど、アナタの釣りが快適になるかもしれない!? ほんのちょっとの工夫とアイデア。
今回は刃物の研ぎ方、最終回! 釣りに関わる刃物はフィッシングナイフ、料理用の包丁だけじゃない! そう釣りシーンで最も出番が多いのがハサミ。ハサミだって立派な刃物。ハサミだって研いでほしい!
ハサミの刃は角度が大きい
砥石に立て気味に当て押すときに力を入れる
ラインをカットしたり袋物を開封したり、あるいはタチウオなど釣り上げた魚を締めたり処理したりと、いろいろな場面で活躍するハサミ。ナイフや包丁ほど、その切れ味が求められるものではないが、素早くさっと切れるに越したことはない。入れ食い時、ハリの結び換えなど仕掛チェンジに時間がかかるとイライラするもんね。
ということで、ますは洋バサミ。キッチンバサミなども含めて現在、釣りで使われるハサミのほとんどは洋バサミだ。
ハサミがナイフや包丁とちがうのは2枚の刃をすりあわせて物を切る点。そのため、2枚の刃はナイフや包丁のように薄く鋭くない。
研ぐのはそれほど難しくなく、刃を大きく開いて片方ずつ砥石に当てる。刃の角度が大きいので包丁などにくらべ砥石に当てる姿勢はかなり立て気味に、砥石上を押すときに力を入れよう。
そのままでは研ぎにくい握りバサミ
2枚の刃を押し込み固定すれば難しくない
最近は使う人が少なくなったかもしれないが握りバサミも釣り用としてポピュラーだ。握りバサミというのは裁縫用などで昔から使われている和バサミだ。釣り用はコンパクトでステンレス素材のものほとんどだろう。このハサミも使いつづけるうちに切れ味は劣化。ステンレスでもサビが浮いてくる。
この握りバサミは洋バサミのように刃が大きく開けないので、そのまま研ぐのは難しい。そこで向かい合った2枚の刃を両側から押し込み、それぞれの刃が反対側に出るまで交差させ、その状態で握り部分を丈夫なヒモなどでグルグル巻きにし固定してしまう。この状態で片刃ずつしっかり砥石で研ぐ。砥石に当て押すときに力を入れるのは包丁と同じ。ただ刃先は洋バサミ同様に刃の角度が大きいので、その角度をしっかり確認キープしよう。
おまけ!? ラインカッターも研いでしまおう!
硯で墨を擦るように!
そうそうラインカッターも忘れちゃいけない釣り用の刃物だ。ハサミ類にくらべ刃渡りが極端に短かく、常時同じような場所でラインを切るため、切れ味の劣化はもっとも顕著だろう。ラインカッターも研いで切れ味を復活させよう。
刃がピタリと閉じるように持ち、硯(すずり)で墨を擦るようなイメージで砥石上を前後させる。ただ合わせた刃は水平ではなく角度が付いているので、それぞれの角度に合わせるように研ぐのがコツ。刃に黒っぽい部分残っているのは研ぎが甘い証拠。刃全体が白く光れば研ぎ終了だ。
以上、刃物の研ぎ方はこれにて終了。ナイフも包丁もハサミも、手渡すときは刃を人に向けないのがマナー。切れ味鋭い刃物で快適なフィッシングライフを!