出典:写真AC
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ジギングサビキの魅力は、サイズや魚種を問わずに1年中楽しめるところにありますが、とくに秋が最盛期! いよいよ本格シーズンの到来というわけですが、どんな魚をどうやってねらえばいいんでしょうか?
そこで今回は、エキスパートアングラーであるハヤブサ・フィールドスタッフの井上隆史さんにお話を伺いながら、これからのシーズンにジギングサビキを活用して釣果をあげる方法とその手順を紐解いていきましょう。
1.夏から秋のジギングサビキ
要チェックポイント
(1)今時期の対象魚は?
井上さんによると、これからのシーズンはジギングサビキにとって嬉しい時期だそう。
「ツバスやサバ、アジなどの回遊魚をねらうのがいいでしょう。これらは夏からねらえるターゲットですが、いよいよ育ってきてサイズがよくなり、ツバスなどはハマチにサイズアップしますよ。
なんといっても回遊の青物はショアジギングの花形です。ジギングサビキだとメタルジグ単体よりもさらに拾える魚も多くなります。ジギングサビキが一番熱い時期が今からなのではないでしょうか」とインタビューに快く答えてくれた井上さん。
(2)今時期のねらうポイントは?
「この時期に行く場所は、ズバリ! 潮通しのよい場所で回遊魚が回ってくる場所。沖堤防や外洋に面した堤防ということになります。
回遊魚は沖を回遊しているため、エサが回ってこない限り湾奥や港内にはなかなか入って来ません。そこで、沖堤防に渡船で渡ったり、潮通しのよい堤防でサバやツバスを迎え撃つということになります。とくに沖堤防なら潮通しは万全です。渡船で渡してもらうことになりますので渡船代は掛かりますが釣れる堤防を探す手間はありませんからオススメです」
「また、その場所だとライトタックルと、ライトなジギングサビキを用意することでアジもねらえます。そして、いくら潮通しがいい堤防や沖堤防といえど、青物が回っていないこともありますので、その場合ライトなジギングサビキでアジなどの小物を釣るといいでしょう。
潮が動いていない回遊魚の食いが悪い時間帯なら、足下でカサゴなど根魚をねらうのもありですね」
井上さんによると、これからの時期ねらうべきおススメのポイントは「潮通しのいい堤防」。ここで回遊のチャンスをうかがいつつ、もし回遊のタイミングが悪ければ、足下で根魚などをねらうと退屈しないそう。
(3)釣り方は?
次に、ねらい方はどうしたらいいんでしょうか。
「サバは上の層を泳いでいることが多いので上層から、ツバスは上から底まで一通り探ってそのときの泳層を探すといいでしょう。
アジは下の層から探っていくのが基本。キャストして底をとって、1回、2回シャクってカーブフォールで落とす。1回、2回シャクって落とすの繰り返しです。アジがいなくても底を丁寧にやることでカサゴなどの底物もねらいやすく、底付近に魚がいるときはこのアクションです」
釣り場に到着して、もしも何が回っているのかわからない状態ならば表層から順に探っていく。結果的にすべての層を探ることになるかもしれませんが、頭の中でイメージし、順番に探っていけば、その日の釣れる魚を見つけることができるはずですね。
(4)井上さんからのアドバイス
さらに、井上さんに釣り方のコツやキモといったアドバイスを伺いましょう。
井上さん: 「フォールはカーブフォールが基本です。
ジギングサビキはテンションを掛けてカーブフォールさせることで、サビキも幹糸に引っ張られ枝の長さの分なびいてふらふら逃げる小魚のように演出できます。なので、カーブフォールが仕掛を一番活かすことができるアクションになります。
もちろん、カーブフォールだとジグや仕掛がこちらに寄ってきますので、あまり移動させずに丁寧に探りたい場合もあるでしょう。ターゲットが逃げる小魚を追うばかりでなく、状況によりフリーフォールに反応しやすい場合もありますので、必ずしもカーブフォールというわけではありませんが、基本はカーブフォールで探っていき、ダメなときにフリーフォールも試すというイメージでいいでしょう」
なるほど、逃げる小魚に見せかける!? いいことを聞きました。
ルアーを何かのイメージに見立てて操作するのは重要な気がします。「何だかわからないけどシャクってたら釣れるよ」と言われるより、意識して逃げる小魚を演出する方が釣れるイメージも湧いてきます。
カーブフォールや巻きのアクションで水中をなびくサビキは、まさに逃げる小魚に見えるはずですね。
「最初は重めのジグで遠投して、ただ巻きを中心に広範囲を探りましょう。
着水後すぐに巻きはじめれば表層近くを探れますね。また、速く巻けばジグが沈みにくいので上層が探れます。逆に底まで沈めてから巻き始めたり、ゆっくりと巻けば、底に近い層を探れます。
巻きに反応がなければ、着底させてから数回軽くシャクってカーブフォールさせるといった、シャクりとフォールのアクションに切りかえて探るといいでしょう」
では、遠くで反応がない場合は次にどう探っていくのでしょう?
「とくにツバスは堤防付近を回遊することが多いので、堤防のキワ、足下まで来ることがあります。手前でバタバタ釣れることが多いんですよ。
例えば沖堤防の場合、だいたいみなさんは30g~40gのジグでさらに沖に投げていますが、ヒットパターンは意外と手前が多くて、普通なら回収してしまいそうな距離ぐらいでチャンスが多いんです」
意外と足下が熱いケースが多いとのこと。これは重要なポイントですね。
「遠くで反応がない場合、徐々にメタルジグの重さを下げて手前を探ります。
重いジグだと速く巻かないとすぐに底に着いてしまいますが、軽いジグだと沈むのが遅いので手前や足下も丁寧に探れます。そして、近い距離に魚がいるのがわかったら、届く範囲でジグの重さをさらに下げる」
沖堤防で水深があったり潮流が早い場合を考えると、ジグを軽くするとはいえ20g~40gがよさそうに思うところですが、井上さんはメタルジグを10g~15gまで落とすのだそうです。魚が近い場合に備えて軽めのジグを持っておきましょう。