私の独断で言わせていただくと、管理釣り場の魅力は「そこに釣れる魚がワンサカいる」ということに尽きる…。そう、釣りをするのに恵まれた環境を用意してくれている管理釣り場は、初めての釣りや家族とのレジャーにおススメな施設。
というわけで、私の思う管理釣場での釣りデビューのススメとその際のアドバイスを、少しだけお届けしたい。
管理釣場なら魚も豊富でイージー!?
とはいえ、経験者にしっかりと教わるのが上達のカギ
釣りにおいて、野池や川、湖や海にはもちろん魚はいるんだけど、そうかんたんに釣れないことの方が多い。修行僧のごとく海に立ち込んで、何時間も黙々とルアーをキャストし続けるシーバスフィッシングも私個人としては楽しい釣りなのだけれど、彼女や家族を連れてのレジャーとしてはまったく成立しない…。ウェーダーをはいてサーフに立ち込んで…なんて、連れて行った日には「二度と行きたくない」と言われるのがオチだろう。
管理釣り場も、確かにかんたんに釣れるわけではない。しかし、まったくの初心者に何も教えずいきなり釣らせるようなことをせず、経験者がきちんと教えた上で釣りをすれば、釣りが初めてという方でも、まずまずの釣果を期待できるだろう。また、リールの使い方や竿さばき、魚の扱い方など、自然のフィールド相手ではマスターするまで何年もかかりそうなものだが、管理釣り場なら半年も通い込めばイッパシの釣り人に誰でもなれる。魚のストックがハンパではないから、釣りを通じて魚が教えてくれる、というやつだ。
道具は身の丈にあったもので十分
そして、釣りをするのに欠かせない道具。最初から高価な道具をそろえる必要はまったくない。1つ4万円も5万円もするロッドやリールなんかは不要。まして、バスボートに乗って釣りをするわけじゃないんだから、一度に何本もロッドを持ち込むことなんかもっと不要だろう。
初めはいわゆる“できあい”の釣具でも構わない。それを1つ持ち込んで釣りをして、とにかく魚が釣れる感触を早く感じ取ること。それをやっているうちに「リールにこんな性能があったらなぁ」とか、「ロッドがもう少しこんな風だったらなぁ」といった、改善や工夫する気持ち、向上心につながっていくものだ。そのタイミングでさまざまにお金をかけて、自分の釣りスタイルを構築すべく、釣具の選択を考えていけばいい。
私は70年代後半~80年代前半のルアーフィッシングに強烈に影響された人間。そんな私が管理釣り場に持ち込むのはスピニングタックルとベイトタックルの2種類なのだが、そのうちのスピニングタックルがミッチェル408である。現代の“シルキースムースなドラグ”からはほど遠い代物だ。そしてベイトタックルはバンタム200やファントムを使う。もう「ベイトフィネスなどナンですかぁ??」の世界…。それでも管理釣り場では数も大きさも楽しめている。
思えばうん十年前の管理釣り場初心者だったころ、「鱒のルアー釣りセット」みたいなものを買ってきてスタートし、「あぁこんな感じね」と感触をつかんだのが始まり。やっていくうちに使用するスプーンは軽くて1.5g、重くて5gというのが自分の勝負スタイルになってきたので、1.5g程度の軽いスプーンはミッチェルで、5gのスプーンはバンタムやファントムで、というパターンができ上がった。
釣りなんて趣味の世界なんだから、自分が使っていて気持ちのいい釣具でやればいいと思う。値段が高い、イコール性能がよいタックルをそろえて本格的にやるのもよし。中古の釣具屋でそれなりのものをリーズナブルにそろえて釣りするもよし。私のように、オールドタックルで楽しむのもよし…だ。まぁ私の場合、ここ最近の釣具、特にリールは日本のものも海外のものもみんな同じようなものにしか見えない、個性のないものにしか見えないからツマラナイ、という独断と偏見からオールドタックルに傾倒しているのだけれど……(笑)。
釣りへのこだわりや付き合い方は自分なりに
話があちこちにいったが言いたいことは、初めての管理釣り場において、「初心者は経験者と行きましょう!」「そこでたくさんの魚を釣る、たくさんの魚をバラす、ということを経験して魚に教えてもらってください!」「そこから自分の釣りスタイルを構築していき、お気に入りのタックルをそろえて、その釣りにのめり込んでください!!」、そういうことである。
釣りをしているときだけでなく、釣りの行き帰り、食事処や土産屋さんに立ち寄ったり、温泉に浸かったりするのも楽しいし、自宅で釣具をいじっているときでさえも楽しい。
初めての管理釣り場経験から釣り三昧の楽しさへと進んでいくことができれば、きっといいんだろうなと私は思う。
いかがだろうか? さて、今年はやたらと雨が多く夏の前半は釣りに行けず、ついでに私は塾で先生をやっているため夏期講習があり、余計に釣りに行けなかった。しかし先日、本当に久しぶりに釣りに行く機会に恵まれ、オールドタックルでも綺麗な魚がしっかり釣れた。
ぜひみなさんも、自分なりのスタイルでフィールドへ出かけていただきたい。そして釣れた魚は大切に…。
※本文は個人の見解によるものです。ご了承ください。
レポーターREPORTOR
神戸育ち。はるか昔の小学生のころ、友人に誘われ近所の野池で釣りをするようになったことから釣りにはまり、“ウキ”の動きにドキドキするウキ釣りが原点。おりからのルアーフィッシングブームに影響されつつも、投げ釣りや堤防からのサビキ釣り、テトラの穴釣り、漁港での夜釣り、もちろんルアー釣りなど、神戸の環境に100%合わせた釣りを楽しんできた。現在は関東で暮らし、釣りだけでなく音楽もこよなく愛する自称文化人。