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突然ですが、娘から「父ちゃんイカが食べたい!」とお願いをされてしまった…。釣りには行きたいものの、「真夏の釣り=暑い・とろける」のが世の常。ならば夜釣りで快適にってことで「そうだ夜焚きに行こう(京都に行こう風)!」と、流行りに乗っかってイカメタルに行ってきたのであります。
イカメタルゲームとは?
梅雨に入り夏がもうすぐ訪れそうな時期になると、北九州では私が楽しみにしている今流行りの「イカメタルゲーム」の季節に突入します。
イカメタルとは、夕方に船で沖に出て日が暮れると船のライトを点けてイカ(ケンサキイカやスルメイカ)を寄せて釣る「夜焚き」といわれる釣り方で、胴突仕掛にスッテをたくさん取り付けて効率よく釣る方法。ルアーフィッシングっぽく仕掛下部のオモリのところにメタルスッテと呼ばれる金属製のスッテを取り付けて、その上のエダスにウキスッテや小型エギを1~2個つけた、ゲーム性を高めた釣り方です。
イカメタルゲームの魅力といえば、状況や時間に応じてイカが一番居そうなタナを探し、さまざまなバイトを感じながらイカを掛けていくところにあります。基本の釣り方はしっかり誘ってから仕掛を止めて、イカが抱きつきやすくすること。急に軽くなるバイトやひったくっていくバイトが多く、それを的確に察知し掛けることの楽しさがあるのです。
活性が低くなると「えっ? バイト?」と思うほど微妙なときもあるので、そんなときは少しの違和感でもガンガンアワセて、攻撃的に釣る楽しみ方もできます。変化の多い釣りで集中力もいるので、私は大好きなのです。
さてさて釣れるのか?
いざ出港~!
7月の中旬にイカメタルゲームのできる船をやっと予約できました。釣行当日は仕事を一通り済ませ、18:30に出港する船の港に30分前に到着しました。ところが、海をみると時化気味です…。やや不安になりつつも、ここまで来たら気にしても仕方ありません。身支度を整えて乗船しました。
時間通り出港。「さてさて釣れるのか~?」と思いながらも、船は40分程沖に走りポイントに到着しました。パラシュートアンカーを船長が投入し、アンカーが効くのを待つ間にタックルを準備します。
最初はイカの居場所を探すために、仕掛を軽くキャストして効率よく広範囲を探れる仕掛、オモリグをチョイス。オモリグはシンカー(中オモリ)の先に長いリーダーをセットした仕掛で、誘いを入れたあとリーダーが馴染むまでの時間がバイトチャンスになるので、日が高いときやイカの居場所が分かりにくいときには威力を発揮します。リーダーの先のエギはハヤブサの乱舞V3の3号・キンテオリーブ(目立たせるため)と、上のエダスには乱舞SSの2号・蛍光オレンジ。そしてシンカーは、早く落としたいのでスリムシンカーの30号といった組み合わせで様子をみました。
第1投目、シンカー着底後に大きなシャクリを2回入れてフォールさせ、仕掛が馴染むといきなり穂先を抑え込むバイトが!! しっかりとフッキングし上げてくると、小型ながらも本命のイカでした。「これは、もしや爆釣??」の予感で、思わずニヤニヤ。気をよくして第2投。さあドンドンきなさいと気持ちが高ぶりますが……、釣れない…。全然釣れない。バイトすらない(滝汗)。
2時間が経過し、そこで初めて今日は厳しいと気がつきました(遅い)。それでも波風が強いなか集中して釣っていると、なにかしらの違和感に気がつきます。それは、ほんの一瞬ですが仕掛の重みの消える瞬間があり まるで船の揺れと勘違いしそうなくらいの変化。穂先にも出ない微妙なバイトに疑心暗鬼ながらもそれを確かめるために、とにかくその違和感や小さな変化をアワセまくることにしました。
やっぱりイカだった
アワセまくっていると徐々にタイミングが合うようになり、とうとうフッキングに成功! 小さいもののねらいのイカが上がってきました。釣れたことがひじょうに嬉しくてたまらないと同時に、このことで、私の疑念は確信に変わったのでした。
それからは、仕掛をオモリグから通常のイカメタル(胴突式)に替えて、フォール中のバイトを出しやすくする作戦に変更。ハヤブサのスッテ「ナマステ」はフォール中に横を向いて、いわゆる「水平フォール」してくれので効果があると直感。これで小さな変化にも対応できるようになるはずです。胴突式のイカメタルはオモリグと違い広範囲に探れないものの、リーダーがない分バイトがわかりやすくフッキングもしやすいリグ(=イカを掛けていきやすい仕掛)。このタックルチェンジがよい方向に転がり、「違和感あればフッキング!」を繰り返し順調にイカを掛けていけるようになりました。
しかし周囲はというと、全然釣れている様子がありません…。バイトの出かたを周りのみんなに伝えて情報を共有して、集中して釣りを続けていきました。
バイトが小さく掛けにくいうえ思ったほどイカのいるレンジ(タナ)が安定しないので、一旦底を取ってから少しずつレンジを上げていきます。レンジを探り、イカのバイトを感じとって釣っていく方法のため、釣り方としては効率が悪いパターン……(とにかく好きですが疲れます)。カラーローテーションもしてみましたがまるで効果なく、少しずつ数を伸ばしていく他ありません。「仕掛を止めて掛ける!! フォールさせて掛ける!!」を繰り返して、なんとか30パイほど釣ることができてひと安心。しかも、最後の1投でこの日1番のサイズも入り、気分よく(?)沖上がりをすることができたのでした。
釣れなくても腹は減る(笑)
沖上がり後、なんとか釣ることができてホッとすると、お腹が鳴りだしました(笑)。確かに釣りをしている間、飲み物は飲んだものの、食べ物を口にしていない(汗)。そうとなれば、深夜に営業している北九州のソウルフード「資さんうどん」に直行するしかありません!!
席につくなり定番の「肉ゴボ天うどん」を注文。この資さんうどんのゴボ天(ごぼうの天ぷら)は、大きくてサクサクしており、なんせ旨いんです。スープの出汁もよく私のお気に入りです。たくさん食べてお腹いっぱい! 幸せな気分に包まれながらも、眠くなる前に家路についたのでした~。
もちろん次の日には、イカの刺身、天ぷら、沖漬けのフルコースを家族で堪能しましたよ!
真夏に快適に美味しいイカと出会えるチャンスの多い「イカメタル」。釣り自体も難しくなく、女性や子どもさんでも十分楽しめる釣りです。九州ではシーズンが終わってしまいますが、東の方では長くイカメタルを楽しめるところも多いようです。涼しくなる季節に楽しい夜焚きに行って、ぜひ美味しいイカをゲットしてみてください。
レポーターREPORTER
バスフィッシングやバストーナメントを楽しむ傍ら、海のルアーフィッシングである「エギング」に興味を持ち始めたのをきっかけに、がっつりソルトウォーターフィッシングの魅力にハマってしまったハヤブサフィールドスタッフ。バストーナメントを引退後、ショア・オフショアを問わずソルトウォーターフィッシングに傾倒しているプロアングラー。基本的に出たがりの恥ずかしがり屋で、吉本新喜劇が大好きな町の電気屋さん「ババデンキ」の店主でもある。