知っていれば快適!フィールド豆知識 No.14 刃物の切れ味カムバック
【第3回 ハサミも研ごう!】

長年釣りをしていると当たり前のことでも、釣りを始めて間もない人にとっては「目から鱗!」「そうだったのか!」という、ちょっとしたノウハウをお届けするのがこのコーナー。釣果に直接かかわることではないけれど、アナタの釣りが快適になるかもしれない!? ほんのちょっとの工夫とアイデア。
今回は刃物の研ぎ方、最終回! 釣りに関わる刃物はフィッシングナイフ、料理用の包丁だけじゃない! そう釣りシーンで最も出番が多いのがハサミ。ハサミだって立派な刃物。ハサミだって研いでほしい!

ハサミの刃は角度が大きい
砥石に立て気味に当て押すときに力を入れる

ラインをカットしたり袋物を開封したり、あるいはタチウオなど釣り上げた魚を締めたり処理したりと、いろいろな場面で活躍するハサミ。ナイフや包丁ほど、その切れ味が求められるものではないが、素早くさっと切れるに越したことはない。入れ食い時、ハリの結び換えなど仕掛チェンジに時間がかかるとイライラするもんね。
ということで、ますは洋バサミ。キッチンバサミなども含めて現在、釣りで使われるハサミのほとんどは洋バサミだ。

01 洋バサミ
釣り上げた魚の処理など出番が多い洋バサミに限らずハサミも切れ味鋭い方が実は安全。切れにくくなったら研いでメンテナンスしよう

ハサミがナイフや包丁とちがうのは2枚の刃をすりあわせて物を切る点。そのため、2枚の刃はナイフや包丁のように薄く鋭くない。
研ぐのはそれほど難しくなく、刃を大きく開いて片方ずつ砥石に当てる。刃の角度が大きいので包丁などにくらべ砥石に当てる姿勢はかなり立て気味に、砥石上を押すときに力を入れよう。

02 洋バサミを研ぐ
03 洋バサミを研ぐ
洋バサミは刃を大きく開いて片側ずつ。刃の角度に注意しながら押すときに力を入れて研ぐ

そのままでは研ぎにくい握りバサミ
2枚の刃を押し込み固定すれば難しくない

最近は使う人が少なくなったかもしれないが握りバサミも釣り用としてポピュラーだ。握りバサミというのは裁縫用などで昔から使われている和バサミだ。釣り用はコンパクトでステンレス素材のものほとんどだろう。このハサミも使いつづけるうちに切れ味は劣化。ステンレスでもサビが浮いてくる。

04 握りバサミ
一見、研ぎにくそうな握りバサミ。しかし一工夫すれば意外とカンタン

この握りバサミは洋バサミのように刃が大きく開けないので、そのまま研ぐのは難しい。そこで向かい合った2枚の刃を両側から押し込み、それぞれの刃が反対側に出るまで交差させ、その状態で握り部分を丈夫なヒモなどでグルグル巻きにし固定してしまう。この状態で片刃ずつしっかり砥石で研ぐ。砥石に当て押すときに力を入れるのは包丁と同じ。ただ刃先は洋バサミ同様に刃の角度が大きいので、その角度をしっかり確認キープしよう。

05 刃を交差
両側から押し込んで刃を交差させる
06 握り部分をヒモで巻いて固定
07 握り部分をヒモで巻いて固定
刃を交差させたまま握り部分をヒモで巻いて固定する
08 握りバサミを研ぐ
09 握りバサミを研ぐ
刃先は洋バサミ同様、ナイフなどにくらべ刃の角度が大きいので角度を意識しながら押すときに力を入れて研ぐ

おまけ!? ラインカッターも研いでしまおう!
硯で墨を擦るように!

そうそうラインカッターも忘れちゃいけない釣り用の刃物だ。ハサミ類にくらべ刃渡りが極端に短かく、常時同じような場所でラインを切るため、切れ味の劣化はもっとも顕著だろう。ラインカッターも研いで切れ味を復活させよう。

10 ラインカッター
ラインカッターだって立派な刃物だ

刃がピタリと閉じるように持ち、硯(すずり)で墨を擦るようなイメージで砥石上を前後させる。ただ合わせた刃は水平ではなく角度が付いているので、それぞれの角度に合わせるように研ぐのがコツ。刃に黒っぽい部分残っているのは研ぎが甘い証拠。刃全体が白く光れば研ぎ終了だ。

11 ラインカッターを研ぐ
ラインカッターは立てて研ぐ。ただし両側の刃の角度に注意すること
12 刃先
このように黒い部分が残っているのは研ぎ残しがある証拠
13 刃先
均一に研げれば全体がムラなく白く光る

 

以上、刃物の研ぎ方はこれにて終了。ナイフも包丁もハサミも、手渡すときは刃を人に向けないのがマナー。切れ味鋭い刃物で快適なフィッシングライフを!